企業や公共施設で、積極的に木を使うところから始めてみませんか?森は、二酸化炭素を吸収して、炭素として体内にとどめる「炭素固定効果」を持っているので、木材を利用すれば省エネや化石燃料を使わない効果が期待できます。
地域の国産材を使えば、日本の気候風土に合った、木の香りが漂う、温もりのある職場空間を作れます。オフィス家具や事務用品、ノベルティグッズなど、製品もいろいろ。コピー用紙や報告書、パンフレットなどの紙製品にも間伐材紙があり、「グリーン購入法」の対象にもなっています。
また、オフィスそのものを建築する時にも、国産材がオススメです。木材の表面の細かい凹凸や細かい空洞が光の反射を抑えたり、抗菌効果のあるフィトンチッド成分を放散します。さらに、断熱・調湿・防音効果なども加わって、優しく落ちつきと温もりのある空間を演出し、人の疲労感を和らげたり、集中力を高める研究成果があります。
炭素貯蔵量(木が吸収し、木材に貯蔵される炭素の量)で比較すると、木造住宅1軒の炭素貯蔵量は約6tで、鉄骨プレハブ住宅や鉄筋コンクリート住宅の4倍近い量です(出典:岡崎泰男・大熊幹章「炭素ストック、CO2放出の観点から見た木造住宅建設の評価」『木材工業53(4)』1998年)。材料を作るときに排出される炭素の放出量で比較しても、木の素材はアルミニウムに比較して約1/100で済みます(出典:林野庁「カーボン・シンク・プロジェクト推進調査事業」)。