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森林づくり活動レポート

株式会社竹中工務店

貢献したSDGs目標

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竹中工務店の考える「森林グランドサイクル」

竹中工務店では、森林づくりを、「森林グランドサイクル®」という包括的なコンセプトで捉えています。
都市部でより多くの建物を木造化・木質化することによって木材の需要を高め、日本の森林・林業・地域を活性化し、森林と社会における資源と経済の循環をおこす「森林グランドサイクル®」の構築に向けて、林業事業者・各⾃治体など各⽅⾯のステークホルダーと連携し活動しています。
「森林グランドサイクル®」は、森林は「植える→育てる→収穫する→使う→植える→…」という「森林サイクル」が維持されることで健全を保ち、また、「森林サイクル」は、都市部や中高層といった木造建築の新たな市場が創出されることにより持続可能となる、との考えに基づいています。

2022年度の取り組み

2022年は、‘森林グランドサイクル’を構成する4つの事象ごとに、下記のような活動を実施しました。

【木のイノベーション】下記の主な新規木造技術を開発しました

  • 耐火集成材‘燃エンウッド’の3時間耐火 (大臣認定取得)
  • 高軸力に耐える高層ビル向け‘燃エンウッド’4本束ね柱の開発
  • 木製ダボを用いたDLT工法の実用化
  • 木を用いてS造・RC造の構造補強を行う‘KIPLUSシリーズ’の拡大

【木のまちづくり】下記の主なプロジェクトを創出しました

  • サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場 敷地内レセプション棟、カフェ棟(2月完成)
  • 西部ガスグループ油山研修所建替(2月完成)
  • ポートメッセ名古屋(6月完成)
  • 甲南医療センター(10月完成)
  • 水戸市民会館(10月完成)
  • 岡山表町三丁目再開発(12月完成)

【森の産業創出】下記の主な産業を創出しました

  • 内子龍王バイオマス発電所(10月開所 稼働開始)

【持続可能な森づくり】森林活性化に向けて、川上川下の相互理解深耕のために、下記の主なイベント・講演・啓蒙活動を行いました。

  • サステナブルブランド2022 YOKOHAMA展示会/セミナー(2月)
  • 非住宅木造建築フェア(6月)
  • 建築物木材利用促進協定を農水省様と締結(6月)
  • 木づかいシンポジウム(10月)
  • キノマチ大会議(10月)
  • 成蹊大学森林伐採体験会(9月)

「人づくり」と「森づくり」の取り組み

また、竹中工務店では、「森林グランドサイクル」の「持続可能な森づくり」の実証実験の場として、2017年より、兵庫県川西市中央部の丘陵地にある、敷地面積約8haの自社の研修所の敷地において、従業員へ自然共生・森林保全・生物多様性の素養を身に着ける実務型研修を行い、「人づくり」を「森づくり」へつなげ、森林緑地再生を行っています。
2022年には、約50名の従業員が約6日間の実地研修を受け、敷地内の森林整備を行うと共に、森づくりを通じた社会課題解決のスキルを体得し、プロジェクトを通じた、全国のまちづくりの場で力を発揮しています。
この「森づくり研修」では、森・人・技術を育て、社会課題解決につなげる以下の4つの活動を通じ、関係する多くの人と力を合わせ、自然を活かした土地利用や社会課題解決策を提案し、よりよりまちづくり、そしてサステナブルな社会の実現に取組んでいます。

  1. 敷地全体を豊かな緑地に整備・保全
    放置された森林を社員の活動により再生・保全し森林機能を回復しています。
  2. 自然の力に気づき、学びあい、人材育成につなげる体験型森づくり研修
    社員による応募型の体験型研修を行い、毎年40名程の生物多様性の知見を有する研修修了生を送り出し、自社事業や社会活動で活躍しています。
  3. 実践・検証を通じ自然が持つ多様な機能を活かす技術開発
    敷地内において実践・検証を行い、森づくり研修活動と併せ、技術開発とそのノウハウの蓄積を推進しています。
  4. ステークホルダーとの連携・協働
    今後は、お客さまや地域の方々との連携を視野にいれた活動に繋げていく計画です。
森の植生観察(2022年)
伐採の実習(2022年)

竹中工務店ホームページ

2023.10 更新