令和5年度 森林づくり活動レポート
鳥取県 日南町
貢献したSDGs目標
「日本の30年後の姿のまち」
人口最少県の鳥取県の中で、一番高齢化率の高い日南町。少子・過疎・高齢化が進行する「日本の30年先を行く姿のまち」として、様々な大学、企業等と連携した「中山間地域のモデルを創るSDGsのまちづくり」を実践しています。町面積の9割を森林が占め、森の恵みを享受しながら、自然と共生することを目的に、まちの財産である恵まれた“森林”資源を余すことなく活用する取り組みとして、LVL(単板積層材)の製造を行う株式会社オロチを中心とした木材流通拠点を整備。年間12万立米、鳥取県の1/3の素材生産量を誇っています。
「伐って・使って・植えて・育てる」
木材を使い切ることで新たな「循環型林業」を構築し、林業の持続的な成長を目指しています。皆伐後の再造林には、町内の民有林も含めた苗木助成や、森林組合と連携した保育支援を行っており、山主が費用負担することなく、しっかりと再造林する仕組みづくりを構築。林業の担い手不足解消のため、全国でも初となる“町営”での林業アカデミーを令和元年度に開校し、全国の森を護る人材の育成を図っています。
また、木材を活用した新たな産業も生まれ、家具や建物を解体した際に捨てられる木材を使った“寄木”のアクセサリーを製作。地域での雇用も生み、林業の新たな付加価値を創る商品として全国へ販売しています。寄木細工を製作する白谷(しろいたに)工房は、令和5年度ふるさとづくり大賞(総務大臣表彰)を受賞され、中山間地域のまちづくりの模範として全国に紹介されました。
「企業と連携した脱炭素社会の実現、持続可能な森林づくりへ」
日南町では、町面積の9割を占める豊かな森林を地域固有の資源と捉え、低炭素社会実現へ向けた脱炭素化に取り組む企業の環境意識の醸成と実行支援、持続可能な森林整備への財源確保を目的として、町有林を対象にJ-クレジットを取得。企業の脱炭素経営支援、SDGs・ESGの取り組み支援として、令和5年度も継続して販売しており、年間約80件のクレジットを販売。県内外の企業と連携したネイチャーポジティブ・生物多様性の取り組みを推進。“企業の森”活動や、都市部の企業と連携して、森林を活用した関係・交流人口の創出を行っています。
「森を守る、森を活かす、森の恵みをいただく」
日南町が取り組む環境の力を活かした持続可能なまちづくり、脱炭素社会の実現を目指す町の取り組みが県内外の教育機関から着目され、令和5年度も県内外からの修学旅行の受け入れやSDGs学習の教育拠点として、多くの児童・生徒が来町しています。森林を資源として活用し、循環型の持続可能な森林づくりを次世代へと繋いでいく。日本の30年先を行くまちとして、森林の価値をこれからも発信していきたいと考えています。
鳥取県 日南町(にちなんちょう)のホームページ
https://www.town.nichinan.lg.jp/index.html
2024.09 更新