主 催 | 美しい森林づくり全国推進会議、(公社)国土緑化推進機構 | ||
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共 催 | 経団連自然保護協議会 |
近年、地方においては活性化のための総合戦略がたてられるとともに、企業においても事業活動を通じて社会的課題の解決に取り組むCSV経営が指向されています。また、環境問題への高まりを受けて「ISO140001」の規定が改訂されるなどの動きが見られます。
こうした中で、「新国立競技場」が“木と緑のスタジアム”として建設されることとなるなど、林業・林産業の振興や地方創生、地球温暖化、環境問題への対応につながる、“森づくり”や“木づかい”が活性化していくことが期待され、そこで果たすべき企業の森づくりへの期待は大きなものがあります。
そこで、地方創生・CSV時代を踏まえた、人づくりや木づかいと一体となった新たな「企業の森づくり」のあり方を議論するために本フォーラムを開催するものです。
開会・挨拶 15:00 |
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基調報告 15:10~16:05 |
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事例報告 16:05~16:25 |
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パネル ディスカッション 16:25~17:25 |
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閉会挨拶 17:25 |
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主催者挨拶
宮林 茂幸 美しい森林づくり全国推進会議事務局長
みなさんこんにちは。美しい森林づくり全国推進会議事務局長の宮林でございます。
美しい森林づくり全国推進会議は2008年に設立され、今年で10年になりました。設立以来、林業に関わるみなさま、山村のみなさま、企業のみなさま等幅広い国民のみなさまの参加によって、全国的な規模で森づくりを展開しております。心から感謝申し上げます。
森づくりの大きな課題は、戦後植えた人工林が安い外材輸入や木材に変わる代替材の拡大などから材価が下がり、林業不振から手入れがされず荒廃している状況からの回復であります。森林の地球温暖化防止機能や国土保全機能あるいは水源環境機能など社会資本としての役割から森林所有者のみならず国民運動として展開していく必要があります。そのような中、私たちはフォレスト・サポーターズという運動を手がけており、1000社を超える企業、五万人を超える国民のみなさまの参加を得て、毎年各地で森づくりを推進しているところです。設立当初より国土緑化推進機構と連携して、全国47都道県に企業の森づくりサポート制度をつくっており、2011年の国際森林年においては、本日の共催でもあります経団連自然保護協議会と、生物多様性保全のための企業による森づくりを推進する相互連携を進めて、全国で約1400箇所を数える企業の森ができております。
また、森林・林業分野では、全国の人工林が成熟期にある中で、林野庁が進めております木使い運動や林業再生プランとともに、地方創生の観点から木材利用に向けた取り組みが進められているところです。企業におきましても、社会貢献=CSRからCSV=共通価値の創造に拡がりつつあります。そのような中で、企業による生物多様性保全の取り組みも拡がって参りました。さらに、昨年は、2020年に開催される東京オリンピック、パラリンピックにおいて新国立競技場が木と緑のスタジアムとして建設されることが明らかになり、それは日本にとって「環境の国」として世界にアピールできる場であり、まさに、みどりによる環境づくりが課題となっております。そこで期待されるのは国民が参加する木づかい、森づくり、そして地域づくりの連携であり、その国民運動のありようが世界に示されることであろうと思います。本日から6月までグリーンウェイブの期間となりますが、これも地域から国へ、そして地球レベルへと大きく拡げていくことが課題であろうと思います。さらに、文科省では、国際的人材を育てる観点で、グリーンラーニング、つまり体験学習、環境教育を推進するという中間答申が示されつつあります。環境省と連携したESDの推進が強化されるところであります。このようにみどりや環境に関わる大きなキーワードが巡る中で、具体的に、如何に循環型社会をつくりあげ次世代に渡すかということが大きな課題です。
本日は、地方創生・CSVにおいて、生物多様性保全の具体化を見据え、人づくりや木づかいと一体となった新しい、企業による森づくりのあり方を議論させていただきます。限られた時間ではございますが、ご来場のみなさまとともに、今後の大きな流れの中で企業と我々がどのように対応しそれらを推進していくかということを考えて参りたいと思います。本日は、ご登壇、ご講演いただきますみなさまに深く感謝申し上げるとともに、本日のフォーラムが成功裏に終了することを祈念申し上げて挨拶にかえていただきます。ありがとうございました。
来賓挨拶
本郷 浩二林野庁 森林整備部長
林野庁森林整備部長の本郷でございます。日頃より、森づくり、あるいは木づかいにご関心をもっていただき、ご協力、御支援賜っていることを大変うれしく思います。今日もお忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
すでに宮林先生からもお話がありましたとおり、私たちは国土緑化運動として森づくりを永年にわたりすすめて参りました。戦中・戦後の伐採によって荒廃していた日本の国土は、この国土緑化運動によって緑豊かな国土に変身しております。
一方で、緑にはなったけれども手入れが行き届かないということが大きな問題となっており、みなさまにご協力いただきながら森づくり・森の手入れを進めていかなければならないという状況になっております。また一方では、木は大きくなっていて利用間伐適齢期に達しているといわれる森林も増えてきております。特に、スギ、ヒノキ、カラマツなどの人工林として育てられたものは、今後使っていくことが求められており、オリンピック、パラリンピックにおける新国立競技場の木材の利用という大変心強い動きもございます。
ぜひこの動きを機会に、都市の中で木材を使っていただく、すなわち大きな高層ビルの中、オフィス、あるいはショップ等の中でも木材をふんだんに使っていただく、また集合住宅の中で木材を使っていただくというようなことを進めていきたいと思います。また、本日ご参集の皆様にもぜひ、都市の中で木を使うということを目指していただけますよう、ご理解・ご協力を賜れればと思っているところでございます。こうした森づくり、木づかいをこれからすすめて行きたいわけでございますけれども、企業の皆様は例えば昨年度であれば約1500件の森づくり活動をしていただいていると承知しております。これからは森づくり、木づかいや植林だけではなく、もう一歩先の持続可能性、あるいは生物多様性というものを目指して、森づくりや、森の質を上げる取組もぜひお願いしていきたいと思っております。
そのようなことを通じて、地方創生、CSVという動き、さらに人づくり・まちづくりにつなげていきたいと考えております。本日はこのような企業の森づくりに対する新たな展開を議論していただき、企業のみなさま、そしてそれを支える国民のみなさまに新たな一歩をご呈示いただければ大変ありがたいと思っております。本日はありがとうございます。