「森林を語る」第7回 全日本トラック協会

全日本トラック協会が行う社員貢献活動の一環として

全日本トラック協会は、全国のトラック協会の中央団体として活動しています。トラック運送事業者は全国で約62,000社あり、各都道府県のトラック協会に所属し、全日本トラック協会は、その全国組織になります。運送事業の適正な運営や健全な発展の促進、公共の福祉に寄与するための事業の実施、事業者の社会的・経済的地位向上などを目的に、各トラック協会と連携を取ることが私たちの役目です。

なかでも私ども交通・環境部は、交通安全対策と環境保全対策の二つを大きな軸に、取り組むべき事業を進めています。トラック協会としての社会貢献活動は、CO2の吸収源である森林を育てること、そして自然災害時の緊急物資の輸送が主。また大前提として、事業用トラックの事故を防いで環境に負荷がかからないように努め、国民の皆さまの理解を得ながら社会との共生を図ることも不可欠です。

環境省のデータにもありますが、CO2排出量は運輸部門が二割を占め、その八割以上が自動車であると言われています。事業用トラックが仕事量を少なくすれば、当然排出量なども減りますが、それでは日本全体の経済活動を抑えることになってしまいます。作業効率を高めることで、排出ガス量を減らすことが大切なのです。トラック協会として、いかに地球温暖化対策に貢献できるかを視点に具体的な事業を進めています。

地域のボランティアの方と一緒に活動を実施

地域のボランティアの方と一緒に活動を実施

トラックの森づくりで環境に対する取り組みをPR

平成15年から、地球温暖化の要因であるCO2削減対策として、「トラックの森」づくり活動をスタートしました。トラック協会では、年に一度、ブロックごとに全国のトラック事業者を対象にした全国トラック運送事業者大会を行い、開催地域付近に1ヘクタール程度を「トラックの森」としてフィールドを設定し、植樹をしています。森づくりを実施するにあたっては、社団法人国土緑化推進機構に場所の選定や維持管理をしていただく森林ボランティアの要請などについてご協力いただいています。現在まで、三重県、北海道、沖縄県、新潟県、岡山県の五か所で「トラックの森」づくりを実施しました。基本的には国有林を中心に場所を選定し、一般の方でも森の育成活動に参加したり、森林浴などのフィールドとして利用していただくこともできます。

この活動を行うことで、会員事業者の環境に対する意識や森林の重要性に対する認識の向上などの効果を期待しています。実際に各都道府県のトラック協会が独自に実施した「トラックの森」が全国に十九か所ありますし、来年度以降、検討している協会もあるようです。着実にその意識は広まりつつあります。

「美しい森林づくり全国推進会議」の参加団体として、ほかの団体の話を参考にしながら、今後も森林の保全・管理をはじめとする活動ができればと思います。また参加したことで、一般の方に対しても、トラック事業者が環境問題を少しでも解決しようと努力していることをPRする効果もあるはずです。各地方のトラック協会と連携を取りながら、全都道府県で「トラックの森」づくり活動を展開していければと思います。

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社団法人 全日本トラック協会

http://www.jta.or.jp/

1948年、「日本トラック協会」が発足し、1954年に社団法人化。1969年、日本トラック協会と全国陸運貨物協会、全国貨物運送事業組合連合会が一本化し、「社団法人全日本トラック協会」が発足する。各都道府県のトラック協会の中央団体として活動し、よりよい輸送サービスの提供に努めている。