世界の森林は、依然として面積の減少や劣化が進んでいますが、日本の森林も、間伐等の手入れ不足による質的な劣化が課題となっています。このように、世界の森林がおかれた状況を踏まえると、森林の持続的な管理・利用に向けた取組みを世界中で加速させる必要があります。また、1992年の「地球サミット」を契機に採択された、いわゆる「リオ3条約」と呼ばれる「気候変動枠組条約」、「生物多様性条約」、そして「砂漠化対処条約」は、それぞれの条約の目標達成を果たす際には、世界の森林の減少・劣化が大きな課題になっているという状況にあります。
こうした中で、世界の森林の減少・劣化をくい止め、持続可能な森林管理・利用を拡げていくためには、政府や森林所有者、林業関係者による取組みも重要です。しかしながら、企業や消費者も、原材料の調達や木製品の購入という事業活動や消費活動を通して関わりが深いことから、幅広い方々の森林への意識を高めていくことが必要です。
そこで、2006年の国連総会では、2011年を「国際森林年」とすることが決議されました。世界中の森林を持続的に管理・保全することで、私たちの世代だけでなく、将来の世代も森林の恵みを継続的に利用していけるようにすることの重要性について、あらゆる人々の認識を高めていくことを目的にしています。