「森林を語る」第3回 ガールスカウト日本連盟

野外活動を通して自然と共生するプログラムを展開

ガールスカウトは、少女と若い女性が責任ある世界市民として、自ら考え、行動できる人となることを目指し、活動している社会教育団体です。対象は、小学校就学前からの女性で、年代別にテンダーフット(小学校就学前一年)、ブラウニー(小学一~三年生)、ジュニア(小学四~六年生)、シニア(中学生)、レンジャー(高校生年代)と分けて、それぞれの成長過程に合わせた活動プログラムを用意しています。それを支えているのが、ボランティアの成人会員。会員はそれぞれ地域の団に所属し、それらをまとめている支部が、各都道府県にあります。ガールスカウトの会員は、現在全国で五万人ほど。全世界では一四四カ国で活動を展開し、約一〇〇〇万人が所属する世界的な団体です。

日本のガールスカウトの活動には、三つのポイントがあります。一つは「自己開発」。自分の可能性を発見し、主体的に生きる力を身につけます。二つ目は「人とのまじわり」。さまざまな人々と行動を共にしてお互いを尊重する心を育てます。三つ目は「自然とともに」。キャンプなどの野外活動を通して、生命や自然の大切さを身近に感じ、その中で自分がどうするべきかを考えます。

活動の三つのポイントの三つ目に「自然とともに」とあるように、キャンプやハイキングなどの野外活動を行うガールスカウトにとって、自然や森林は切っても切れない関係。森林づくりに関わる活動としては、緑の募金活動を行ったり植林や下草刈りなどの森林保全活動に参加したりと、今までもさまざまな活動をしてきました。しかし、ただボランティア活動をするのではなく、複数の要素を取り入れてプログラムを組むのがガールスカウトの特徴です。地域で森林保全に携わる方などから工具やロープの使い方を教われば、スキルが高められて自己開発につながります。また、治水や二酸化炭素吸収など森林の役割を学び、自分たちに何ができるか考えることは、自発的に行動できる人を育てることにつながります。一つの活動にも、いろいろな目的を含んでいるのです。

森林の下草刈り活動も実施

森林の下草刈り活動も実施

民間企業やNPO団体との連携を強めるチャンスに

私たちの基本的な考え方は、全世界共通ですが、一つひとつのプログラムの内容は各国の連盟や各都道府県支部、あるいは基本的な活動単位である団に任されています。森林ボランティアの方や森林管理局、地域のNGO・NPO団体やボーイスカウトと協力して森林の保全・育成のお手伝いをする団もあれば、自分たちで保有する森林を管理するなど、身の回りの自然を守る活動を行っている団もあります。これらの活動は「美しい森林づくり推進国民運動」が始まる何十年も前から、ガールスカウトが日常的な活動として、当たり前に取り組んできたこと。一過性ではなく、長く続けることがガールスカウトの特徴なのです。でも今回「美しい森林づくり全国推進会議」に参加することで、森林に対する意識を見つめ直すきっかけになりました。活動内容が大きく変わることはありませんが、日本の森林が社会でどういう位置づけなのかを確認し、ガールスカウトとして取り組む意義を再認識するという意味はあると思います。

今後も引き続き、自分たちの教育プログラムの中で森林づくりを意識した活動を展開し、「美しい森林づくり」の一員として取組み続けていきたいと考えています。また、民間企業やNPO団体などとの連携を強めるチャンスにしたいですね。全国の都道府県には、必ずガールスカウトの支部がありますので、CSRで新しい活動を始めようと考えられている企業の方は、ぜひガールスカウトのネットワークと子どもたちの力を使っていただきたいです。五万人の会員の力が、役に立つことがあるかもしれません。また、子どもたちにとっても企業や他団体との交流から学ぶことはたくさんありますので、教育の機会になります。お互いにメリットのある関係を築いて活動の幅が広がるように、今後ますます連携を強めていきたいです。

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社団法人 ガールスカウト日本連盟

http://www.girlscout.or.jp/
「自ら考え、行動できる女性」の育成をめざし、少女や若い女性に成長の場を提供する社会教育団体。全世界で約1000万人、国内では約5万人の会員が活動している。2010年に、日本でガールスカウトが誕生して90周年を迎える。