令和6年度 森林づくり活動レポート
株式会社マーベルコーポレーション
貢献したSDGs目標

2024年度、弊社では特に、台湾での木材利用拡大によるカーボンニュートラルな社会の推進、日本国産材の合法木材への理解等を軸に、いくつかのイベントを開催した。
2024年9月には、台湾嘉義市、国立雲林科技大学と弊社との共催で、「福井×嘉義 脱炭素産業新創出プロジェクト」と銘打って、展示会、セミナー、コンテストを開催した。嘉義市長をはじめ、嘉義文化局長、国立雲林科技大学高教授、日本台湾交流協会高雄事務所の奥所長、等のご臨席をいただき、木造図書館の実作コンテストを開催し、大いに盛り上がった。台湾全国から高校・専門学校4校、大学から4校が事前の図面・コンセプト審査で選抜され、計8校の学生たちが、それぞれの木造建築のコンセプトを考え、木材の温かみや美しさ、SDGsに寄与する環境素材であることをアピールし、木造建造物の楽しさ、環境的有用性を競うコンテストとなった。現地の多くのマスメディアにも取り上げられ、日本の木材イノベーションによる、台湾との脱炭素産業での連携、環境意識の共有化が一層進んだコンテストとなった。

同時にセミナーも開催し、福井県から、木造建築家として福井工業大学丸山准教授と、福井の歴史ある木造軸組工法の製材工場を持つ工務店の南部木材の南部専務に嘉義に来ていただき、それぞれご講演をしていただいた。ちょうど嘉義市では「木都復興3.0」プロジェクトを進めていて、日本統治時代に建てられた6千軒の木造住宅が現存していて、その改修費用を補助し、木材の都、カーボンニュートラルな都市として世界へアピールしていく、という事業を実施している。木造建築、木材の加工法など技術的に不足している台湾において、日本の伝統的軸組木造住宅や、木工加工の技術、日本国産木材の特徴などを、台湾の建築家や木材業者、大学や高校の先生方、国や市の公共の発注者側の人達に広く発信し、理解を深め、人的、技術的交流を活発化させることを、目的としたセミナーである。セミナー後には懇親会を開催し、嘉義と福井の交流が一層深くなっていった。

2025年2月には今年度2回目のプロジェクトを開催した。今年度は嘉儀市林森小学校を会場にして、台湾のNPO法人「義築」、林森小学校との共催でのプロジェクトとなった。義築は、台湾の原住民の人たちを木造建築を通して支援し、台湾の文化、歴史を継続して守っていこうという建築家有志の集団。林森小学校は、日本統治時代に阿里山から伐採された木材を森林鉄道で嘉義市まで運搬し、市内の製材所で製材加工し、日本や台湾国内へ供給していた歴史があり、現地の日本人子弟たちの教育のために建設された小学校である。この2つの団体との共催という形で、「福井×嘉義 脱炭素産業積み木プロジェクト」を実施した。林森小学校の子供たちに弊社が日本国産材を提供し、義築の建築家たちが積み木の加工、製作を子供たちと一緒に行い、木材、木工加工、持続可能で炭素を貯蔵する木材の有用性、楽しさを学んでもらうプロジェクト。先生方や親御さんたちも含めて、カーボンニュートラルで持続可能な社会の実現にむけてのイベントとして大いに盛り上がった。同時にセミナーも開催し、林森小学校の校長先生と台湾政府林務署の技術者の方に、台湾が発表している「2050年炭素ゼロ社会の実現」に向けての、ご講演をいただいた。その後、懇親会も行い、嘉義大学学長、林森小学校校長、日本台湾交流協会高雄事務所長、嘉義の木材企業、義築設計士の皆様に参加いただき、木材を架け橋にした技術・人的交流が進んだ。
このように、2つのプロジェクトの実施を通して、台湾の人たちに、SDGsへの取り組み、森林保全の大切さ、持続可能な素材としての木材の有用性を訴え、カーボンニュートラルな社会の実現へ向けた活動を行ってきた。今後も、台湾から世界へ向けて、この森、木材を媒体とした地球を守る活動を推進していきたいと考えている。
株式会社マーベルコーポレーション
https://marvelwood.jp
2025.09 更新