国際森林年国内活動

国際森林年国内委員会活動報告

〔報告〕 第1回国際森林年国内委員会

〔報告〕第1回国際森林年国内委員会

最初の国際森林年国内委員会は、国際森林年の前年、2010年12月16日に開催されました。国内委員に任命された17人の有識者の紹介、国際森林年の意義、ねらいなどの説明がありました。委員からは、「教科書から“林業”という言葉が無くなっている」「国産材を有効に使える仕組みづくりが重要」「暮らしの中に森林を位置づけることが大事」などの発言が出されました。これらの発言を元に、国際森林年のテーマを「森を歩く」とし、森づくりに参加する方々が森に入ってもらえるような取り組みを行うことを確認しました。

〔報告〕 第2回国際森林年国内委員会

〔報告〕第2回国際森林年国内委員会

国際森林年になって、初の国内委員会が4月14日、都内で開催されました。冒頭で3月11日に起きた東日本大震災の復興に向けた「森林・林業・木材産業からの復興支援」が提案されました。その後、新たに委員となった井上篤博委員から「合板会社は東北に集中しているが、フル稼働すれば、賄える状況である」、大久保尚武委員からは「三陸海岸沿いに企業支援で植樹を行う、『緑の回廊』づくり」の提案、多田欣一委員から「岩手県住田町内における、被災者のための木造仮設住宅の建設」の報告がありました。関連して「森についてのグランドビジョンの作成が必要」「震災復興に役立てたその先の価値開発や社会啓発が重要」などの発言が出され、国内委員会として、復興支援に全力で取り組む姿勢を打ち出しました。

〔報告〕 第3回国際森林年国内委員会

〔報告〕第3回国際森林年国内委員会

第3回国内委員会は8月3日、ニコル委員が理事長を務める「財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団」の「アファンの森」にて開催され、国際森林年国内委員会から、国民に向けたメッセージ・宣言の案について、議論が交わされました。

メッセージは、
  • 国際森林年の意味することを今一度多くの国民に伝え、国民がそれらの重要性を知り、理解し、認識を深める機会とする
  • 国際森林年を終えた来年以降も継続的かつ積極的に国民が一丸となって豊かな森林を守り育てていくよう意識の向上を図り、具体的な行動を促す
  • 東日本大震災復興を通し、森林や木との新たな付き合い方を模索し具現化することの意義を伝える
  • 各企業・団体・個人が共通の認識のもと、行動をするための指針になるようにする
を目的とすることが確認されました。

委員会後には、国内委員自らが、アファンの森を歩くエクスカーションが行われ、森を歩く体験を通して、森の持つ魅力や素晴らしさを実感するイベントとなりました。

〔報告〕 第4回国際森林年国内委員会

第4回国際森林年国内委員会が10月14日、都内で開催され、最初に「国民に向けたメッセージの発出について」の提案と、「国際森林年子ども大使」についての報告されました。その後、メッセージ案について、各委員からは、内容や構成を評価する声がありました。
一方で、「外材の氾濫により国内の森林は放置されている矛盾をはっきり書くべき」(出井委員)「日本人の心が森から離れた理由をもう少し盛り込むべき」(草野委員)など、さらに踏み込んだ記述を求める意見が出されました。さらに、一般の人に分かりやすい内容に修正すべきではないか、との提起がありました。
このほか、これまでの国際森林年の取り組みを踏まえ、溝畑観光庁長官からは「「日本の森を守る」ことを国家戦略として取り込んでいくべき」との考えを示されました。

〔報告〕 第5回国際森林年国内委員会

〔報告〕第5回国際森林年国内委員会

2012年1月11日、岩手県多田町にて、最後の国内委員会が開催されました。まず、昨年国内委員会が提言した「2011国際森林年メッセージ『森のチカラで日本を元気に』」及び「行動提案」について報告されました。続いて、国際森林年における取り組みについての発表後、国土緑化推進機構、more trees、オイスカの3団体が行っている、被災地における海岸林の復旧や木製品等の仮設住宅等への支援について、国内委員会有志で、支援していくことが提案されました。その後、日本の森林における課題と今後の取り組みについて議論が交わされ、2011国際森林年メッセージを柱に、今後の活動を行っていくことが確認されました。
今回の国内委員会に先立ち、10日には、岩手県遠野市にて、馬による木材の搬出を行う「馬搬」作業と木材総合供給モデル基地等の見学、11日には遠野市、多田町にて、木造仮設住宅の現地視察が行われました。