令和5年度 森林づくり活動レポート
和建設株式会社
貢献したSDGs目標
弊社では高知県仁淀川町と「協働の森パートナーズ協定」を結んでおり、仁淀川町森林保全基金に毎年寄付させていただいていると同時に定期的に間伐作業等の森林保全活動のお手伝いをしています。令和5年度に関しては3月に弊社のお客様を仁淀川町にお連れして、森林保全の重要性を学ぶ座学を実施した後に間伐体験をするというイベントを開催しました。
そもそも弊社がそのような協定を結んだのは弊社が木造の住宅を扱っているからです。木造の住宅を建てるということは言い換えれば森林から資源をいただいてビジネスをしているということですので、自分たちのビジネスをサステナブルなものにするためにはいただいた森林資源をしっかりと還元していかないと考えました。高知県は森林率84%と全国No.1の森林率を誇る県ですが、その森林のほとんどは戦後に植林された人工林で伐期を迎えたものがほとんどです。森林の多くは生い茂った木々や葉で地面に光が当たらないため下草も生えず、豊かな生態系が守られていない荒廃したものとなっています。今の森林は伐期を迎えた木を切って、植林し、若い木に文字通り光を与え、育てるとい再造林が必要な状況です。そこで弊社では伐期を迎えた森林資源を活用し、住宅を建て、切った分は植林して、再造林を促進することが自社のビジネスと環境保全を両立させられる方法であると考えています。
そのような活動をしている中、神奈川のベンチャー企業であるVUILDという設計事務所と出会いました。VUILDはデジタルデータを用い、ShopBotという木材用CNCルーターを使って、住宅を建てる企画・設計をしています。全ての部材を板材だけで建てる住宅の設計をしており、地域の木材を地域で加工し、地域で建てるという究極の地産地消モデルを作ることを理念のひとつとしています。仁淀川町には当然豊富な森林資源が存在しますが、加えて町内にはすのこの全国シェアNo.1を誇る池川木材工業があります。池川木材工業は板材を作ることを得意としており、CLTに使われるラミナ材も生産しています。CLTに関して申し上げますと高知県で使われる場合、仁淀川町で生産したラミナは一旦県外へ出荷され、CLTに加工され戻ってきますので、町産木材とは言え、加工のために町外へ出て行ってしまいます。そこで「板材で建てる住宅」の仁淀川町モデルを作れば、仁淀川町の森林資源を最終製品として6次産業化できるのではないかと考え、仁淀川町への提案を行いました。そして、仁淀川町×和建設×VUILD×池川木材工業のタッグで100%町産木材&100%町内加工の仁淀川町平屋モデルが3月に完成しました。
完成した町営住宅は国内に留まらず海外からも視察団が訪れるなど注目を集めており、今後、このモデルを地産地消から地産外商モデルとして、町外に出荷していけないかと産官連携で検討しています。ShopBotで板材を加工するこの工法は通常柱や梁に使われる大径木を必ずしも必要としないため、小径木も活用できるため森林資源を無駄なく使えることが特徴です。住宅を建て続けることが森林環境保全の改善に繋がりうるこのモデルを世界に広げていきたいと考えています。
和建設株式会社ホームページ
https://www.kano-kensetsu.com/
2024.09 更新