「森林を語る」第5回 日本労働組合総連合会

森林は豊かな暮らしのために欠かせない社会資本

日本労働組合総連合会(以下、連合)は、労働組合のナショナル・センターです。現在は56の構成組織が加盟し、組合員は680万人。イトーヨーカドーや旭化成が加盟する、民間最大のUIゼンセン同盟をはじめ、日本自動車総連や電機連合、自治労、日教組などが構成組織の一部として挙げられます。また、各都道府県には地方連合会を設置しています。たとえばトヨタ自動車の場合、本社は愛知県にありますが、東京やほかの地方にもあるので、それぞれが地方連合会に加盟しています。

 連合は、1989年に結成以来、労働条件や賃金の向上、組合員の生活の豊かさを求めるための取組みを進めてきました。職場における労働・賃金の向上、育児休暇などの制度を国に対して要求すると同時に、よりよい職場づくりを目指しています。そして、生活を広い範囲で捉え、社会保障や税制、自然環境、食の安全など、人が生きていく上で大切な問題にも全般的に取組んでいる組織です。なかでも自然環境については、結成時から重要であると考え、東京都・高尾山に〝連合の森〟を設定し、植林活動を行ってきました。今では、その活動が組織全体に広がり、国内だけにとどまらず、海外で植林を行う組織もあるほどです。連合から森林づくりの重要性を提案し、組織が単独で行ったり、地域のNPO団体と連携して行ったりと、多くの組合員たちがボランティアとして活躍しています。

 また、2年に一度、国や政府に対して、「政策・制度 要求と提言」を作成し、具体的な要求を求めています。今年の六月に環境大臣へ提出した「要求と提言」にも、森林について記しました。私たちは、森林を社会資本だと考えています。森林には、地球温暖化防止や自然環境、災害防止などの利点がありますが、何よりも水をつくる大切な存在。具体的な提言ができるよう、実際に群馬県・高崎市周辺の森林整備状況や木材工場などを視察し、反映させています。

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他団体との交流を図りながら本当の“美しい森林”を

連合は「美しい森林づくり全国推進会議」に参加したことで、これまでの活動を継続するとともに、皆さんにも活動内容を理解していただきたいと考えています。反対に、ほかの団体がどのような活動をしているかも知り、他団体と積極的に交流を図り、意見交換などをすることによって有効に横のつながりを活用していきたいと思っています。

 森林を保全し育てることは、時間も手間暇もかかります。それこそ、工場でベルトコンベアーでつくるような一般的な産業とは違います。日本人の暮らしは森林と密着していますし、森林が荒廃してしまえば、川や海も死んでしまいます。森林に関わる労働人口は減少していますので、今後は若い人が魅力的だと感じる産業に育てていく必要があるでしょう。国産材の使用を普及させることで、流通や運搬などの作業が今以上に増えて、産業として発展します。そうすれば、必然的に雇用も増えるのです。抽象的な〝美しい森林〟だけではなく、森林に関わっていきいきと働くこと。この状況をつくることが今、大切なのだと思います。そのために、従来通りの実務と森林ボランティア活動を行うだけではなく、いろいろな方からのアイデアや知恵を借りながら、活動に取組んでいきたいと考えています。

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日本労働組合総連合会(連合)

http://www.jtuc-rengo.or.jp/
1989年に結成。現在、加盟組合員は680万人。日本の労働組合のナショナル・センターとして、すべての労働者のために雇用と暮らしを守り、豊かさが実感できる公正な社会を目指し取組んでいる。