活動内容

美しい森林(もり)づくり全国推進会議は、会員の合意に基づいて、次のような活動を活動を行います。

  1. 里山整備、森林環境教育、生物多様性の保全等の取組の推進
  2. 企業やNPO等のボランティアによる 森林 ( もり ) づくり活動の推進
  3. 国産材利用の推進や国産材製品を取り入れたライフスタイルの拡大
  4. 森林 ( もり ) づくりを担う人材の確保や山村地域の活性化を図る取組の推進
  5. その他美しい 森林 ( もり ) づくりを進めるために必要な活動

運動の趣旨

京都議定書の数値目標の達成を目指す

私たちが暮らす日本の国土の約7割が森林です。森林は、豊かな水や生態系を育み、日本の環境を支えてきました。

また、平成9年に採択された「京都議定書」で、我が国は、第1約束期間(平成20~24年)に、平成2年比で温室効果ガスの総排出量を6%削減することを国際的に約束しました。

これを受けて、政府は「京都議定書目標達成計画」を策定し、「京都議定書」の削減目標6%のうちの約3分の2にあたる3.8%(1,300万炭素トン)を国内の森林による二酸化炭素吸収によって確保することを定めました。「京都議定書」の目標を達成するためには、省エネなどによる排出抑制とともに、森林による吸収量を確保していくことが必要です。

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森の循環を形成し、”元気な森”を育てる

しかし、我が国の森林は、林業の採算性の悪化や山村の過疎化などにより手入れが行き届かなくなり、森林の「植える-育てる-収穫する」という循環がくずれ、森林のチカラが弱まっています。このままでは「京都議定書」の森林吸収目標の達成が危ぶまれるだけでなく、かけがえのない森林の機能の低下が危ぶまれています。

我が国の森林の本来のチカラを取り戻すためには、手入れを必要とする多くの森林に人が積極的に関わり、育てなければならないのです。
かけがえのない森林を守り育て、二酸化炭素吸収量を確保するためには、多くの人々が森林づくりに参加し、間伐材などの木材を生活の中で活かし、林業や山村を活性化させ、「植える→育てる→収穫する→上手に使う」という「森の循環」を取り戻すことが必要です。そうなれば、日本の森林は“元気な森”に生まれ変わります。

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「美しい森林づくり推進国民運動」の推進体制

かけがえのない森林を守り育て、地球温暖化の防止にも貢献し、次の世代に美しいみどりを伝えていくために、平成19年2月に、「美しい森林づくり推進国民運動」が始まりました。同年6月には、民間主導による「美しい森林づくり全国推進会議」が設立されるとともに、全国各地で美しい森林づくり地方推進組織の設立が始まり、官民一体となった国民運動が展開されています。

この運動では、平成19年からの6年間で300万haの間伐の実施(京都議定書森林吸収目標の達成)と100年先を見据えた多様な森林づくりを目標に、林業にたずさわる人や山村に住む人だけでなく、都市に住む人々や企業等も参加しながら、森林に適切な手入れを行うことはもちろん、間伐材等の木材を生活の中で活かすこと、山村を活き活きとした地域に再生することなど、「美しい森林づくり」にむけた取組を進めています。

また、平成20年からは「美しい森林づくり推進国民運動」を全国各地で幅広く展開していくために、森のための4つのアクションへの参加を呼びかける「フォレスト・サポーターズ」が始まっており、「フォレスト・サポーターズ」とも連携しながら、多彩な方面から森林づくりの輪をさらに広めています。

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さぁ、みんなで美しい森林づくりに参加しましょう!

「美しい森林づくり」を進めるために私たちができること。それは、山に行って木を植えることだけではありません。

森林づくりへの参加・応援から、森林にふれて学び、そして森林で暮らし森林をつくるなど、さまざまな形で参加することができます。森林づくりにかかわる人が増え、また、それぞれのかかわりが深まると、「美しい森林づくり」をすすめる大きな力になっていきます。スト・サポーターズ」とも連携しながら、多彩な方面から森林づくりの輪をさらに広めています。

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参考…「美しい森林づくり推進国民運動」の展開について

平成19年 2月23日美しい森林づくりのための関係閣僚による会合」

運動の主旨

森林は、国土の保全、水源のかん養、地球温暖化防止、生物多様性保全等の公益的機能を有しており、国土の3分の2を占める森林を適切に整備・保全する「美しい森林づくり」を進めることは、「美しい国創り」の礎となるものである。

しかしながら、近年の林業採算性の悪化や山村の活力低下に伴い、間伐等が行われず森林の公益的機能の低下が懸念される状況となっている。このような中で、森林の公益的機能の発揮を図るためには、特に森林の4割を占める育成林について、適切な間伐を実施した上で広葉樹林化等多様な森林への誘導を進めていく必要があり、このことは花粉症対策の面からも有用である。

一方、我が国の森林資源は、戦後築き上げてきた育成林を中心に利用可能な状況になりつつあり、国際的に木材需要が増大しているなか、今が、適切な間伐等の推進による整備・保全と国産材の利用拡大を通じた森林・林業の再生を図っていくチャンスである。

このため、関係府省庁の連携を図り政府一体となって、「美しい森林づくり」に向けて適切な森林の整備・保全、国産材利用、担い手・地域づくりなどの取組を、幅広い国民の理解と協力のもと総合的に推進していく。

運動の目標

幅広い国民の理解と協力を得て以下を推進。

(1)2007年~2012年の6年間で330万haの間伐を実施し間伐の遅れを解消

これによって、間伐対象齢級育成林の約8割が適正な状態となり、多様で健全な森林づくりに向けた基礎が確立。

(2) 更に、100年先を見据え広葉樹林化、長伐期化、針広混交林化等多様な森林づくりを推進

花粉症対策、良好な景観形成、生物多様性の確保、鳥獣被害対策など多様な国民のニーズに対応した森林を形成

目標を達成するための取組内容

目標を達成するため、次の内容について関係省庁が連携して推進する。

(1) 木材利用を通じ適切な森林整備を推進する緑豊かな循環型社会の構築

生産サイドの構造改革を進めるとともに、木材利用の推進を図ることによって、間伐等の採算性を高め、適切な森林整備を進める。

  1. 更所有者への施業提案等による施業の集約化、高性能林業機械と路網整備の組合せによる低コスト作業システムの普及・定着、流通の効率化や製材・加工の大規模化等を推進することによって、品質・性能の確かな木材製品の安定供給に向けた木材の生産・流通体制の構造改革を図る。
  2. 住宅分野、エネルギー分野、公共工事等での木材利用の推進を図る。また、消費者ニーズに対応した新たな製品・技術の開発、消費者重視の新たな市場の形成と拡大、木の良さの普及等の取組を推進する。

(2) 森林を支える活き活きとした担い手・地域づくり

森林整備・保全の担い手の確保・育成、山村地域の活性化を図ること等によって、適切な森林整備・保全を推進するための条件整備を進める。

  1. U・J・Iターン者を含む森林整備・保全に意欲を有する者に対する研修等を推進することによって、将来にわたって地域の森林整備・保全を担う人材の確保・育成を図る。また、今後増加する定年退職者等のふるさと回帰に向けた取組と連携した森林整備・保全への担い手の確保・育成を進める。さらに、森林整備・保全の推進と併せ、境界の整備など森林管理の適正化を図る。
  2. 優れた自然や文化、伝統等の山村特有の資源を保全するとともに、これらを幅広く活用した新たな産業の創出や魅力ある地域づくり、山村地域の生活基盤の整備や定住者の受入体制の整備等を推進することによって、山村地域の活性化を図る。

(3) 都市住民・企業等森林づくりへの幅広い参画

森林所有者のみならず、都市住民・企業等幅広い主体による森林づくりを推進する。

  1. 企業やNPO、都市住民等によるボランタリーな森林づくりを促進するとともに、森林を活用した環境教育や森林セラピー、身近な里山林の保全・利用活動等を通じた国民の森林に対する理解の醸成等を図ることによって、森林整備・保全への幅広い参画を進める。
  2. 森林所有者による適切な森林経営を推進するとともに、私有林、公有林、国有林の各主体間の連携を図り、地域毎に効率的な森林経営を推進する。

推進体制

このような取組を効果的かつ円滑に推進していくため、関係府省庁の局長級の連絡会議、課長級の幹事会を設置し、運動の推進状況を適時確認していくこととする。また、民間主導の全国レベルの推進会議の開催等を通じて、幅広い関係者による国民運動を展開していく。