「2011国際森林年」は2011年度をもって終了いたしました。
2011年(平成23年)は、国連が定めた国際森林年(the International Year of Forests)です。国際森林年は、世界で「持続可能な森林管理・利用」という森林の成長量を超えない範囲での木材を利用していくことの重要性に対する認識を高めることを目的としています。
なお、「国際森林年」は1985年に次いで2度目に設定されたもの。国連は、毎年さまざまな国際的に深刻な問題の解決に向けて環境問題から人権問題、平和問題まで多様な「国際年」のテーマを定めていますが、同一名称で国際年が設定されるのは「国際森林年」が初めてのこと。
それだけ森林の問題が世界的に大きな課題であるとともに、1985年から四半世紀経っても、世界の森林の「持続可能な管理・利用」に向けた問題が解決していない実状を示しています。
それでは、世界や日本の森林が現在、どのような状況にあり、具体的にどのような問題があるのか、またどんな取組みが期待されており、私たちに何ができるのかなど、国際的な問題でもあることからわかりにくいところがあるのも事実です。
そこで、ここでは「国際森林年」の背景となった世界や日本の森林の状況から、国際的な取組みの状況、そして「国際森林年」のさまざまな活動を紹介していきます。
2011年は「国際森林年」ですが、26年前の1985年にも「国際森林年」が設定されました。当時は、熱帯林の急激に減少・劣化が国際的な問題として認識されるようになったことから設定されました。その後、世界の森林は1990~2010年の20年間で、日本の国土の約4倍の面積が減少しているなど、依然として減少傾向にあり、世界でさまざまな対策が取り組まれています。
2011年は「国際森林年」であるとともに、「森林・林業再生元年」です。日本の森林の蓄積は、1965年~2007年の約40年間で約2.5倍となっている一方、木材の自給率は3割弱と外国からの輸入に頼っています。その結果、森林が活用されていない、また間伐等の手入れが遅れることで森林がもつ多面的な機能が低下している森林が多くなっており、新たに木材を利用することで日本の森林・林業を再生していく取組みが求められています。