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令和5年度 森林づくり活動レポート

広島県 東広島市

貢献したSDGs目標

目標 4目標 13目標 15

東広島市は面積約635平方キロ、人口は約19万人の市で、地方都市には珍しく人口は増加傾向にあります。地形は900mを超える自然豊かな山々から、瀬戸内海の美しい多島美まで、変化に富んだ地形となっています。また、本市は昔から酒づくりが盛んで、兵庫県の灘、京都の伏見と並ぶ日本三大酒どころとして知られています。

東広島市の面積の約62%は森林で、豊かな自然環境を有していますが、スギやヒノキといった人工林は約7%と、いわゆる『林業地帯』ではありません。

かつては、薪やマツタケが生産されるなど、「里山」として市民の生活を支えていましたが、生活スタイルの変化や、マツ枯れによって、従来のような森林整備や利用は少なくなっている現状にあります。
そこで本市では、令和4年度に「東広島市森林管理マスタープラン」を策定し、「未来に繋がる森づくり」を基本理念として、森林を持続可能な管理と活用をすることで、多面的機能を十分に発揮させることを目指しています。

マスタープランでは、『価値』『防災』『継承』の視点により3つの基本方針を定め、これらのサイクルを回し続けることで目指す森林の姿に繋がると考えています。
しかし、現実問題として、森林所有者の高齢化や、森林を整備する担い手が不足しているなど、なかなか森林整備が進まない状況にあります。そこで、本市では、多様な担い手とともに、森林の「価値」を見出す活動として、市単位で『企業の森』という取組みを進めています。

その取組の一環として、令和5年度に『森林づくりパートナー制度』を創設し、企業がより参画しやすい環境を整えました。
この制度は、企業・土地所有者・森林組合の3者が協働による森林づくりを目的に、パートナーシップ協定を締結するもので、本市はコーディネーターとして企業と森林所有者、森林組合のつなぎ役となっています。

パートナー協定を締結した企業には地域材を活用した木製のパートナー証をお渡ししています。令和5年度時点では、7社の企業等団体と連携して「企業の森」づくりを進めており、会社近くの森林であったり、自社所有林、また、河川の源流など、企業の特色やノウハウが生かせる環境をフィールドに活動を行っています。
活動としては、基本的な森林保全活動をはじめ、地域交流活動や、研修や福利厚生として活動を行うなど、企業によって特色のある活動を企画・実施しています。

そのほかに、企業の森づくり以外の取組として、地域の森林整備を推進するために、新たな担い手を育成する、「里山資源マイスター養成講座」を毎年開催しております。
賀茂地方森林組合と連携して制作した里山ガイドは、森林の機能や里山整備の知識などを学習できる教材として、様々な場面で活用しています。

また、持続的に森林づくりを行うために、未来を担う子供たちへ、「緑の教室」を開催し、森林に対する興味関心を高める活動を行うほか、森林資源の活用というところでは、賀茂地方森林組合と連携して賀茂バイオマスセンターを整備し、市内外の事業者や個人に木質バイオマスを供給することで、小さな循環にも取り組んでいます。

東広島市ホームページ:企業の森(東広島市森林づくりパートナー協定)

2024.09 更新