日本は、国土の約3分の2が森林に覆われた世界有数の森林国です。
かつて、戦時中の必要物資や戦後の復興資材として大量の木材が必要とされたことから森林の伐採が進みました。そこで、国土緑化運動などが展開されて植林が進められた結果、戦後には森林面積は増加し、その後その面積が保たれています。
しかしながら、日本の森林は、林業の採算性の悪化や、農山村地域の過疎化・高齢化等を背景として、間伐をはじめとする適切な森林整備が十分に行われていない森林が少なくなく、森林がもつ多面的な機能が低下している状況にあります。
適切な間伐を行うことを通して、【1】残った樹木の成長が促進することで災害に強い健全な森林を育成するとともに、 【2】森林内に陽光を差し込ませることで下層植生が繁茂させ、表土の浸食や流出を防いだり、 【3】多様な動植物の棲みかを提供することで生物多様性を高めることが求められています。
また、「京都議定書」で日本が世界に約束した温室効果ガスの削減量6%のうち、約3分の2にあたる3.8%は、国内の森林による吸収でまかなうことが目指されており、地球温暖化防止の観点からも、間伐等による森林整備への期待は高まっています。