北海道

石子 彭培 北海道に森を創る会 理事長

地函館「未来の森」を拠点に森林トラスト運動

ph_hokkaidoimg-keyperson-act3日本には営々と木を植え、木を用い、森を大切にしてきた歴史があります。これからの日本を背負う子どもたちが健やかで豊かな人間性を育む活動として、山林を寄付などで取得する「森林トラスト運動」を進めています。

森林トラスト運動は地函館「未来の森」(5ha)を拠点に、春の植樹祭・森の合唱などを開催しています。企業の森づくり活動は、社会貢献であるとともに、企業のイメージアップにもつながるものであると考えています。

青森県

中濱 和夫 赤石川を守る会 会長

金鮎群れ泳ぐ清流めざし広葉樹の森づくり

ph_aomoriimg-keyperson-act3地元を流れる赤石川は日本でも有数の清流で、世界自然遺産「白神山地」が源流ですが、夏場は生物が棲みにくい環境に陥り、事態を打開しようと国有林内にて広葉樹の森づくりを始めました。

ステファニー等の「緑の募金」協賛募金による支援を得て、会員、一般参加者や子どもたちと年間6回、12日をかけて杉の枝切りや除伐、下地整理を実施しています。その際に、広葉樹の幼樹や樹木は残し、長い時間を要しますが、杉の林を広葉樹の森に戻します。

岩手県

半谷 栄寿 オフィス町内会事務局 代表

間伐促進の新たな仕組み「森の町内会」を展開

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サポーター企業:東京電力

img-keyperson-act2森づくりに不可欠な間伐が進まないのは費用が収入を上回るからですが、「森の町内会」はこの不足分を補完して間伐を促進する新たな仕組みです。

「間伐サポーター企業」が購入・使用する「間伐に寄与する紙」には「間伐促進費」が付加されており、間伐を経済的に成立させるのです。首都圏や大阪での企業向けの活動に加えて、「緑の募金」の支援によるキッザニア東京との連携活動も実施し、国産材利用のマインド醸成に努めていきます。

宮城県

木村 健太郎 宮城県森林インストラクター協会 企画部長

多様な主体と協働して里山林の再生めざす

ph_miyagiimg-keyperson-act3近年里山の荒廃が進み、森林機能の低下が叫ばれています。さらに里山を健全に保全し後世に引き継いでいく能力が失われかけています。里山再生には、行政やNPO単独の力ではなく、大きな協働形態のモデルを作り上げることが近道だと感じました。
県内で特に荒廃が著しい県有林5・7haを借り受け、新日本石油の「緑の募金」への寄付を通した支援により、従業員や地域のボランティアとの協働で里山再生活動に継続的に取り組んでいます。

秋田県

嶋田 康子 秋田県トラック協会 会長

企業による水と緑の森づくり第1号は「トラックの森」

ph_akitaimg-keyperson-act3近年、世界的に環境問題がクローズアップされ、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の削減が重要な課題とされています。当協会は自動車を使う業界として、環境意識の高揚を図りたいものと具体的な方法を模索していました。

そんな折、「水と緑の条例」の趣旨のもと、県民参加の森づくりを推進している秋田県が、今年度新たに「企業の森づくり」をコーディネートし、「企業による水と緑の森づくり」制度を創設する運びになりました。そして、同制度の第1号となる取り組みとして、当協会がCSRの一環として、由利本荘市の所有地において森づくりを行うこととなりました。

そこは「トラックの森」と名づけられ、秋も深まる10月24日、ブナ、ケヤキといった広葉樹数種1360本を当協会の関係者や地元のボランティアなど総勢120名で植樹しました。

山形県

堀川 隆志 山形県森林土木建設業協会 会長

森林の保全が社会貢献の第一歩

ph_yamagataimg-keyperson-act3機能が低下している森林の再生を図ろうと下刈除伐を実施し、伐採したものについてはチップに加工して再利用しています。整備が進むにつれて森林に足を向ける一般市民が増えてきており、安らぎや憩いを提供できているのではないかと自負しています。

当協会の会員が「緑の募金」(企業募金)に協力し、「募金事業」をあわせて実施することで、社会に貢献できるものと考え、会員相互に森林の保全の重要性と緑化することの意義を再確認しています。

福島県

黒河内 豊 福島民友新聞社 取締役事業担当

参加型環境学習家族ぐるみで森林体験

ph_hukushimaimg-keyperson-act1平成16年5月に創刊百十周年を記念して「民友の森」を開設しました。「民友の森」は、林野庁が自然体験の機会を増やそうと行っている「遊々の森」制度を活用、県民参加型の環境学習の場として運用しています。
4月にはクリーンハイキング、5月には木々や草花の撮影を楽しむ「写真撮影会」、10月には親子で参加する木工教室を実施し、自然の中での物づくりの楽しさを実感してもらい、親子の触れ合いも確かめてもらっています。

茨城県

市毛 恭子 茨城県緑化推進機構 総務課長

面的な里山整備を–企業のCSRをサポート

ph_ibaragiimg-keyperson-act3林野庁主催の森づくりコミッションの説明会に参加して、企業のCSRの導入ができれば面的な里山整備が可能になると考え、上司に森づくりサポートセンターの提案をしたのがきっかけです。

国土緑推や県の助成をお願いしワンストップサービスのセンターを立ち上げました。その後、森林ボランティア向けに確保していた民有林所有者に相談し、同意を得て各経済団体などに参加を要請したところ、口コミや新聞などを介して数件の参加となりました。

栃木県

神山 英昭 足尾に緑を育てる会 会長

「公害の原点」の山に100万本の木を植える

ph_tochigiimg-keyperson-act3足尾銅山の製錬過程に出る煙などにより付近の山々は3500haもの面積が荒廃裸地化してしまったといわれています。そこで本来の足尾の山の姿を取り戻すべく緑化活動を主目的とし、足尾が抱えるさまざまな問題を考えるための「足尾に緑を育てる会」を1996年に発足、第1回植樹デーには参加者約160名で100本の苗木を植えました。

植樹デーの参加者は年々増加し、09年春の植樹デーでは総参加者は1400名で、5500本もの苗木を植えるイベントへと成長。現在過疎化が進む足尾町にとって最も多くの人が集まる一大イベントになっています。

また、02年より、学校や団体、企業の体験植樹活動を受け入れていますが、参加団体は順調に増加しています。例年、4月から11月の間は連日対応に追われる繁忙期となっています。

群馬県

菊川 照英 フォレストぐんま21 理事長

「理想の森」の実現は「現実の森」直視から

ph_gunmaimg-keyperson-act3森の自然・生態・景観等環境を学び21世紀の森のあるべき姿を考え、森づくりに関する事業を行い群馬県の「理想の森づくり」に寄与するというのが、私たちの理念であり行動指針でもあります。

明るく楽しい魅力ある森づくりの企画提案書作りを作成し、企業の参加を呼びかけ、「理想の森」と「現実の森」の落差を直視し、考える場の提供が大事だと考えています。本来の森の姿を次世代に引き継ぐために「理想の森づくり」に邁進する所存です。

埼玉県

北村 博 埼玉森林サポータークラブ 会長

森林の恵みに感謝 安心安全楽しい森林づくり

ph_saitamaimg-keyperson-act3当クラブは平成9年に設立し、長年林業関係の方々のご指導のもと、サポーターとしての森林づくり活動の基礎固めができました。平成11年には、企業による森林づくり活動のお手伝いの依頼があり、現在では数社の企業と活動しています。

社会や地域のためにとは考えず、森づくりの喜びや人との出会いを大切に活動することが第一です。森林が明るく元気になれば、森林から社会や地域に大きな恵みがもたらされることでしょう。

千葉県

大野 博之 FX千葉CSR社会貢献事務局 総務課長

県有地への植栽はオフィス用紙使用の恩返し

ph_chibaimg-keyperson-act3当社の20周年に何か社会貢献ができないかと検討した結果、環境にいいことをしようということになり、オフィス用紙を使用していることから、植栽をして私たちの森を作り自然に恩返しをする取り組みを始めたのです。
千葉県の協力を得て、君津市と富津市の県有地に植栽をし、下草刈りを実施、今後は枝打ち作業も必要になります。成田の里山では森づくりにも携わっています。これらは、当初から家族参加での継続的な取り組みとなっています。

東京都

守屋 廣次 三宅村森林組合 事務長

噴火災害跡地に緑の苗木を

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ANAの森づくり「私の青空 三宅島空港・アカコッコの森」

img-keyperson-act3噴火による島外避難中、各方面から三宅島復興に協力したい旨の申し出がありました。森林組合という立場から、緑化ボランティアとして三宅島に来島して支援していただければとNPOの立ち上げをお願いしたのが活動のきっかけです。

当初は緑化できるかどうか不明でしたが、現在、上場企業6社、NPO他8団体が噴火災害跡地に継続的な植林活動などを行っており、年間で延べ2000人(観光客と同数)が来島しています。

神奈川県

相原 國雄 秦野市環境産業部森林づくり課 課長

秦野市が仲介して里山のふれあい森づくり

ph_kanagawaimg-keyperson-act4平成22年に全国植樹祭が開催される秦野市の里山林は、伝統産業であった葉たばこ栽培の終焉後、人の手が入らなくなり、荒廃が目立つようになったため、ボランティア団体による里山保全活動を市がサポートしています。

市と里山の所有者、ボランティア団体による利用協定と市からの助成金等により活動は活性化し、全国植樹祭に向けては、「緑の募金」の支援を受けて、市民参加で間伐材の記念品作成に取り組むなど活動は広がっています。

新潟県

鈴木 重壱 中越みどり復興アクション 代表

共に生かそう!命の緑 地域再生へのアクション

ph_nigataimg-keyperson-act4大規模な地盤災害となった中越大震災によって、ふるさとの山々は大きく崩壊しました。広域自然環境の弱体化への危機感と縄文の太古から豊かな実りを与えてくれた大切な共生空間である里山の復活、被災地域支援を強く願って活動を開始しました。

震災アーカイブスの役割と全国の中山間地再生のモデル拠点として、山古志地域にフィールドミュージアムを創出するため地域の皆さんと共に土づくり・植林育樹活動・環境学習などを続けています。

富山県

竹内 俊彦 北陸コカ・コーラボトリング 広報環境部 部長代理

庄川上流域に「うるおいの森」をつくる

ph_toyamaimg-keyperson-act3私たちは創業以来郷土の豊かな水の恩恵に浴し、清涼飲料水の製造販売をしてきました。砺波工場も庄川水系の良質な地下水のおかげで安全でおいしい製品を造っております。この水は「豊かなる森からの贈り物」であり、次世代に引き継ぐためには、自分たちの手で庄川上流域に自然林をつくる活動が必要であると「うるおいの森づくり」を宣言したのです。

そこで社員とその家族が主体となり、「うるおいの森づくり有志の会」を結成しました。生態系を最大限に活かし、自然に芽生えた稚幼樹の育成を優先し、不足分は地域の遺伝子を受け継いだ地元産の山引き苗で補植します。急斜面のため雪解け時の根踏み、夏前の下草刈りなども森林組合、南砺市および富山県関係者の指導と協力を仰ぎながら、さらに作業を通して地元の皆さんとも楽しく交流しつつ、5年の年月が経過しました。

石川県

中川 巌 石川フォレストサポーター会 会長

森づくりでふるさとへの思いを醸成

ph_ishikawaimg-keyperson-act3当会は石川県緑化推進委員会が実施しているフォレストサポーター養成講座の修了生が集まり発足した会です。森林整備、里山保全の実践を行うとともに、県民に森づくりの大切さを広め、広く県民参加の活動を目指しスタートしました。

森づくりは長い期間が必要なことから現在8カ所の経過を継続してみています。その過程で林業資源のみならず、景観やふるさとの歴史を含む自然を守ることの重要性を訴えています。

福井県

上野 直之 「郷の森 里楽」の会 会長

放置林を宝物に戻すための挑戦

ph_fukuiimg-keyperson-act3アベサンショウウオなどの希少野生生物が生息している越前市西部地域の里山も、経済的価値の低下とともに放置林と化し、少しずつ自然が蝕まれつつあることに危機感を持ち、人間との関わりでつくった宝物(里山)に戻すために地域の住民や企業とともに森林ボランティア活動を始めました。

現在は「緑の募金」の支援を得て、越前市市有林での活動拠点づくり、植林(広葉樹)など楽しみながら、ハード・ソフトの両面から里山の保全再生に挑戦しています。

山梨県

荒井 光雄 富士に学ぶ会 理事長

富士山麓で人と自然の共生をまなぶ

ph_yamanashiimg-keyperson-act121世紀は「水の世紀」と言われています。私たちが暮らす山梨県は、全国有数のミネラルウォーターの生産地で、日本全国の50%近くを生産しています。水資源を守り育む活動はとても重要です。

「富士に学ぶ会」は、富士山周辺の自然環境の保全活動、森づくり・まちづくり活動を通じて、指導者育成・青少年の健全育成などを目的に平成14年10月1日設立しました。

森づくり活動では、落葉広葉樹の森づくりをはじめ、炭焼き体験、植樹体験などを通じてものづくりや自然とのかかわりを学び、野外での創作活動を通じて、ものの大切さや、自然と共生する心を育てています。地球温暖化防止や自然環境保全のために「みどりは大切だ」「緑を育てよう」と考えるものの、なかなか行動に移せないのが現状です。ぜひ、一歩、森に足を踏み入れてみてください。

長野県

遠藤 浩明 ダイドードリンコ甲信支店 開発課長

「緑の募金自販機」を通して全国規模の森林整備

ph_naganoimg-keyperson-act3清涼飲料水を販売する会社に勤務している関係で、自動販売機の使用する電力が排出する二酸化炭素を吸収し、きれいな水を供給してくれる森林・山に少しでも恩返しがしたい気持ちから自動販売機の収益の一部を募金する「緑の募金自販機」を立ち上げました。

「緑の募金」がきっかけで始まった森林支援活動ですが、今では全国各地で実施される森林整備、環境保全活動に積極的に参加するようになりました。森林整備は社会的使命ととらえています。

岐阜県

伊藤 栄一 ひだの未来の森づくりネットワーク 代表

地域情報誌を利用した企業と住民参加の森づくり

ph_gihuimg-keyperson-act1飛騨地域ではさまざまな森づくり活動が行われていますが、私たちはより活発な森づくり運動への発展を目指し、「緑の募金」の支援を受けて参加者相互のネットワークや特性を重視しつつ、企業とも協働した持続性のある森づくり活動の一歩を踏み出しました。

フリーマガジン制作会社の協力のもと、地域情報誌「さるぼぼ倶楽部」に専用ページを設け、森の現状を伝える記事を掲載し、実際に森を見学するツアーや森と触れ合うイベントを実施しています。

静岡県

水野 博 プレンティアの森 代表

天竜川水系の里山再生で「ワクワク・ドキドキ」を共有

ph_shizuokaimg-keyperson-act330年ほど前、銀座の文具店で「日本ではおそらく最後の大径木の桂材だ」と説明された彫刻材と出会い、子どもの頃に親しんだ森を実際に歩いてみました。そこで目にした光景は、生態系を失い放置された悲惨な産業林の姿でした。あの子どもの頃の森遊びの「ワクワクする楽しさ」や「ドキドキする興奮」を共有できたら森を再生できるのではと考え、1999年にNPOを設立しました。

団体名称はその発想をそのまま造語にしたものです。さまざまな活動の一端に、「1万人のどんぐりの里親運動」というものがあります。山で拾ったどんぐりなどの雑木の種子を、家庭や幼稚園などで1年間大切に育成して森に戻すのです。この活動を通して、市民の手で豊かな生態系を持った森が着々と蘇り、子どもたちの伸びやかな感性や豊かな情操性が育まれています。

愛知県

丹羽 健司 矢作川水系森林ボランティア協議会 代表

森づくりまずは森の健康診断から

ph_aichiimg-keyperson-act12000年9月12日、東海豪雨で矢作川中上流域の森林では1000カ所を超える沢抜け(土砂崩落)が起き、豊田市は水没の危機に見舞われ、山里の古老たちは「山に手を入れないもんで……」と嘆いていました。

調べてみると全国の森で緑の砂漠が広がっている事が分かり、まずは実態を知ってもらえるよう、楽しく参加できて科学的にも説得力をもつ人工林の調査方法を研究者と協働で開発し、「緑の募金」による支援で全国に普及しています。

三重県

池田 輝明 グリーンボランティア「森林(もり)づくり三重」 会長

企業の森づくりを支援するたくましい助っ人たち

ph_mieimg-keyperson-act1当会は「豊かな森林・緑地を次世代に伝えよう」と平成12年2月に設立され、「緑の募金」の支援を得て県内各地で活動を開始しました。

平成15年頃から国土緑化推進機構の仲介により、NTTドコモ等の企業数社と協働で、いなべ市の国有林で森林整備活動を開始しました。 現在も毎月1度、「企業の森」で間伐を中心に地拵え・道作りなどを行っています。また、各社のイベントの際には社員の皆さんに間伐体験や木工教室などの実施・協力をしています。

滋賀県

寺尾 尚純 おうみ木質バイオマス利用研究会

いい湯だな!ここは「まちなかもりのカフェ」

ph_shigaimg-keyperson-act2暮らしを支えてくれている地域の森への関心が薄れていることに危機感を持ち、森の魅力を包括的に人の五感に働きかけることで森林資源の地産地消が進むのではないかと考えました。

ペレットや薪によるエネルギー利用を推進するために、「緑の募金」の支援を受け、間伐材を使ったペレット足湯を設営しました。街中の既存のカフェの協力を得ることができたので、アンテナショップとして「まちなかもりのカフェ」が開設できました。

京都府

柏原 康夫 京都モデルフォレスト協会 理事長(京都銀行頭取)

全国の地銀を結び「森を守る京都サミット」

ph_kyotoimg-keyperson-act3山田啓二京都府知事から「京都の森を守るモデルフォレスト運動を一緒にやりましょう」という話をいただき、経済団体やお茶、お花の団体、社寺の代表、森林ボランティア団体などさまざまな団体に呼びかけて、3年前に当協会を設立しました。 これまでに27もの企業や団体が森づくり活動に参加、さらにこの運動を拡げようと、全国64の地方銀行に呼びかけ賛同を得、この12月に「日本の森を守る京都サミット」が開催されます。

大阪府

小柿 正武 森のプラットホーム高槻 理事長

〝里〟と〝まち〟の架け橋で森林と人をつなぐ

ph_osakaimg-keyperson-act3“里”と“まち”の架け橋となり、さまざまな活動を通じて人と森林の新しい関係作りを目指すことで、いきいきとした森林や里山を次世代に引き継いでいきたいと考え活動してきました。

その一端として、大阪府のアドプトフォレスト制度による企業の行う森づくり活動に参画、地元との橋渡しや現場での技術指導などの支援活動があります。現在、高槻市原城山地区では三つの企業が協力して里山再生に取り組んでおり、成果があがってきています。

兵庫県

小笹 康男 ひょうご森の倶楽部 副会長

持続可能な環境保全を目指し企業の森づくりをサポート

ph_hyogoimg-keyperson-act3森は魅力あるフィールドです。入ってくる人間を拒みません。新鮮な体験を通してさまざまな行動を取らせてくれます。このような森の魅力を多くの方々に知ってもらい、森の仲間を増やしていきたいと考えています。

揖保川源流部での「水源の森づくり」(奥山)、千丈寺湖畔での「景観の森づくり」(里山)などそれぞれタイプの違う森林形態での企業の森づくりをサポートしています。また、兵庫県における企業の森づくりの推進(企業と地域のマッチング)も行っています。

企業の方々には「自ら考え、自ら行動する森づくり」を要望しており、それが企業活動としてダイナミックな動きとなってくれることを念願しています。森というフィールドでの活動は多様な価値観を持った人をつくり、このことは本来の企業活動に貢献するものと信じています。

奈良県

坂本 良平 吉野中央森林組合 代表理事専務

「フォレスト基金」による吉野の森林整備活動

ph_naraimg-keyperson-act3平成10年の台風被害山林の復旧造林事業に取り組んでいた平成13年、東京のNPOの方が吉野で植林活動に協力したいと申し出てこられました。これが企業とNPOが連携したフォレスト基金による吉野での森林整備活動の始まりとなりました。

当初、吉野の林業家と企業の森林に対するとらえ方の差が大きく、共通の認識を持つことがテーマでした。現在は活動の輪も広がり、実行委員会組織を中心に植林と間伐が継続的に行われています。

和歌山県

岡上 哲三 中辺路町森林組合 代表理事組合長

熊野古道周辺に多様性ある森づくり

ph_wakayamaimg-keyperson-act3世界遺産熊野古道周辺に伐採跡や大規模放置林が数カ所できて困っていたところ、和歌山県が企業の森造成事業を発案し、当組合も積極的に参画しました。

とりわけ植栽には注力し、適地適木の考えのもと、今までのようにスギ・ヒノキ一辺倒ではなく、コナラ・ケヤキ・モミジなどの広葉樹も植栽し、多様性のある森づくりを目指しています。例年、春と秋の2回、企業の関係者を迎えて、植樹祭や下草刈りの作業などを共同で実施しています。

鳥取県

藤田 充 賀露おやじの会 理事長

千代川流域の森を元気にしたいオヤジたちが集結

ph_tottoriimg-keyperson-act3これまで子どもたちと一緒に間伐作業などの森林ボランティア活動をコツコツと続けてきました。しかし、一般市民の森林への関心は低い中、いま一歩盛り上がりに欠け、成果も思うように出せていませんでした。

そこで、女性グループや研究者・専門家の協力を得て、千代川流域の市民を巻き込んだ未利用の森林資源を生かした経済循環システムを創造する事業を考えました。

今後の展開として、地域マネージャーを雇用し、プロジェクトの推進に向けて地域と異世代・異業種の人たちや企業をつなぎたいと考えています。企業の持つ技術やノウハウを活かしながら、職務を離れて、活動趣旨に共感できる人の参加を望んでいます。利潤や効率の追求とはまったく異なる森林の保全に仲間たちと喜びや楽しみを見出すことができるなら、「オヤジ」の資格十分です。

島根県

野田 真幹  もりふれ倶楽部 理事・事務局長

情報ネットで森を守る縁結び

ph_shimaneimg-keyperson-act3もりふれ倶楽部で5年間森林ボランティア活動に携わってきたのですが、実施面積や人の広がりなど、いちNPOの取り組みだけでは越えられない、大きな壁があることを痛感しました。

そこで、島根県緑化推進委員会を中心に「しまね森づくりコミッション」を立ち上げ、人々の生活や環境と森林との関係について理解と関心を深めるための事業を進めようと企業約50社を含む、HPやメールを中心とした情報ネットワークを構築しました。

岡山県

小見山 節夫 ふれあいの里・高梁 理事長

森林保全に企業のエネルギーを注入

ph_okayamaimg-keyperson-act4県内中山間地域では森林所有者の高齢化、担い手不足により、植栽された「スギ・ヒノキ人工林」、「里山林」などが管理の行き届かないまま放置されています。

そこで企業のCSR活動のエネルギーを注入して何とか地域に貢献できないものかと考え、平成18年に株式会社ジャパンエナジー水島製油所と「高梁・JOMOふれあいの森」森林の里親契約書を締結(5年間契約)、平成20年には「オムロン岡山事業所 協働の森」協定書に調印しました。

広島県

瀬川 千代子 ひろしま緑づくりインフォメーションセンター 代表

アカマツ林を整備して「かつてのようにマツタケを!」

ph_hiroshimaimg-keyperson-act31998年9月15日に県内の森林ボランティアグループが集まり「県民参加の森づくりフォーラム」を開催され、森林を愛する仲間とともに森づくりを楽しみ、地域のための森林づくり、環境保全活動、まちづくりに役立つ活動が提案されました。その後99年3月24日に「ひろしま緑づくりインフォメーションセンター(GIC)」を創設しました。現在の加盟は27団体あります。

森林の整備事業で見つかった湿地を「もみのき湿原」と名づけ、GICの交流事業として2000年より6年間にわたる整備・保全活動を行い、現在も定期的に保全活動を継続しています。
また、07年からは「かつてのようにマツタケを」という合言葉のもと、広島の里山の特徴の一つであるアカマツ林の整備を取り組み、さらに安全技術・技能普及事業にも注力しています。

山口県

山根 多恵 地域維新グループ 代表

森林を通して、豊かな暮らしと地域の未来を考える

ph_yamaguchiimg-keyperson-act4当グループの所属団体の中に、「やまぐち里山文化研究所」があり、そこは「人が豊かに生きるとはなにか」をテーマに里山を通じて研究・実践しています。フィールドは山口県21世紀の森施設で、指定管理者制度により2006年4月から管理運営を委託されています。

21世紀の森では、里山に親しみ、里山に関する知識や、森林整備の技術の普及、啓発のためのイベントや研修を定期的に行っており、07年4月からは、衣・食・住をテーマに里山資源に親しむ「里山人養成講座」、実際に21世紀の森周辺の山に入って作業を行い、参加者の方々に森林整備作業を体験してもらうことで技術の継承と普及を目指す「きこり養成講座」を実施しました。 今後も体験学習ができる講座やイベントを順次企画し、開催していく予定です。

徳島県

金井 仁志 徳島県庁 林業振興課

技術課長補佐 パートナーシップ協定で「とくしま協働の森づくり」

ph_tokushimaimg-keyperson-act3徳島県は「地球温暖化対策推進条例」を制定し、一定規模以上の事業所に対し温暖化対策計画書の提出を義務づける一方で、森林におけるカーボンオフセットを可能とし、県民や企業を巻き込んだ新たな取り組みとして、「とくしま協働の森づくり事業」をスタートさせました。

現在まで企業9社とパートナーシップ協定を締結しましたが、資金のみならず労力の提供にも積極的で、間伐や植林活動にも熱心にご参加いただいております。

香川県

佐々木 台行 アサヒビール高松支社 支社長

スーパードライ1本で1円分の環境保全

ph_kagawaimg-keyperson-act3アサヒビールでは、昨年、四国工場操業10周年を迎え、これも「四国の水と森があってこそ」と感謝の意よりお客さまにご愛飲いただいた1本が自分の居住地域に貢献できるという新たな満足感をご提案するプロジェクトを実施し、スーパードライの売り上げ1本につき1円を環境保全活動に活用させていただきました。

このプロジェクトで発生した寄付金の一部は、香川県が推進する「フォレストマッチング事業」にお役立ていただいています。

愛媛県

江崎 次夫 愛媛の森林基金運営協議会長 愛媛大学教授

「緑の募金」への呼びかけで企業を動かす

ph_ehimeimg-keyperson-act3山火事跡地や放置森林の整備に取り組んでいます。これからは欧米と同様に企業の参画がなければ、われわれの生活や環境保全に寄与できる森林の再生や造成は困難と考え、企業に積極的に森づくりに関わってもらうために「緑の募金」を通じて啓発活動を行ったことが、活動のきっかけです。

企業や地域の人たちと山火事跡地に植栽を実施しました。また、今年度初めて企業へダイレクトメ-ルを発送し、「緑の募金」への強力な呼びかけを行いました。

高知県

中嶋 健造 土佐の森・救援隊 事務局長

企業と協働して木質資源の地域循環システムを構築

ph_kochiimg-keyperson-act2県が推進する「企業との協働の森づくり事業」や、町が推進する木質バイオマス利用等への参画に加え、「緑の募金」の支援により間伐材利用が定着しています。

森林整備に対する環境支払いとして我々が発行するモリ券(地域通貨化)の財源には企業が投資した資金を充当し、さらに企業側のCSR活動のレベルを人の交流から山村再生システムへの参画へ引き上げるために、木質バイオマス利用システムでの木質エネルギー利用などを提案・実施しています。

福岡県

小森 耕太 山村塾 事務局

できることから始める「パッチワークの森づくり」

ph_fukuoka台風被害や手入れ不足によって不健全となったスギ・ヒノキの森を再生するために、市民や企業の参加を得ながら、少しずつでもできることはないだろうかと考え、15m四方のパッチ状に広葉樹を植栽する整備手法を思いつきました。私たちはこの手法を「パッチワークの森づくり」と名づけ、スギ・ヒノキの森に広葉樹を点在させることで、いろいろな生き物が住み、災害にも強い森ができるのではないかと期待しています。

「パッチワークの森づくり」では、15m四方の森林整備について一口10万円で支援金を募り、活動諸費用に充当しています。

小さな森づくりのメリットは、企業や団体、市民の協力を得ながら地域と連携し、さまざまな森づくりの形、連携の形に取り組むことができることだと考えています。できることを行い、次世代に豊かな森を残しましょう。

佐賀県

川内丸 信吾 有明の海を守るふれあいの会 会長

有明海の異変が促した森づくり

ph_sagaかつて宝の海と呼ばれていた有明海の異変を目の当たりにすると、その上流域に住む者として責任を痛感しました。そこで、安定した水質を維持し二酸化炭素の吸収にもつながるということで植樹を実施し森づくりを始めました。

平成14年以来、「緑の募金」等の支援を受け、行政、環境ボランティアグループ、九州電力、地元の企業などと協働し、約22000本を植樹し、最近は教育委員会の協力のもと児童・生徒が参加する植樹も順次実施しています。

長崎県

神山 秀美 100年の森構想実行委員会 実行委員長

どんぐりを拾って「100年の森」をつくる

ph_nagasaki佐世保市制100周年記念事業をきっかけに、2000年の秋に市民団体「100年の森構想実行委員会」が立ち上がりました。当団体のコンセプトは「ふるさとの木によるふるさとの森づくりを進めること」 です。

地元に落ちているどんぐりを拾いポットで育てて、2年経った苗木を市民800名で植樹して以来、実施した植樹祭は25回を数えます。「緑の募金」の支援を受け、1粒のドングリから次世代のために「100年の森」をつくります。

熊本県

菅原 時男 熊本県中小企業家同友会 同友の森づくり実行委員長

中小企業家たちが目指す水源涵養の森づくり

ph_kumamoto豊かな自然の恵みを受けて事業活動をしている私たち中小企業家が、世界に誇る阿蘇の草原、日本一の地下水都市である熊本が危機的状況に陥っていることを知ったことをきっかけに、環境保全に取り組むことは社会的使命として当然のことと考え、水源涵養の森づくりを始めました。

活動としては5年間で5千本の植樹、7年間の下草刈りなど13年間の事業計画の遂行中です。今後とも活動を通して、人づくりや森づくりの輪を広げる所存です。

大分県

葛西 満里子 緑の工房ななぐらす 理事長

森の成長を見守る21世紀久住の森応援団

ph_oitaこれまで森づくりといえば植樹が主体で、植樹後の森の手入れを継続し、成長を見守ることはあまりされてきませんでした。そこでななぐらすは、ボランティアが必要経費(保険料・昼食食材費)を支払い、参加者同士が四季折々の自然を楽しみ、交流し、つながり合いながらみんなで森を支える森づくりに取り組むことにしたのです。

年4回の森づくりの活動は、下刈り、林内の整備、キャンプ、星の観察会、自然観察会や森の植生調査などです。

これまでの活動が実り、いまや植えた木々たちは自然の力で成長できるまでになってきました。これからは、最小限の手入れとともに、樹木や動植物の観察、記録などを行いながら森づくりを進めていきたいと考えています。 久住の森の保全活動に企業も継続して参加していますが、積極的に参加する姿勢を望みたいです。

宮崎県

河野 耕三 綾町 照葉樹林文化推進専門監

照葉樹林都市「綾」の官民協働プロジェクト

ph_miyazaki綾町には日本で最大面積の照葉樹林が残されています。平成17年3月に100年かけての奥山の杜を復元する「綾の照葉樹林プロジェクト」が官民協働で発足しました。

平成17年2月の九州電力による「九州ふるさとの森づくり」を皮切りにJTB、セブンイレブン、宮崎県、地元住民などによる各種の森づくりが実施されてきました。これからも「本物の森づくり」と「里山の森づくり」を展開していきたいと考えています。

鹿児島県

白石 紘一 南九州ファミリーマート 相談役

「ファミマの森」整備活動でふるさとに緑を

ph_kagoshima当社は1993年に創立以来、地域密着経営を目指しており、地域社会への貢献活動に取り組むことも私たちの重要な社会的責任であると考えてきました。その一環として、ふるさとの美しい森林を取り戻そうとの思いから「ファミマの森」整備活動に着手しました。

2002年、いちき串木野市にて吹上浜の「白砂青松」を取り戻す活動を支援し、09年の創立記念日には、社員とその家族で南九州市にて樹木の植栽・森林の整備事業を実施しました。

沖縄県

宮城 隆一 山野草愛好会 会員

「トラックの森」植樹から緑化推進

ph_okinawa当会は主に野山での自然観察や植物採集、学校での講座など、自然に親しむことと健康維持を兼ねた活動を行っています。

平成17年に国土緑化推進機構の仲介により、全日本トラック協会が推進している「トラックの森」づくり事業に参画し、「緑の募金」の支援を得て、糸満市の真壁公園にて植樹と整備に汗を流しました。その後も引き続いて維持管理にあたっています。草木に触れることで、市民の緑に対する意識が高まることを実感します。