会員の活動

フォレスト・サポーターズ

令和6年度 森林づくり活動レポート

NPO法人ちば森づくりの会

貢献したSDGs目標

目標 15

当会は、千葉市(以下「市」)が平成13年から実施している「里山の保全推進事業」に先立ち開催した「森林ボランティア技術研修会」に参加した受講者により平成13年3月に組織された市民参加の森づくり活動団体を母体とし、平成17 年1月にNPO法人の認証を受け、現在に至ります。
森林施業を通じて健全な森林を育成し、人類にとって望ましい地球環境の実現に寄与することを目的に活動する実働型の森林ボランティア団体です。定例活動日は月5日、年間60余日、1,200人日ほどの活動です。
令和6年度の活動は、10月に林野庁主催「森林×ACTチャレンジ2024」グランプリ(農林水産大臣賞)を受賞させて頂き、会員一同、驚きと喜び、そしてこの活動の意義を再認識し、パワー全開での活動状況報告になります。これを機会に、森林づくり全国推進会議に入会させていただきました。どうぞよろしくお願いします。

1)主たる事業である森林施業について

活動場所は、市が同事業で、地域住民や都市住民の参加による多様な森林活動並びに交流の場としての活用が促進されるよう指定した里山地区3箇所(おぐらの森、ひらかの森、おおじの森)の整備のほか、市の森林の99%を占める民有林の整備が進まないことには本質的な森林の再生はないとの認識のもとに、所有者だけでは管理できない民有林(人工林)についても活動の対象としています。
市指定里山地区については、季節ごとに施業管理を行い、市民の利用環境整備に努めています。このところ、大径の広葉樹林相にナラ枯れの被害が確認されていることから、被害木の伐採・予防伐採、送電線下の欠頂ヒノキ林の伐採が通常の施業管理外で続いています。
民有林については、森林所有者には負担を求めないこととし、森林所有者に対する行政の森林整備事業での補助の範囲で、森林所有者の意向を受けて千葉市森林組合と調整し、林地ごとの適期の施業を年間計画し取り組んでいます。高樹齢期(収穫期)に入った森林は森林整備事業での補助の対象外であることから入る機会が少なくなっているうえに、過年に森林所有者が主伐あるいはスギ非赤枯性溝腐病対策で皆伐した林地に会で植栽したスギ・ヒノキ林の枝打ち・間伐が順番待ち状態です。地域の特性として、土壌や環境から成長が旺盛で、スギ非赤枯性溝腐病被害予防に効果があるため、人工林の管理には欠かせない施業として枝打ち・間伐に取り組んでいます。
民有林の多くは小面積で、集約化等までは進まない、いわゆる林業経営に適さない森林ですが、市民共通の財産と位置づけ、CO2吸収源・固定化に対する機能が最大限に発揮でき、生物多様性維持のために、経済的な森林資源の循環にも期待しながら、会活動の中心に据えて活動しています。

春の里山保全活動体験での植栽

2)利活用/普及啓発について

整備した市指定里山地区および隣接する民有林(県認定里山協定地区)の多様な林相を活用して、子供たちや市民向けに、「秋の里山観察会」「春の里山保全活動体験」を主催(千葉市後援)し、森林に入り、樹々に触れ、利活用を楽しむ機会を提供しています。
活動参加への導入機会として、体験希望者の随時の受入れ、「ちば地域づくり大学」の実地体験受入れ、「千葉市森林ボランティア研修会」講師派遣等のほか、今年度新たに千葉東ロータリークラブの地域活動受入れがあり、市民参加の森づくり活動の意義を発信しています。
間伐材については、森林所有者了解のもと、ログテーブルやベンチに加工し、公共施設等に寄贈、設置し、木竹キットにして「ちば木育イベント」ワークショップに出展や木竹加工品を活動拠点近くの都市農業交流センター直売所に春の芝桜・秋のコスモスシーズンに出展し、地域の賑わいに繋げています。

間伐後の集材・搬出・出荷

3) 若い世代と共に

会の活動を発信しているホームページ、Facebook等から体験参加・新規入会する者は、森林の多面的な機能、とりわけ地球温暖化に対する二酸化炭素吸収源としての役割、生物多様性、持続可能な社会の実現に対する関心が高く、会員総数82名のうち現役世代が40名と会活動に対する意義が若い世代にも継承されています。
 意欲的に参加する者には、現場リーダーや運営面を担う役員等の役割を継承しながら、「森と自らの健康のために!」安全に楽しく活動してまいります。

2025.09 更新