アイドリング!!!

出かけよう!日本森林インストラクター協会選定「日本の森100」

book-100mori“森の目利き”である森林インストラクターが、多くの人に体験してほしい日本の多様な森100を選定した、四季を通じて日本の森を楽しめるガイドブック、日本森林インストラクター協会選定「日本の森100」(山と渓谷社)に掲載されているを紹介

日本森林インストラクター協会選定「日本の森100」(山と渓谷社)

カラー見開きで一つの森とコースを紹介。その森の特長や見るべきポイントを明示した上で、適切なコースを紹介しているので、大変わかりやすい内容です。森巡り必携の書。

森のタイプ

icon-a-shizen自然豊かな保護されてきた森 icon-e-kurashi暮らしを守る水源、里山、海岸など暮らしと共にある森 icon-b-shinkou信仰・癒し古くから人々の心のよりどころであった信仰と癒しの森
icon-f-saisei荒廃した森を新たに再生させている森 icon-c-kazan火山活動火山活動の後に自然に形成された森 icon-g-manabi遊び・学び自然とのふれあいや教育の場としての森
icon-d-junkan資源循環用材林として引き継がれてきた資源の循環利用の森
都道府県 名称 クラフト等が
体験できる施設等
タイプ 所用
時間
北海道 北海道立道民の森 遊び・学び 1日
野幌森林公園 豊かな自然 1日
青森県 増川ヒバ施業実験林 資源循環 半日
青森県民の森 梵珠山 信仰・癒し 1日
岩手県 岩手県県民の森 遊び・学び 半日
岩手山麓森の道 火山活動 1日
宮城県 栗駒古道(羽後岐街道) 豊かな自然 1日
松島の奥座敷「宮戸島」 豊かな自然 1日
秋田県 白神山地 留山のブナ林 暮らしを守る 半日
天然秋田スギ(仁鮒水沢スギ植物群落保護林) 資源循環 半日
中島台レクリエーションの森 暮らしを守る 半日
山形県 庄内砂丘のクロマツ林 暮らしを守る 半日
県立自然博物園のブナ林 豊かな自然信仰・癒し 半日
草木塔と尾幡山 信仰・癒し 半日
福島県 五色沼自然探勝路 火山活動 半日
燧裏林道 豊かな自然 半日
茨城県
/福島県
八溝山 豊かな自然 1日
茨城県 筑波山 信仰・癒し 1日
栃木県 塩原自然研究路 火山活動 1日
千手の森と中禅寺湖南岸 火山活動 1日
足尾森林再生地域 荒廃した森を新たに再生させている森 半日
群馬県 至仏山麓の森 豊かな自然 1日
埼玉県 長瀞 宝登山 荒廃した森を新たに再生させている森 半日
「巨木の里」ときがわ 信仰・癒し 1日
狭山丘陵 暮らしを守る 半日
千葉県 清和県民の森 遊び・学び 半日
東京大学千葉演習林 豊かな自然 1日
東京都 明治神宮の森 信仰・癒し 半日
高尾山の森 信仰・癒し 1日
東京都/山梨県 東京都水道水源林 暮らしを守る 1日
神奈川県 湘南平から浅間山・高麗山 暮らしを守る 半日
真鶴半島 資源循環 半日
大涌谷・神山 火山活動 1日
新潟県 五頭県民の森 遊び・学び 1日
妙高山麓県民の森 暮らしを守る 1日
富山県 立山美女平 豊かな自然 1日
有峰湖畔林 遊び・学び 半日
石川県 鹿島の森 信仰・癒し 半日
石川県県民の森 遊び・学び 1日
千振尾根のブナ林 豊かな自然 半日
福井県 岩谷国有林から夜叉ヶ池 豊かな自然 1日
青葉山とその山麓 信仰・癒し 1日
山梨県 山梨県民の森 櫛形山 豊かな自然 1日
青木ヶ原樹海 火山活動 半日
身延山の千本杉 信仰・癒し 1日
長野県 雨飾山山麓 鎌池ブナ小径 豊かな自然 1日
志賀高原志賀山周辺 火山活動 半日
北八ヶ岳自然休養林 豊かな自然 1日
赤沢自然休養林 資源循環 半日
岐阜県 天生県立自然公園 豊かな自然 1日
白山中居神社林と石徹白の杉 信仰・癒し 半日
木曽ヒノキ備林 資源循環 1日
静岡県 天城山自然休養林 豊かな自然 1日
富士山自然休養林 宝永遊歩道 火山活動 半日
静岡県県民の森 遊び・学び 1日
愛知県 愛知県民の森 遊び・学び 半日
段戸裏谷原生林(きららの森) 豊かな自然 半日
海上の森 荒廃した森を新たに再生させている森 半日
三重県 熊野古道 八鬼山 信仰・癒し 1日
滋賀県 湖北の古刹 菅山寺の森 信仰・癒し 半日
一丈野国有林 たまみずきの道 荒廃した森を新たに再生させている森 半日
比叡山行者道の森 信仰・癒し 1日
京都府 東山(銀閣寺〜南禅寺) 暮らしを守る 1日
鞍馬山(貴船〜鞍馬) 信仰・癒し 半日
八丁平湿原・峰床山 豊かな自然 1日
大阪府/奈良県 金剛山・ちはや府民の森 遊び・学び 半日
兵庫県 菊炭の古里 黒川の里山 資源循環 半日
六甲山の自然とブナ林 荒廃した森を新たに再生させている森 1日
奈良県 春日山原始林 信仰・癒し 1日
矢田山遊びの森 遊び・学び 半日
和歌山県 県立森林公園 根来山げんきの森 遊び・学び 半日
高野山(女人道・奥の院・三山) 信仰・癒し 半日
鳥取県 大山古道「横手道」 豊かな自然 半日
島根県 安蔵寺山 豊かな自然 1日
島根県県民の森 遊び・学び 1日
岡山県 金ヶ谷山 荒廃した森を新たに再生させている森 1日
広島県 宮島原生林 うぐいす歩道 信仰・癒し 半日
おおの自然観察の森 遊び・学び 半日
山口県 滑山国有林 資源循環 半日
岩国城山 豊かな自然 半日
徳島県 高丸山千年の森 豊かな自然信仰・癒し遊び・学び 1日
剣山・一ノ森 豊かな自然 1日
香川県 寒霞渓のイワシデ・カエデ林 豊かな自然 半日
大滝山県民いこいの森 遊び・学び 1日
愛媛県 銅山峰から東平 荒廃した森を新たに再生させている森 1日
皿ヶ嶺 (風穴〜竜神平) 豊かな自然 1日
南予アルプス 豊かな自然 1日
高知県 魚梁瀬千本山保護林 資源循環 1日
鷹取山植物群落保護林 豊かな自然 半日
福岡県/佐賀県 脊振山の森 豊かな自然 1日
佐賀県 虹ノ松原 暮らしを守る 半日
長崎県 雲仙普賢岳 火山活動 1日
熊本県 菊池渓谷 豊かな自然 半日
金峰山 信仰・癒し 半日
大分県 山下湖畔の森 資源循環 半日
宮崎県 綾照葉樹林 大森岳周辺 豊かな自然 1日
えびの高原 豊かな自然 半日
双石山 豊かな自然信仰・癒し 1日
鹿児島県 屋久島 宮之浦岳 豊かな自然 1日
沖縄県 西表島(浦内川) 豊かな自然 1日

ロラックスおじさんが「フォレスト・サポーターズ」に!!

loraxojisan1

森を守り育てることの大切さを教えてくれる世界的絵本作家ドクター・スース原作の「ロラックスおじさんの秘密の種」。
冒険アトラクション3Dムービーとなって日本の劇場にやってきた、森を守る不思議な精霊であるロラックスおじさんは、日本での劇場公開を記念するとともに、日本の森を元気にしていく活動の環を拡げていくため、「フォレスト・サポーターズ」に仲間入りしています!

ところで、ロラックスおじさんって、どんな人なのでしょうか。

この物語は、建物ばかりか花や木といった植物までもが
すべて人工物で作られた未来都市。
私たちの暮らしに欠かすことができないおいしい空気でさえ
人工的に作られている自然がゼロになってしまった世界が舞台です。

そんな中、本物の木を見るために、また豊かな森を取り戻していくために
かつてこの街に緑が生い茂っていた時代を知る謎の老人に話を聞きながら、
“秘密の種”を探し求めて大冒険を繰り広げる少年の活躍を追う物語。

loraxojisan2

声が大きくて偉そうだけど、可愛らしく心やさしいロラックスおじさんは、
冒険アトラクションのこの物語を通して、私たちを楽しませながら、
森を守り育てることの大切さを教えてくれます。
そして、「フォレスト・サポーターズ」に仲間入りすることで、
森の大切さに気づき、そして映画の世界を越えて、
日本と世界の森を元気にするための行動をはじめる仲間が
拡がっていくことを願っています。

『豊かな森を取り戻していくために、きみが何もしなければ、
世界は何も変わらないということじゃよ!』

loraxojisan3

loraxojisan_HP

○絵本「ロラックスおじさんの秘密の種」(澁谷雅子著・ケン=ダウリオシンコ=ポール脚本、発行:小学館・2012年)
○DVD「ロラックスおじさんの秘密の種」(発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント・2013年)

「ロラックスおじさんの秘密の種」は、ジュニア向けの物語として出版されるとともに、映画のDVDも発売され、森を守る呼びかけが拡がっています。この度、京都教育大学の山下宏文教授が子どもにすすめたい「森」の話としてご紹介くださいました。

京都教育大学 山下宏文教授によるレポート

Report 澁谷正子・著 ケン・ダウリオ/シンコ・ポール・脚本『ロラックスおじさんの秘密の種』 小学館 2012.9.25

2012年10月に日本で全国ロードショー公開した映画をジュニア向けに同名で物語化したのが本書である。物語の舞台は、プラスチックで囲まれた町、スニードヴィル。木や花や芝生などの植物もすべてがプラスチック。だから、土はいらないし水をやる必要もない。落ち葉の掃除も必要ない。それでいて、花はいつまでも鮮やかな色を保っている。その反面、何でも工場でつくられるので、工場の煙突からは黒い煙、排水口からは化学物質が排出されている。それらは外壁で隠された町の外を汚し続けていた。そのため、この町では空気は買うものと決まっていた。そして、その空気を売って大もうけをし、絶対的な権力をもっていたのが、オヘアという男である。

本物の生きた木が裏庭で育つのを見てみたいというオードリーという女の子の願いを叶えようとテッドという男の子の本物の木探しが始まる。テッドは、おばあちゃんから年老いたワンスラーが知っていると聞き、町の外の谷まで会いに行く。ワンスラーから、スニードヴィルはかつては自然豊かな美しい場所であったが、この谷に生えていたフサフサの木の葉がワンスラーの発明したスニードという編み地の材料となり、製品の大ヒットによって、その木は最後の一本まで伐られてしまったことを聞く。ワンスラーは、森の番人で木の代表者のロラックスおじさんから、木を伐ることをやめるように再三警告を受けたが、結局やめることはできなかった。ロラックスは、動物たちを出て行かせ、自分も空の中に消えていった。草もない荒れ果てた土地だけが残された。

テッドと話すうち、ワンスラーはロラックスの残した言葉「もし、しなければ」の意味に気づき、テッドにフサフサの木の最後の種を渡し、町を変えることを託す。しかし、町の権力者、オヘアから厳しい妨害を受け、種をめぐって争奪戦が始まる。

争奪戦をくぐり抜け、テッドは町の真ん中に種を植えようとするのだが、オヘアの口車に乗せられ「ハチに刺されたくない!」「落ち葉の掃除なんか、真っ平だ!」と町の人々に反対される。しかし、破壊された外壁にできた空間から外の景色を見て、人々からも「木を育てましょう」「昔のように、あたりを木でいっぱいにしよう!」と声があがる。ひとつの種、ひとつの芽、一本の木が、やがてスニードヴィルを公害のない緑あふれる町へと変えてゆく。町の周辺の土地にも自然が回復し、ロラックスも再び谷に戻ってくる。

この物語では、樹木の光合成による酸素供給や空気浄化の機能に注目する。これらは、林野庁が森林の有する多面的機能としてまとめる八つの機能(生物多様性保全、地球環境保全、土砂災害防止機能/土壌保全機能、水源涵養機能、快適環境形成機能、保健・レクリエーション機能、文化機能、物質生産機能)のうちの快適環境形成としての大気浄化と地球環境保全としての地球温暖化の緩和に相当する。酸素供給は二酸化炭素吸収と表裏の関係なので、地球温暖化の緩和と一体である。しかし、本書を読むと森林の酸素供給機能は、森林の有する多面的機能として、やはり筆頭に掲げられるべき機能なのではないかとも思えてくる。森林の酸素供給機能が人間にとって本質的であることを、改めて考えさせられる。

また、森林は酸素供給や空気浄化といった機能だけでなく、存在そのものが人間にとって本質的であるということにも気づかせてくれる。どんなに利便な生活を手に入れたとしても、自然とのつながりのないまさに人工的な環境のもとで、人間は豊かに生活してゆけるのかといったことへの疑問である。そして、自然とのつながりを大切にしつつ、豊かな生活を維持していくためには、我々は何かを「しなければ」ならないのである。テッドは言う。「もし、何もしなければ、環境は悪化するばかりだ。ぼくたちが今の暮らしを変えなかったら。でも、まだ遅くない。この種を植えることからスタートしよう!」

日本では、スニードヴィルと違って新たな森林を育てるという余地はほとんどないかもしれないが、身近なところの緑を増やし、すでにある森林をいかに健全なものにしてゆくかといったことが「しなければ」ならないことなのだろう。また、スニードヴィルの人々のように、「種を播く心」を育んでゆくことも大切にしなければなるまい。

エコプロダクツ2008「美しい森林づくり」スタンプラリー

実施結果

  • スタンプラリー 参加者数 約4,000名(3日間合計)
  • スタンプラリー 完走者数 701名(3日間合計)
  • リレートーク 参加者数 約130名

スタンプ設置協力団体一覧(出展ブース名)

45団体(企業:26団体、行政・公益法人等:11団体、NPO・任意団体:7団体、学校:1団体)

アイシングループ
旭化成グループ
アサヒビールグループ
アジア植林友好協会
株式会社イトーキ
エコ食品健究会
環境再生保全機構、地球環境基金
キープ協会
NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク
酒井産業
佐川急便
三洋電機
JR東日本グループ
JOMO ジャパンエナジー
樹木・環境ネットワーク協会
食品産業センター
全国森林組合連合会
社団法人全国木材組合連合会
電源開発
地球・人間環境フォーラム/フェアウッド
地球緑化センター
中部電力
東京海上日動火災保険
東京環境工科専門学校
トッパングループ
長野県林務部
日本環境教育フォーラム
日本建設業団体連合会
日本興亜損害保険
日本製紙グループ
日本生態系協会
ハート
バンダイナムコグループ
日立グループ
ファミリーマート
兵左衛門のお箸
株式会社ポッカコーポレーション
ホールアース研究所
三菱マテリアル
みどりの森を贈るエコロギフト
森のいいこと
森を育む紙製飲料容器普及協議会
山櫻
ヤマハ
株式会社レインボー・ジャパン
和歌山県

参考写真:協力団体ブースのイベント風景

「美しい森林づくり」企業・NPO等交流フォーラム ~パートナーシップで進める森林づくり~

出井代表挨拶

出井代表挨拶今後、アジアで一番問題になってくるのは、水とエネルギーと思われ、その元になっているのが「美しい森林()」である。世界各地を旅する際、山々も見るが、アジアでは、岩山となってしまっている山を見かけることが多く、昔の日本の山を見ているようである。日本はこの100年あまりの間、山に森にたくさんの木を植えてきた歴史があり、今後は森の中のクオリティを上げていく必要がある。

私は、世田谷の成城生まれ、成城育ちだが、世田谷は木が豊かなところで久しぶりにここ(世田谷通り)を通ると、日本という国は、新聞が書いているよりかなり良い国であると感じる。他の国が日本(緑あふれる国)並みになるためには、大変な時間がかかる。

よって、我々は自分の国に誇りと自信を持ちながら、更に良い国にしていく必要がある。参加の皆さんも、森に対する愛情をより一層深めていただきたい。

内藤長官挨拶

内藤長官挨拶本年から、京都議定書第一約束期間に入った。しかし、先般発表された我が国の2007年度の温室効果ガス排出量の速報値を見ると、基準年から8.7%の増加、前年と比べて2.3%の増加と大変残念な結果が出ている。
地球温暖化防止対策は喫緊の課題となっており、森林で3.8%を吸収する取組が、ますます重要となっている。
森林吸収のためには、人の手をかけて育てていかなければ、目標の達成はできない。「美しい森林(もり)」も実現しない。

林野庁では様々な施策で、この美しい森林づくり、健全な森林づくりを推進している。皆様にも国の取組にご支援、ご協力をいただき、日本の豊かなそして健全な美しい森林づくりを実現し、そして後世代に残していきたい。

大澤学長挨拶

大澤学長挨拶私どもは常日頃から、緑と命を大切にする人材を養成しようと考えている。地球温暖化の中で考えると、「美しい森林」があってこそ、命が育まれあらゆる生物が生きていくことができ、我々も生きることができる。

「美しい森林づくり」は、大学にとって中核的な教育・研究の枢軸になっている。これからも協力・支援をしながら、新しい森林づくりを支援していきたい。

基調講演宮林事務局長

基調講演(宮林事務局長)かつて、私たちの先祖は山を切りすぎて荒らしていた。しかし現在、私たちは木を切らないで荒らしている。
日本には農業、林業、漁業があり、自然資本と上手に共生していく基本的な文化をもっている。中でも森林は、国土を保全するという最前線に位置し、国は総力を挙げてこの最前線基地を守っていかなくてはならない時代となっている。

我が国の国土は、上下流の中間地帯に里山や人工林があり、ここを荒らすと、下流域を荒らし、上流域に当たる自然林も荒らしてしまう。よって、その中間にある、スギ、ヒノキを中心とした人工林や里山を守ることが、現在の要となっており、そこが国民参加の美しい森林づくり運動への大きな方向付けであると考える。

基調講演(宮林事務局長)安全な社会、豊かなみどり環境を創造していく、持続的な国土管理を行っていく、参加型社会をつくっていく。そういう中で新しい地域づくりがあり、そこに「森林づくり」が入ってくる。

なぜ、美しい森林づくりを進めるかというと、私たちが先祖から受け継いだ国土の70%に渡る緑を、いかに良い状況で次の世代に渡していくという使命の問題だと考える。

この美しい森林づくりには、多様な人たちが入り込んでおり、異年齢層や様々な能力のある人たちが入ってくるため、新しい地域づくりが可能となる。

景観の美しさをつくり、良い材をつくり、そして良い人間・ハートをつくるという3つを進めることが美しい森林づくりである。

話題提供(株)博報堂DYメディアパートナーズ川廷昌弘氏

話題提供((株)博報堂DYメディアパートナーズ川廷昌弘氏)私どもは、この3年間チームマイナス6%を環境コミュニケーションとしてやってきた。広告会社が環境を扱うことは、非常に難しいテーマではあったが、このようなことを進めてきたことで、様々なコミュニケーションテクニックを学ぶことができた。

マスメディアは重要で、新聞やテレビなど大きなメディアから情報を発信することで、その本気感を伝えていくことが大事である。

情報は、そのメッセージを誰に伝えるかというのが非常に重要で、誰が誰に対して言葉を発していくかということに留意してきた。

地球温暖化にあっても、日本の温暖化であり、郷土の危機であるということでキャンペーンを進めてきた。

もう一つ大切なこととして、温暖化を肌で感じているスポーツ愛好家の方々で、彼らは非常に切実な問題として捉えている。特にオリンピックでは、スポーツ、文化、環境という3つが柱になっており、スポーツアスリートたちが声を上げるということになり、実際に横断幕を持ってもらったり広告に出てもらった。彼らはギャラのみで動いているのではなく、理念で動いているので、美しい森林づくりで彼らの力を借りる場合には、襟を正してお願いをし、森を守る活動に参加いただけるようになればと考える。

広告にはお金が必要であるが、単にお金があれば何でもできるかというとそうではなく、工夫すればできることもある。

昨年出された21世紀環境立国戦略では、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会が掲げられており、チームマイナス6%は低炭素社会、温暖化防止の国民運動であったが、美しい森林づくりは3つの社会すべてに関わる問題と考える。

6%のうち森林吸収3.8%は、半分以上を担う非常に大きな問題であり、チームマイナス6%の仕事の中で、森林吸収はもう既にできている前提で家庭排出の削減に努力してきたが、改めて3.8%の重要性を再認識している。
クールビズでは、1年間に150万tのCO2を削減したことになっているが、換算するとクールビズ30年間分と同じ効果を、森林は1年間で吸収しなければならないポテンシャルを持っている。私たち広告会社は、このことを国民一人ひとりにしっかり伝えていかなくてはいけない責任があると実感している。

事例紹介

大沢 年一 氏日本生活協同組合連合会組織推進本部環境事業推進室長

大沢年一氏(日本生活協同組合連合会組織推進本部環境事業推進室長)生協は、“生協の21世紀理念”に、「自立した市民の共同の力で、人間らしいくらしの創造と持続可能な社会の実現を」を掲げており、そのための事業や活動には、購買事業や福祉活動とともに、食品の安全を守る活動や環境保全活動の推進などの政策提言・社会貢献活動に取り組んでいる。

持続可能な社会の中には、低炭素、循環型、生物多様性が欠かせないものと考える。それに向けた生協の事業分野の取組としては、省エネ・CO2削減、環境に配慮した商品開発・普及、容器包装の削減やリサイクル等があり、これらを進める環境マネジメントシステムがある。消費者・組合員の取組として、家庭のCO2削減、くらしの見直し、学習・交流に加え植林や自然体験などを実施している。

006_08森林づくりへの生協の取組としては、生協組合員と一緒に行っているものと、事業として行っているものがあり、①林野庁の分収造林制度を活用(みやぎ生協)、②漁協の魚付き林の取組への参加(コープさっぽろ他)、③未利用地での森林づくり(ちばコープほか)、④行政との「企業の森づくり」への参加(コープこうべ)、⑤国産材を活用した商品の普及がある。

活動費は、組合員の知恵によりレジ袋有料化の代金、リサイクルの売却益、募金などから環境保全への思いを集めて実施している。

1992年からは、「間伐材・端材」とは何かを説明した国産材を活用した商品(「3.9グリーンスタイル」商品)の普及にも努めている。

佐藤 祐子 氏全日本空輸株式会社CSR推進室環境・社会貢献部アシスタントマネジャー

佐藤祐子氏(全日本空輸株式会社CSR推進室環境・社会貢献部アシスタントマネジャー)	ANAグループは、「クオリティ、顧客満足、価値創造において、アジアでナンバーワンになりたい」を経営ビジョンに掲げており、この中で環境面においても、世界のリーディングエアラインを目指している。

エコロジープラン2008-2011”を策定し、航空業界初のCO2排出量を設定するなど、地球温暖化対策や大気汚染対策をはじめとするあらゆる環境対策に積極的に取り組んでいる。その中の環境貢献活動として、ANAの森づくり『私の青空』がある。

これは、“安全を守るいのちの森づくり”をテーマに、①空港周辺の緑化推進、②環境保全・自然保護の啓発、③地域コミュニケーションのお手伝いを目的に、自社機が運航する国内50空港での森づくりを、2004年から10カ年計画で実施している(現在20空港)。

10月25日に「三宅島空港・アカコッコの森」(東京都三宅村)、11月9日には「米子空港・ハマヒルガオの森」(鳥取県境港市)で実施。

また、海外においても森づくりを実施している(中国、タイなど)。

植林ツアーや飛行機のスケジュールに合わせた時間設定など、航空会社ならではの森づくりへの参加形態で実施している。

鹿住 貴之 氏特定非営利活動法人樹恩ネットワーク事務局長

鹿住貴之氏(特定非営利活動法人樹恩ネットワーク事務局長)都市と農山漁村の人々をネットワークで結ぶことにより、環境の保全改良、地方文化の発掘と普及、過疎過密の問題の解決に取り組むことを目的として、1998年4月に大学生協の支援を受けて誕生した組織である。

設立のきっかけは、廃校を大学生のセミナーハウスとして活用したことと、阪神・淡路大震災の時の支援活動として、仮設学生寮を設置し、そのうちの1箇所が徳島の林業関係者から提供された間伐材を使用したミニハウスであったということがある。

森林を守る活動として、割り箸の普及促進(主に大学食堂で使用)、森林環境教育プログラム「森林の楽校(もりのがっこう)」森林ボランティア青年リーダーの養成企業の森づくり体験の受け入れなどを実施している。

国産間伐材製「樹恩割り箸」の良さとしては、①日本の森林を守る、②障害者の仕事づくり、③食堂の排水を減らすことがある。

割り箸は徳島、埼玉、群馬で製造しており、その数は昨年度1年間で約1,000万膳(日本の年間使用量250億膳の2%が国内産で、さらにその2%を製造)で、大学生協などで使用されている。

全国12箇所において地元の企業・NPO・大学等をパートナーとして、「森林の楽校」を展開しており、森づくり体験・自然散策・自然体験や地元の方々との交流を通じて、森林・環境問題・農山村文化について学ぶ活動を行っている。

パネルディスカッション

006_11

 

006_12川嶋直氏(立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科特任教授、(財)キープ協会常務理事(環境教育事業担当))をファシリテーターに、コメンテーターに宮林事務局長、事例発表者をパネラーに開催されました。

パネラーに質問を出し、その回答に対して皆で意見を述べ合う方法で進められました。

006_13「好きな森林はどこか」「自身のセクターだからこそできる美しい森林づくりとは」「美しい森林づくりを進めるために、どことどのようなコラボレーションをしたいか」などの質問に対して、各セクターの特色を活かした美しい森林づくりへの意見が交わされ、会場の出席者も熱心に聞き入っていました。

また、川嶋氏からは森林づくりに関しての旗揚げアンケートも実施されました。(右写真)

第2回「美しい森林づくり全国推進会議」

「美しい森林づくり全国推進会議」出井代表 挨拶

003_01最近は、洞爺湖サミットのことが話題になっており、地球温暖化防止策というものに、森林や林業分野に関しても大きなディスカッションが洞爺湖サミットで行われると考えております。

私、方々旅しますと、日本はやっぱり世界に冠たる森林国だと思いますし、また、森林や林業分野でリーダーシップを世界で取ってきていることが、非常に重要だと思います。

日本の森・山は本当にすばらしいが、これは単に放置してあっただけの受け身である・パッシブな森というのではダメで、手を入れていかなければならない。これをアクティブな森にしていかなければいけないというのが、基本的にこの森を大切にしようとする全国推進会議のポイントだと思います。

昨年、第1回美しい森林づくり全国推進会議を開催し、行動宣言を採択しました。幅広い国民の参加を得ながら多様で活力のある森林づくりを進めるなどの6つの行動(下記参照)に取り組むことになっています。

本日は、各構成団体から具体的な取り組みについて報告があると伺っており、出席の皆さんにおかれても、この機にもう一度「美しい森林」というものを考え、「美しい日本」というものを考え直すことで、改めて森の大事さを認識することとしていただきたいと思います。

福田 総理大臣 挨拶

低炭素社会の実現を呼びかける福田総理

低炭素社会の実現を呼びかける福田総理

只今、ガールスカウトの皆さんの活躍ぶりをご紹介いただき、森林の下刈り、枝打ちや間伐などを行われていることを知り、心強く思いました。

森林の大事さが、最近特に言われるようになり、環境の問題が理由として挙げられています。日本は森林大国であり、森林大国を将来にまで続けていかなければ、日本の環境は守れないと言われており、新しい目で森林を見直す時が来たわけです。また、最近輸入木材が減ってきていると聞き、木材が輸入できなくなると、環境のこともあり、国内でその木材を造り出していかなければならず、やはり森林は大事であり、山林を大事にしなければいけないと、皆さんと同様私も思っています。

7月7日から地球温暖化問題が主要テーマとなる北海道洞爺湖サミットが開催されます。サミット主催国として世界をリードする立場で、また、「自然との共生」という理念をその文化・伝統の中に有する国として、低炭素社会の実現に向け、国民一人ひとりが具体的な行動を起こすときとであると考えています。

子どもたちからプレゼントを受け取る福田総理

子どもたちからプレゼントを受け取る福田総理

美しい森林づくり全国推進会議の皆様方が取り組まれている植樹や間伐などの森林整備や、国産材の利用については、国民が主役の運動・活動として、是非、強化していただきたい。

このような取組が広く世の中に定着するよう、7月7日の「クールアース・デー」を中心に、皆様が更なる取組み・運動を展開され、地域社会や学校・職場などで、美しい森林づくりを通じた低炭素社会の大切さが伝わり、その実現を目指す取組みが日本全国に広がっていくことを期待しています。

政府としても、将来の世代からも高く評価されるものとなるよう、地球温暖化防止のための間伐の推進、国産材の利用などの取組みを皆様とともに推進していきたいと考えています。

若林 農林水産大臣 挨拶

多くの参加者に森林づくりをお願いする若林大臣

多くの参加者に森林づくりをお願いする若林大臣

皆様が日頃より美しい森林づくりに積極的に取り組んでおられることに心から深く敬意を表します。各界を代表する多くの皆さん方が、森林づくりのために関心をもち活動している国は、他に例をみません。

本日、世界の10数カ国の、森林の多いブラジルやインドネシアなどの国々の代表が集まり、G8サミットに向け『goho-WOOD円卓会議』を開催しました。違法に伐採された木材は使わないということをシステムとしてどう確立するかということを国際会議において知恵を出し合うというものです。これも大事なことです。

間伐の実施と多様な森林づくりを進めます

間伐の実施と多様な森林づくりを進めます

ご存じのとおり、京都議定書の第一約束期間に入り、7月には「環境・気候変動」が主要テーマの1つとして掲げられている「G8北海道洞爺湖サミット」が開催されます。地球温暖化問題は世界共通の課題として国民各層の関心が高まっています。

他方、我が国の森林に目を向けると、林業・山村の元気がなくなってきており、間伐などの手入れが不足する森林が増えてきており、そのような危機的な状況が各地に生まれています。
農林水産省では、間伐の実施を緊急に進めるとともに、100年先を見据えた多様な森林づくりを推進しているところです。

これからも、先人が築き上げてきた緑豊かな国土と木の文化を将来の世代に伝えていくために、皆様と歩みを一つにして、美しい森林づくりに向けた取組を推進して参ります。

米長 邦雄 氏 挨拶設立発起人・(社)日本将棋連盟会長(全国推進会議構成団体)

木を大切にする独自の取組を紹介する米長氏

木を大切にする独自の取組を紹介する米長氏

将棋という文化は、千年以上に渡って、皆様方に親しまれている伝統文化でありますが、将棋こそ、盤も駒も駒台も全て木で作られたものであり、我々は千年に渡って木とともに生きてきました。

しかし、木を使っている、木を切っているということでもあり、近頃反省し、やはり木を植えなければいけない、木を大切にしようということで始めた取組が2つあります。

1つは、盤で一番高級な材質の榧(カヤ)の木についてです。榧は将棋盤あるいは碁盤にするのに500年ほどかかりますが、箱根の森に「盤樹(ばんじゅ)の森」と名付けて、新聞社と一緒に毎年植樹祭を行っています。

2つ目は、柘植(ツゲ)が、駒では一番材質として良いのですが、不思議なことに、これは伊豆七島の御蔵島(みくらじま)以外には出来ないのです。あの島にだけ直径が5m以上もある柘植の木があり、その柘植駒に感謝する日というのを毎年5月の第2土曜日と定め、プロ棋士が行き行事を行っています。

今後も、美しい森林をつくるこの国民運動を盛り上げていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

土橋 正幸 氏 挨拶設立発起人・プロ野球マスターズリーグ運営委員会議長

バット用の木材が安く手に入るよう願います

バット用の木材が安く手に入るよう願います

今世界中で温暖化の話題がテレビや新聞で出ていますが、今から4年程前に、その対策に協力しようということで、マスターズリーグの北海道から福岡までのチーム全部で200人位の選手が、いろんな試合場に行き、東京ドームや他のドーム球場のバックスクリーンに、CO2の問題とか、日本人は木を使おうというPR(木づかい運動)を行ってきました。今年も11月からマスターズリーグが始まりますが、こういう運動をこれからも益々盛んにやっていこうという所存です。

今、米長先生の方から将棋の駒のお話がありましたが、野球の試合も高校野球は金属バットなのですが、プロ野球や大学生は木のバットなのです。この木材は北海道の方で採れるらしく、種類でいうと、タモやトネリコという木材なのです。私は魚屋の息子なので、あまり木のことは詳しくないのですが、一度野球のユニホームを脱いだ時に、友人で材木屋さんがいまして、深川の新木場で2年ばかりお手伝いをしたんです。その頃はアメリカからもいろんな木材が入ってきて、何かこの日本人というのはブランドものに弱いといいますか、木ならば何でもアメリカのものが良いんじゃないかということで、アメリカのバットを使った人がいるんです。ところが、木じゃないんです、腕なんです。いくらアメリカの良いバットを使ったって腕がなければダメ。今、メジャーリーグで活躍している松井さんとかイチローさんは、日本の運動具やさんの木材を使ってあれだけの活躍をしているのです。やはり、いくらアメリカの木が良いって、そんな輸入したものを使っても2割しか打てないんです。みんな錯覚を起こしています。ところが、このトネリコとかタモという木材は、植えてから成長するまでにかなりの年数が掛かるんです。

この運動が始まってから、テレビで有名な大沢親分、あの人達だとか張本だとか、現役引退している人達が北海道に行って、そういう木を植えました。これは何十年後かにたくさん植えたトネリコとかタモを材とするバットがどんどん増えていけば良いと思います。バットですが、私がプロ野球に入った昭和29年は1本450円だったんです。諸物価は、社会情勢で価値も違いますが、今プロ野球選手が使っているバットは2万円以上するんです。それでうまい人は、常に芯に当てますから折れないのですが、輸入したバットで腕の悪い人は、芯に当たらないからすぐ折るんです。新しいものを持ってきて練習の時にパーンと一発で折ってしまう人がいるんですよ。それも何千万ももらっている選手ならば、それほど経済的に響かないと思いますが、まだ給料の安い選手達は、それだけのものを使って簡単に折ってしまうのは大変なことなのです。

ですから、大臣からお話にあったように、日本の緑や、バットの林や緑はないと思うけれど、こういうのがどんどん普及していき、子どもさん達が大きくなって野球をやる時にそういうものがもっと安い値段で手に入るようになればもっと普及すると思います。そのバットの木材というのが、非常に堅いため、福井県か石川県では、こういうものを集めて、箸を製造する会社があるとのことです。それがまた普通の材質よりも丈夫でいろんな需要があるそうです。今、グラウンドにファームの試合を見に行くと、折れたバットを集める人がいるんです。今、暑いですから。冬場ならば石油缶の中に入れて燃やしてしまうのは見たことがありますが、今はお箸にするらしいです。やはり無駄遣いはいけないんです。

今私もこの近所に住んでいますが、僕らの子どもの頃は、緑がたくさんありました。この界隈では、やはり神宮の絵画館の近所に行きますと、春は桜が咲くし、今でも多少はその立派な木が植わっているところがあるのですが、他に行ったらほとんどありません。建築だってそうです。どんどんコンクリートになっています。これはその時のいろんな建築の形によって変わってくるのですが。やはり僕らももうこの歳になると、入口を入る時も格子戸を開けて入るような感じの方が良いなと思います。皆さんはそう思いませんか。やたらとコンクリートの高い建物ばかりで、これも悪いとはいわないんですけど。もう少し、日本人ならばこの木を大切にして、これからどんどん日本の木材が使用されるように、我々マスターズリーグも応援していきますので、どうぞよろしくお願い致します。

江夏 豊 氏 挨拶プロ野球マスターズリーグ東京ドリームス監督

木づかい運動にこれからも協力していきます

木づかい運動にこれからも協力していきます

本年度よりマスターズリーグ東京ドリームスの監督を致します。

木づかい運動に協力して3年たちましたが、私個人的に一昨年に、茨城のほうに家を建てまして、それも国産の、日本の木でしっかりあちこち土台づくりをし、建てさせてもらいました。微力ながら木づかい運動に協力して、これからも地球温暖化の防止に少しでもお役に立てるよう活動して参ります。

若手も現役のプロ野球、もしくは我々が今やっている年寄り野球といいますかマスターズリーグを今後ともよろしくお願いします。

経済界における取組 猪野 博行 氏構成団体・(社)日本経済団体連合会

工夫を凝らしながら森林づくりを進めます

工夫を凝らしながら森林づくりを進めます

京都議定書の約束期間に入り、産業界においては、工場の製造工程やオフィスビルから排出される温室効果ガスの削減に向け、更なる取組の強化に努めています。同様に地球温暖化防止の観点から、森が果たす役割に一層の注目が集まっています。企業においても、森林づくりにもり取り組む理由として、二酸化炭素吸収源増加への貢献という観点を、挙げるところが増えています。

森林づくりへの企業の関わり方には様々な形があります。1つ目は、職員等によって直接的に森の範囲の拡大に貢献するものです。こうした活動は、企業自身によって行われるものや、地方自治体やNPO、森林組合等の協力によって行われるものがあります。元々所有している森について、環境保全を重視した造林・保育を行った結果、国際的な森林管理の認証を行う森林管理協議会いわゆるFSCから認証取得した企業もあります。また、事業に関連して森林の拡大に貢献している事例もあります。例えばあるメーカーは、顧客から希望者を募り赤ちゃん誕生を記念し苗木の植樹を行っており、20年以上に渡って現在も続いています。

企業と森の関わりの2つ目は、間伐材の利活用を進めるケースです。ご存じのように森林吸収源と認められるため、適切な森林経営のためには、間伐が不可欠であり、間伐によって伐採された木材の利活用の推進は大きな課題です。例えば間伐材を積極的に自社製品に利用する取組を行っている製紙会社もあります。コピー用紙、雑誌や本等の印刷用紙、クラフト紙などの紙の種類に応じて、多くの間伐材を使う・使用できるよう工夫しているとのことです。その他にも間伐材を名刺に利用したり、建築用材料や造園、ガーデニング資材あるいは製品輸送時の緩衝材として活用している企業も多くあります。

3つ目は、一般の方々に森に親しむ機会を提供することです。地域の方々や子どもたちを対象に、社有林でのイベントを行っている企業がこれに当たります。例えば、幸せの青い鳥を探すことをテーマとする企画や、森から集めた木の葉でオリジナルのエコバッグをデザインするという企画が報告されています。

4つ目の企業による活動は、森林づくりを行っているNPO等の市民もり団体に対する支援です。この活動には、1社で行うものや複数の会社で行われるものがあります。例えば、メーカーと販売店が協力して一定期間特定商品の販売促進を行い、売上げ数に応じて二者がそれぞれ同額の寄附を行うといった例があります。

今後とも産業界としては、企業ならではの工夫を凝らしながら森林づもりくりに向けた様々な取組を進めて参ります。推進会議の機会を活用し、主体間の情報交換やネットワークの形成が活発に行われることを期待します。こうした推進会議を介した主体間の対話や交流が、美しい森林づもりくりのための国民運動のさらなる拡大につながることを願っています。

地方における取組 小石原 範和 氏(社)京都モデルフォレスト協会副理事長

環境保全や地域づくり運動を発展させていきます

環境保全や地域づくり運動を発展させていきます

近年、木材価格の低落や林業労働者の高齢化、後継者不足等により、間伐や植林等々の森林整備がなかなか行き届かなくなり、多くの森林が荒廃している現状にあります。府域の75%を森林が占める京都府においても、その現状は大変厳しい状況にあります。例えば、森林整備に大きな役割を果たしている林業労働者は、平成の初めには、京都府下に約2000人の方がいましたが、現在は700人を超えるくらいです。そういう中、従来から森林所有者や森林組合、行政主体と一体となり、色々と整備に取り組んできましたが、今後はそのことに加え、京都府民みんなで、京都の森林を守り育て成熟しつつある国産材を循環利用を図る、その中で森林整備の促進を図ることが今大事であると考えています。そこで、京都府では3年前の平成17年に「京都府豊かな緑を守る条例」を制定し、翌年18年の11月には、社団法人京都モデルフォレスト協会を設立しました。森林所有者や地域の住民、大学、企業等々のパートナーシップのもと、この運動を全国に先駆け取り組んできました。

このような中、企業による森林づくりが京都府域全体に広がっており、現在14の企業体が、モデルフォレスト協会や市町村で、整備に当たっての協定を結び、植林や間伐等の森林整備を行っています。その中で、地域の豊かな水源を守る「命の森林づくり」、京都の伝統的行事を支える「文化の森林づくり」、どんぐりや山菜がたくさん実る「恵みの森林づくり」、さらに子どもたちの環境学習や自然体験ができる「学びの森林づくり」等多様で楽しい森林づくりを目指しています。企業のコンセプトは、社会貢献や地球温暖化防止への貢献、社員の環境意識の高揚や、心身のリフレッシュなど様々ですが、森林所有者や森林組合、ボランティア、大学、行政等と連携をしながら取り組んでおり、年度内には20を超える企業との間で先程の取組が進められると思います。

モデルフォレストとは、1992年の世界地球サミットにおいて、カナダが提案した森林を核とした持続可能な地域づくりの実践活動です。現在世界19ヵ国40地域において広がっており、京都もその一員として参加しています。現在の会員数は、個人・企業・団体・行政など合計約40の団体等が入っており、企業等への活動フィールドの斡旋や、緑化のための募金の呼びかけ、森林体験教室の開催、啓発・広報活動など府民や企業参加の促進を図る取組を行っています。

この運動を更に推進するために、京都府においては独自の制度として森林吸収量の認証制度を実施しています。また、モデルフォレスト運動は、森を守り育て地域材の利活用を促進する運動です。地域の木材を地域で使うことが、木材の輸送に掛かるCO2の排出量が少なくてすみ、地球温暖化防止に貢献するということで、このことを消費者のみなさんにしっかりアピールをしながら、府内産材を取り扱う事業体や工務店、設計事務所の認定制度を作り、地域材を利用した木造住宅には、1a当たり1万円の交付金を交付するなどの支援を行っているところです。

京都議定書の誕生の地である京都として、モデルフォレスト運動というものを通した環境保全や地域づくり運動の取組を発展させて、美しい健全な森林を次の世代に引き継いでいくことが、今を生きる私たちの使命であると思います。そのためにも、やはり聞くだけでなく、山に入り、森林の状況ということをしっかり目で見ることが必要であり、今後とも皆様方のご指導やご意見により、日本が世界に誇れる取組を進めて参りたいと思っています。

子どもたちの取組 石井 直子 氏構成団体(社)ガールスカウト日本連盟会長

長く取り組んでいる緑の募金活動をこれからも継続します

長く取り組んでいる緑の募金活動をこれからも継続します

ガールスカウトとは、世界144ヵ国、約1000万人が所属する世界最大の女性社会教育団体です。日本では、現在47都道府県に約5万人の会員がおり、幼稚園の年長から高校生までがガールスカウト教育を受ける側、それ以上が成人会員としてガールスカウト運動に関わっています。勇気・信頼・友情・礼儀など今の時代に大変必要な倫理的な規範を基に、環境・平和そして少女達が抱える課題など、現代社会が持つ色々なテーマに取り組んで体験活動を通して女性が自らの可能性を最大限に伸ばせるようにするという使命を持つ団体です。長く取り組んでいる緑の募金活動をこれからも継続します。

ガールスカウトや子ども会の子どもたちと歓談する福田総理

ガールスカウトや子ども会の子どもたちと歓談する福田総理

私たちは、長野の戸隠の森の中に教育施設を持っており、夏の間、全国から少女達が集いキャンプを行い、自然とともに森の中で生活をします。自然に触れて感動し美しい自然を守ろうとする心を育てています。その1つとして全国の支部のほとんどが、緑の募金活動を行っています。東京都支部でいいますと、昭和43年から募金活動を行っており、各地域の緑化推進委員会と連携しながら、春と秋の募金月間を中心に街頭で呼びかけを行っています。この活動は、40年以上もの長い間日常的な活動として長く取り組んでおり、これからも継続して取り組んで参ります。

2つ目は、全国で8支部が15箇所に「ガールスカウトの森」をつくっています。美しい森林づくり事業というのは、実は私たちが長年取り組んでいる活動そのものです。例えば、東京都支部は1970年よりガールスカウトの森づくりを始め、現在4つの森を管理・育成しています。地球温暖化防止など環境問題に関心を持って活動しているガールスカウトは、2002年から毎年下草刈り、枝打ち、間伐などの森林づくり体験を行っています。参加者は毎年130名以上に上ります。さらに2002年度より国際緑化にも取り組み、冷害によって緑の環境悪化が拡大するモンゴル自治区の子どもたちのために、校庭に緑を送ることとし、2003年から2007年にかけてウランバートル市の学校にカラマツ、モミジ、ブッシュ用の灌木等の植樹に少女達が行きました。

また、長野県支部ではガールスカウトの第1の森を植樹して19年目になります。以前はなよなよとしていた木が、今はすっくと背を伸ばしてたくましく育っています。第2の森は5年遅れで植えたので、木々たちはガールスカウトの少女にもう少し面倒をみてね、と言っており、その言葉どおりスカウト達は懸命に下草を刈り、枝打ちをしています。

このたび、美しい森林づくり全国推進会議に参加することは、日頃のガールスカウト活動の延長・内容そのままです。この会議に参加することにより、日本の森林が社会でどういう位置づけなのかを確認し、取り組む意義というのを見つめ直すきっかけになりました。 今後、新しく美しい森林づくりの運動に参加しようと考えられている企業やNPO団体の方、是非、ガールスカウトの森林づくりの活動を知っていただき、お互いに連携し活動の幅が広がるように協力していっていただけませんでしょうか。私たちはその連携を大変希望しています。

活動宣言

(社)全国子ども会連合会の田村隆成さん、泉キリアさん、 (社)ガールスカウト日本連盟の松下珠理さん、相川真理衣さん、川崎真凛さん、小島彩さん、小高凛さん、横田沙羅さん

(社)全国子ども会連合会の田村隆成さん、泉キリアさん、
(社)ガールスカウト日本連盟の松下珠理さん、相川真理衣さん、川崎真凛さん、小島彩さん、小高凛さん、横田沙羅さん

わたしたちは、7月7日のクールアース・デーにあわせて、一人ひとりが、日本の森林で育った木を使ったり、身近な緑を大切にするなど、身の回りのできることから、美しい森林づくりに向けた行動を起こしたいと思います。

そして、地球温暖化を防ぎ、清らかな水を育み、私たちの暮らしを災害から守り、多様な生き物が住む美しい森林づくりを進め、これを未来に引き継いでいくことを誓います。

「美しい森林づくりシンポジウム」 ~パートナーシップで進める森林づくり~

事例紹介

現在設置されている地方推進組織や、企業・ボランティア・行政等が連携して「美しい森林づくり」に向けた取り組みを行っている事例が紹介されました。

『森づくり県民大作戦』

毎年200行事23000人ほどが参加しています

毎年200行事23000人ほどが参加しています

田島 章次 (静岡県 県民部 環境局 森づくりスタッフ 主幹)

県内の「森づくり」の輪を大きく、力強いものにしていくために、県内のボランティア団体・企業・行政などが連携して取り組んでいるのが「森づくり県民大作戦」。静岡県・(社)静岡県緑化推進協会がコーディネートして、毎年春及び秋の緑化シーズン(約1ヶ月)に集中して約200件の森林関係イベントを開催し、多くの県民への森づくりへの参加を呼びかけています。

『「ふるさとの森 再び」キャンペーン』

「ぬくもりの木道」づくりや森の大切さを伝えています

「ぬくもりの木道」づくりや森の大切さを伝えています

北尾 美和 (株式会社テレビ金沢 報道制作局 みつばち部 次長)

健康的な「ふるさとの森」を再生するために、林業関係者に加え、産学官、県民、市民が連携し、新しい視点での森林づくりを推進していくことを目的にはじまった本キャンペーン。県内の行政・団体・NPO等とも連携しつつ、30を越える企業の賛同を得て、メディア等での情報発信を行いながら全県的な森林づくりを進めています。

『天王山周辺森林整備推進協議会』

ボランティアリーダーの養成講座を設けています

ボランティアリーダーの養成講座を設けています

徳地 直子 (京都大学 フィールド科学教育研究センター 准教授、和歌山研究林長)

大阪と京都にまたがる天王山周辺(約250ha)の森林を、行政・学識経験者・所有者・地域住民・ボランティア・企業等の関係者が、行政界を越えて協働・連携して保全・整備に取り組み、2005年秋より整備を開始しています。

『森の町内会』

年間330トンの間伐に寄与した紙を使っています

年間330トンの間伐に寄与した紙を使っています

半谷 栄寿 (環境NPOオフィス町内会 事務局代表)

環境NPOのオフィス町内会と岩手県岩泉町が主体となって、FSC(森林認証協議会)の認証森林の間伐材を有効活用する観点からはじめられたのが「森の町内会」。企業が間伐材の搬出費用を負担した「間伐材紙」を使用することで、間伐の実施と間伐材の利用を通して森林整備に貢献していく仕組みで、60を越える企業が参画しています。

『美しい森林づくりキャンペーン』

森の大切さを考え一人ひとりが何か行動して欲しい

森の大切さを考え一人ひとりが何か行動して欲しい

池田 憲保 (ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 シアターマーケティング)

ディズニー及び劇場運営4社は、映画「ナルニア国物語第2章カスピアン王子の角笛」に連動して、「美しい森林づくり推進国民運動」を応援する劇場告知やワンクリック募金、コンテストの開催等の各種の取り組みを、「美しい森林づくりキャンペーン」として実施しています。

パネルディスカッション

取組事例を紹介された方々によるディスカッション

取組事例を紹介された方々によるディスカッション

事例発表で行われている取り組みを踏まえて、「美しい森林づくり」に向けた取り組みを行う際に、企業・NPO・行政等のセクターや分野を越えた連携・協働によって、どの様な活動の広がりや新たな可能性を切り拓いていけるかを議論しました。

進 行 : 宮林 茂幸 (「美しい森林づくり全国推進会議」事務局長)

3月8日はフォレスト・サポーターズの日

愛称はフォレサポの日!

近年、環境は大きな社会問題となり、日本では2012年までにCO2を大気中から6%削減しようと多くの人が力を合わせて現在も活動しております。 この6%のCO2削減に大きな影響を与えるのが、森林であることを皆さまはご存知でしょうか?

森林は毎日、大気中のCO2を吸って酸素に変えてくれる賢者なのです。 この森を日本は活用してCO2削減6%のうち、3.8%を吸収してもらおうと取り組んでおります。

このように毎日私たちの知らない場所で森林は私たちの生活に安心を与え、健康を享受してくれてます。 今日はその3.8%も吸収するために頑張ってくれている森のことを、家族や仲間、恋人同士で思い出してくれませんか。今この時間も森は頑張っています。

そして今後もこの森のことを思い、森のためにみんなで手を合わせて森のためにできることからやってみる機会にしてみてください

第1回「美しい森林づくり推進組織」代表者会議

活動報告

冒頭、林野庁長官の挨拶に続き、出井代表による挨拶及び講演がありました。

全国推進会議代表の出井氏の挨拶及び講演

全国推進会議代表の出井氏の挨拶及び講演

出井代表からは、テレビ(見る(受動的)からPC・調べる(能動的))への変化と同様に、眺めるだけの「パッシブ(受動的)な緑」から、手入れを行う「アクティブ(能動的)な緑」に変化していかなければならない旨の話がありました。また、資源のない日本においても、質の高い国づくりのためには森林を活かしていくことが必要であるとの発言もありました。

続いて、政府の活動報告後、全国推進全国推進会議代表の出井氏の挨拶及び講演会議の活動報告として宮林事務局長から、6月1日の第一回全国推進会議の開催、関連イベントへの後援、ホームページの開設等について紹介され、今後の取組みとして、運動の輪の拡大や盛り上げ等への方向が示されました。

次いで、地方推進組織を代表して山梨県より「やまなし森づくりコミッション」の活動報告がありました。

「やまなし森づくりコミッション」の取組を紹介する 島田欣也山梨県みどり自然課課長補佐

「やまなし森づくりコミッション」の取組を紹介する島田欣也山梨県みどり自然課課長補佐

その後、全国推進組織の構成団体を代表して、(社)全日本トラック協会交通・環境部の星野治彦課長より以下のような活動報告がありました。

『トラックの森』づくり活動のほか、ハイブリッドトラックの導入、エコドライブ等の取組を紹介する星野氏

『トラックの森』づくり活動のほか、ハイブリッドトラックの導入、エコドライブ等の取組を紹介する星野氏

「CO2削減対策の一環として、平成15年度から毎年1箇所ずつ『トラックの森』づくり活動を実施しています。各都道府県のトラック協会でも強い関心を示しており、各々独自の趣向を凝らした『トラックの森』づくり活動を行っており、現在19箇所設定されています。会員事業者の環境意識の向上に役立つとともに、トラック業界の環境に対する取り組みのPRという意味でも、『トラックの森』づくり活動は社会との共生につながるものと思います。」

トラックの森づくり活動(植樹)の模様

トラックの森づくり活動(植樹)の模様

各団体の活動報告のほか、太田猛彦東京農業大学教授より「緑化の原点」と題した基調講演がありました。

「美しい森林づくり全国推進会議」と政府との意見交換会

「美しい森林づくり全国推進会議」と政府との意見交換会

設立発起人・構成員団体 紹介

設立発起人(134名)構成員団体(47団体)

  • (社)ガールスカウト日本連盟
  • (財)休暇村協会
  • (社)経済同友会
  • (財)国立公園協会
  • (財)自然公園財団
  • (社)住宅生産団体連合会
  • 主婦連合会
  • 全国漁業協同組合連合会
  • (社)全国建設業協会
  • (社)全国子ども会連合会
  • 全国市議会議長会
  • 全国市長会
  • 全国市町村教育委員会連合会
  • 全国知事会
  • 全国町村会
  • 全国町村議会議長会
  • 全国都道府県議会議長会
  • 全国都道府県教育長協議会
  • 全国農業会議所
  • 全国農業協同組合中央会
  • 全国農業協同組合連合会
  • (社)全国旅行業協会
  • (社)全日本トラック協会
  • (社)大日本水産会
  • (社)中央畜産会
  • (社)日本医師会
  • (社)日本環境教育フォーラム
  • (社)日本観光協会
  • (社)日本経済団体連合会
  • (社)日本建設業団体連合会
  • (社)日本歯科医師会
  • 日本商工会議所
  • (社)日本女子プロゴルフ協会
  • 日本生活協同組合連合会
  • 日本製紙連合会
  • 日本チェーンストア協会
  • (財)日本鳥類保護連盟
  • (社)日本ツーリズム産業団体
  • 連合会
  • 日本の森を育てる
  • 木づかい円卓会議
  • (社)日本フードサービス協会
  • (財)日本プロスポーツ協会
  • (財)日本レクリエーション協会
  • 日本労働組合総連合会
  • (財)ボーイスカウト日本連盟
  • 特定非営利活動法人森づくり
  • フォーラム
  • 森林を育む紙製飲料容器
  • 普及協議会
  • 労働者福祉中央協議会

安倍内閣総理大臣挨拶

出井代表を中心に環境団体や教育界等様々な皆様がお集まりいただき、このような会議が発足したことを本当にうれしく思っています。

2月9日の閣議において、故松岡大臣から国土の3分の2を占めている森林を守っていくために、国民運動を展開していこうという発言があり、その発言を受け私がそれを具体化するよう指示をしたところであります。

ガールスカウトやボーイスカウトらを前に 挨拶する安倍総理

ガールスカウトやボーイスカウトらを前に
挨拶する安倍総理

私は、美しい国づくりを推進しているが、美しい国とはどういう国かというと、やはり海外から見て日本が美しいと思われる時とは、美しい山や森を見たときではないかと思っています。

日本は、古から自然と戦うというよりも、自然と共生していく、鎮守の森を大切にする、そういう日本人の感性があるわけです。

今後、我々も大切な森を守っていかなければいけないという大きな責任があるのではないかと思っています。

実は、私も、先祖代々、遺産相続で3人で120町歩の山を共有しております。スギを植林していますが、実は花粉症です。自分の山に入ることはできませんが、それを守っていく上において森林組合の方々もだいぶ高齢化しており、守っていくのは大変だと実感しているところです。

しかし、森は水をかん養し、そして美しい動物を守り、美しい景観を与えています。何とかこの自然を守っていかなければならないと思っています。

先週、青木ヶ原大樹海(富士山麓)にNPOの方に連れて行っていただきましたが、鬱蒼とした森で、そこは妖精がいるようなところでした。

NPOの方々から、案内してくれた子どもたちが皆穏やかな気持ちになったという話も伺い、日本人にとって森林は本当に大切なものなのだなと改めて感じました。

安倍内閣総理大臣地球温暖化ガスも吸収してくれる
森林を守ることは必要であります。
政府としても美しい森林を保っていくために、
これからも全力を尽くしたいと思っています。

伊吹文部科学大臣挨拶

ネクタイを手に挨拶する伊吹文部科学大臣

ネクタイを手に挨拶する伊吹文部科学大臣

全国推進会議が発足しまして、これから力を合わせて美しい国と美しい森林を後世に伝えていきたいと思います。

60年ぶりに改正になりました教育基本法にも、自然を大切にし、環境を保全することが教育の目的に書かれています。構成団体の表を見ますと、ガールスカウト、ボーイスカウト、スポーツ団体など、私が所管している各団体も参加しておられるので大変うれしく思っております。

今日、私がしているネクタイは、私の地元の北山スギをデザインしたネクタイです。また、グリーンのポケットチーフもして参りました。

北山スギは、川端康成先生の「古都」の舞台になった日本の代表的な加工材です。是非皆さんと力を合わせていい日本を次の世代につなげたいと思いますのでよろろしくお願いします。

甘利経済産業大臣挨拶

クリーンなエネルギーを語る甘利経済産業大臣

クリーンなエネルギーを語る甘利経済産業大臣

日本は科学技術先進国として世界に知られていますけれども、日本の自然景観も世界に誇る大事な大切な財産です。

でも、その大切な財産が、少し手抜きをされてしまっていることも否めない事実だと思います。

今日お集まりの皆さんの会員名簿を拝見しますと、日本中の代表の皆さんが集まっていらっしゃるし、前の席には、これからの日本を担っていく若者世代が集まっています。

みんなで力を合わせて、日本の自然のすばらしさをもう一度しっかり守って後世に伝えていかなければならないと思っています。

経済産業省も森を大切にし、間伐材等を原料としたバイオマスエネルギーとして利用していこうという取組も進めております。

日本の冠たる科学技術が日本の大切な財産の自然景観を守っていく、そっちもしっかりつなげていきたいと思います。

若林環境大臣挨拶

美しい森林づくりの推進を述べる若林環境大臣

美しい森林づくりの推進を述べる若林環境大臣

国土の3分の2を占める森林というのは、木材を育てるだけでなく、多様な生物保全の役割とか地球温暖化の防止など、環境保全上の重要な役割を果たしています。

また、季節によって変化する美しい風景、豊かな文化の源泉でもあるわけであります。

本日、多くの参加の方々によって、美しい森林づくり全国推進会議が立ち上がり、多様な生物の保全や、また、青少年の環境教育など、豊かな森を将来に引き継いでいくための行動を開始することは、大変有意義なことでありうれしいことであります。

環境省としましても、美しい森林づくりを推進することにより、美しい国づくりが実現できますよう積極的に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

村山気象予報士

参加者にも分かりやすい説明をされる村山氏

参加者にも分かりやすい説明をされる村山氏

ここ十数年、私は花粉症対策と地球温暖化対策の両方に取り組んで参りました。

今回の美しい森林づくり運動がいかに成功するか、それは、多くの人に森の大切さをわかってもらうということなんですが、その分かりやすい例として、例えば気象庁では、日本の上空の二酸化炭素の濃度を観測していますが、それをみると、6月から7、8、9月と、二酸化炭素濃度が大幅に減少するんですね。これは、小学生の皆さんでも知っている、植物の光合成、水と太陽の光と二酸化炭素で植物が糖分をつくる、この活動によって、二酸化炭素が減少していく。これくらい森というのは重要な役割をしている。

では、日本にある木の中で、どんな木が一番二酸化炭素を吸収しているのかというと、これは実はスギの木です。これは、美しい森林づくりというとどうしても新緑とか紅葉とか広葉樹のイメージがありますが、実は温暖化対策を考えると、スギやヒノキというのが非常に大きな効果を持っているわけです。森林の効果というのは、生産だけでなく、資源という面もあるので、その二つを両立させるような運動を何とかしていかなければならないと思っています。

今、花粉症対策でスギは非常に悪者になっているわけですが、資源としての役割、なぜそこまでスギが増えてしまったのかといえば、やはり私たちが、国産材を十分に活用していないからであると思うわけです。

ご経験をもとに熱弁される村山氏

ご経験をもとに熱弁される村山氏

美しい森林づくり活動というのは、単に植林すればいいのでなく、育もりてた木を伐採してそれを私たちが十分に使って緑としてのサイクルを浸透するような形でこの森づくりの運動が展開しないと結局地球温暖化になってしまうのではないかと思います。

森林づくり運動というのは、単に木をもり増やすということではなく、資源としての森を私たちが十分に活用する、林業の再生という面も合わせて、広く多くの人に、訴えていってほしいというふうに考えているわけです。

(社)ガールスカウト日本連盟高田紋花さん、陸川未来さん

活動報告を発表する高田さんと陸川さん

活動報告を発表する高田さんと陸川さん

日本のガールスカウトは、小学校に入る1年前から会員になれます。高校生になるまで、5つの部門で活動します。

団ごとの集会、キャンプやハイキングなどの野外活動、町のお掃除や募金、老人ホーム訪問などの奉仕活動など、色々な活動をします。今、世界の仲間と一緒に難民の子どもたちの文房具などを贈る「ピースバック活動」にも参加しています。 昨年からチーム・マイナス6%のメンバーになって、水や電気の節約など私たちでもできることを毎日やろうと頑張っています。

(社)ガールスカウト日本連盟の皆さん

(社)ガールスカウト日本連盟の皆さん

私たちは、山の緑を大切にするために、毎年「緑の募金活動」に参加して、駅前や街角で募金を集める呼びかけをしています。東京のガールスカウトは、八王子市など4箇所に「スカウトの森」を持っています。時々、下草刈りなどの作業をして、森が元気に育つよう手入れをしながら、大切な森の役割を学びます。

私たちガールスカウトは、美しい国日本、そして美しい地球を私たち自身と未来の人々のために創り上げていくことを目指して、これからも私たちにできることを考えて、みんなで実行していこうと思います。

一人でも多くの子どもたちが、私たちのように、色々な体験をして学ぶことができるように、総理大臣に応援していただきたいと思います。

発起人代表竹下景子さん

過去の山々の写真を前に語られる竹下さん

過去の山々の写真を前に語られる竹下さん

今日、こちらに大きなパネルを用意していただきました。私もこちらにきて初めて見たのですが、一番左手、約80年前の長久手(ながくて)と書いてあります。

一昨年、行われました愛・地球博の会場があった長久手です。 約80年前には、こんなに荒れ果てていたのかと思うと私もここに来てびっくりしました。とても想像ができないくらい、今は美しい里山になっています。これは、たくさんの先人の努力が今の里山をつくっているんだと思いました。

この愛・地球博を通じて、私は日本館の総館長という仕事をさせていただきました。環境について、自然の美しさ・大切さについて大変たくさんの勉強をさせていただいております。

それから、また、昨年の夏は、北海道の富良野に参りまして、北海道の富良野は、テレビドラマの『北の国から』で二十数年間私が通っていたところです。そのご縁もあり、倉本聰さんが、今、『富良野自然塾』という形で森づくりの活動を行っており、そのお手伝いを私もしておりまして、息子たちと一緒に植林をしました。

ゴルフ場として開発されたフィールドを、できるだけ自然な富良野の森に戻そうという50年先を見据えた活動をしております。

植林やインストラクター活動にも熱心な竹下さん

植林やインストラクター活動にも熱心な竹下さん

そして、もう一つは子どもたちのための環境教育のプログラムがあります。そちらにも私はインストラクターとして、子どもたちと一緒にキャンプをしながら、地球の話、森の大切さなどをお話ししてきました。

最初に会ったときに比べると、3日ほどで子どもたちは瞬く間に『野生化』をしました。裸足が好きになって、目がきらきらと輝いてきました。そういう機会ができるだけ増えるといいなあと私自身も思いましたし、森の大切さを改めて感じました。

その富良野のフィールドの片隅に石碑が建っています。その石碑には、「地球は子孫からの預かりもの」と刻まれています。アメリカ先住民の言葉だそうですが、私たちの先人たちもかつてはきっと同じ思いがあったと私は思います。
美しい森をできるだけよい形で、これから私たちも全国推進会議のみなさんと力を合わせて、次の世代の子どもたちに是非引き渡していきたいと思います。そのために活動をしていきたいと思います。

赤城農林水産大臣挨拶

就任早々に挨拶する赤城大臣

就任早々に挨拶する赤城大臣

本日、農林水産大臣を拝命した赤城徳彦です。まさに今日この場が、初出場であります。 この美しい森林づくり全国推進会議は安倍総理と前任者の松岡大臣の思いが結実したものであり、ソニーの最高顧問の出井さんに代表をしていただいたところです。

ガールスカウトの皆さん、経団連、竹下景子さん等これだけの皆さんにご参集いただき、このような会議が結実したことは、大変嬉しく思っております。
気象予報士の村山さんからお話がありましたが、実は、私も花粉症であり、スギを見て時々恨めしく思いますが、スギの大切さも気象予報士の立場から伺って本当によかったと思っております。

ボーイスカウトたちよりTシャツをプレゼントされ、甘利経済産業大臣と記念撮影

ボーイスカウトたちよりTシャツをプレゼントされ、甘利経済産業大臣と記念撮影

宇宙を眺め渡して、地球を見るとほとんど海で青く見えますが、空気があって海があってそして森があって初めてこの青い地球が成り立っております。山に住む人だけでなく、地球に住む全住民の課題であります。そういう課題として各界の皆さんがご参加していただいていることは大変すばらしいことであります。

私も新米ですが、皆さんとともに頑張っていきたいので、今後ともよろしくお願いします。

(社)日本経済団体連合会猪野博行地球環境部会長

取組を紹介される猪野部会長

取組を紹介される猪野部会長

私は毎日通勤しておりますけれども、この季節になりますと、鮮やかな緑が目に飛び込んで参ります。日常の中でも、私たちが木の恵みの中で暮らしているんだということを実感致しております。

全国各地にある企業の工場も、まさにその地域の森や水源の恩恵を受けながらその事業を展開しているところでございます。企業としましても、地域の一員として、自然環境を守るという意味で森づくりに地道に取り組んで参りました。最近では、植林活動や苗木の提供、間伐材を利用した紙製品の使用、さらに、企業の森を活用した子供たちへの環境学習の場所の提供などを行っています。また、これらの活動を通じて、近年では、企業の社員がボランティアの方々や子供たち、地域の人たちとふれあう機会がますます増えてきています。

今回、全国推進会議が設立されましたが、この会議が今後、森林づくりに参加される様々な団体、例えば、ボランティアや自治体、個人や企業をうまく結びつけるようなネットワークの役割を果たしてくれるのでないかと期待しています。もちろん、企業にとりましても、自分たちの森林づくりの活動のレベルアップを図ることが重要と思っております。

このような活動を通して、豊かで美しい森林を国民一人ひとりが守り、もり次の世代に引き継いでいきたいと思っております。企業としても努力していきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。