このブログを書きはじめたとき、伊佐裕さんから、以下のことを伺いました。
(1)伊佐ホームズという住宅を作る仕事。
(2)林業と取り組むための森林パートナーズ
(3)森と消費者を結ぶ秩父FOREST
これが三位一体となり参加する13のNPOなど、様々なスタートアップが、植樹という行為で森と繋がる。これが狙いです。すなわち、植樹、シルバーを生かす、教育、故郷創生など、様々な活動をしている人達が、植林をつうじて森と繋がるのです。
そう語られて、活動の詳細を書いた資料を下さりました。今日は、これを読んでブログを書きます。
林業再生・山村振興への一言(再開)
2020年11月(№49)
□椎野潤(続)ブログ(260)秩父FOREST(その2)
秩父FORESTの参加スタートアップの数々 2020年11月10日
☆前書き
伊佐裕さんは、二つの資料を下さりました。その第1は、秩父FORESTに参加しているスタートアップ達のリストです。その2は、子供の植樹をする場所の選定に苦労を重ねたことと、たどり着いた最適地で開催できることになったプレ植樹祭の計画です。まず、資料(1)を引用してブロクを書きます。
☆引用
秩父FORESTを、構成している主たるスタートアップは以下です。
(1)「東京藝術大学名誉教授・美術家」:光・水・空気により育まれ、自然の永続的な循環の輪の中に繋がる森、木霊の森(樹木葬)を提言しています。
(2)「NPO法人MORIMORIネットワーク」:楽しい森林空間の創造や「森」と「福祉」をつなげる取り組みを行っています。
(3)「森の手紙」: 森林保全と「人・街」をつなぎ、地域を元気にする活動を行っています。
(4)「第二のふるさと創生協会」と「森づくりアドバイザー」:全国お祭り手伝い隊プロジェクト、鎮守の杜をモデルにした森づくり、SDGsを学ぶ教室の開催しています。
(5)「IKiGAIプロジェクト」:シニア層に働く生き甲斐を提供し、活きが良い社会づくりを目指していいます。
この個性のある活動を「家族の森」として融合させ、今後はさらなる秩父側との連携も深め、ステップアップを図っていきたいのです。
また、代表的な秩父側の連携可能な団体は以下です。
(1)「秩父樹液生産者組合」:「伐らない林業」としてカエデを植樹し、メープルシロップで6次産業化を行っています。
(2)「NPO秩父百年の森」:人が木を伐るなら木を植えようという、基本的な考えを持っています。
(3)「NPO秩父の環境を考える会」:森林・河川の調査・実践活動を行っています。
今後、この人たちとの協働体制を確立して、秩父市役所の協力を得て、持続可能な活動として推進して行きたいのです。
新型コロナウイルスの影響で、事業運営は、計画通りの推進は難しくなりましたが、11月14日には、秩父で植樹活動を行えることになりました。これは、都市部と秩父の交流活動の一環です。詳細は秩父フォレストHP(https://chichibu-forest.com/、(注1)をご参照ください。
この植樹祭が秩父FORESTの活動の第一歩になるのですが、その第一歩までの道のりが簡単ではなかったのです。そのあたりは、次回に報告します。
☆まとめ
秩父FORESTには、凄い発想を持ち、重要な仕事を実践している、スタートアップの人達が大勢集まっていました。この人達は、多彩な分野において山と森で注目する動きをしており、この人達の智慧を結集させれば、伊佐さんが提唱する「家族の森」を形成し、「林業再生と山村振興」の大改革の重要な柱になるのです。秩父FORESTに参加しているスタートアップの中で、私が、重要と感じた4つの集団について、解説をしておきます。
[NPO法人 MORIMORIネットワーク]
MORIMORIネットワークは、「森林から都会へ」「都会から森林へ」、次世代によりよい環境を手渡すために、「交流・情報・モノ・コト」の「結び目」をつくります」と述べています。
MORIMORIネットワークは、山村と都会の暮らしを結び、次世代の人々によりよい環境を手渡したいと願い出発したのです。森に関心のあるさまざまな方たちに呼びかけゆるやかな繋がりをつくっています。
MORIMORIは、随分古くから活動している歴史あるグループです。私がブログを書きはじめた2012年に既に活躍しており、当時の私の雑記帳ノートに、メモの記録があります。
2012年度から、MORIMORIは、森林を整備して森林浴や森林ウォーキングを楽しめるセラピーランド(注2)をつくる事業を始めていました。これは埼玉県飯能市滝の上で始めた事業です。このフィールドは、それまでは特に活用はされていなかったのですが、道路から近く、候補地の中には川が流れ、景観にも変化があり、ゆるやかな傾斜はウォーキングロードにも適しているのです。それで、この場所を活用しました。
2016年からは「森」と「福祉」のつながりを創造する事業に取り組みました。テーマは「障害のある方や、高齢の方にも訪れてもらえる森林」です。それに向けて、心と体の両面からの様々な対策を検討しました。また、生活実習所と作業所で、木や森の素材を使い、森と出会ってもらうためのワークショップを行いました。森の風が施設に吹き、利用者さんたちにそのパワーをそそいでくれました。
車椅子の方も楽しめる森林整備や森の演奏会、お茶会、森林療法の講座や体験なども実施しています。
バースデーランド事業も進めています。バースデーランドでは、自分の植えた木に、名前と誕生日を書いたプレートを添えて、一本の木から森とのつながりを始めようしています。その木をバースデーツリーとよんでいます。一本の木を大切にすることから森への思いを持ち、森を大切にする心を育てていきたいと考えているのです。
MORIMORIは、早くから、広く日本各地で、森林と人々を繋ぐ、レベルの高い活動を行ってきました。今、次世代を牽引している代表的な言葉、「IoT」もこの語が、一般に使われる前かから、MORIMORIは同義のことを言っていたのです。
MORIMORIは、「次世代に、より良い環境を手渡すために、『交流・情報・モノ・コトの結び目を作る』と言っていますが、現在の流行語「IoT」は、「全てノ『モノ』をネットでつなぐ『IoT』」です。そして、ここでは「モノ」とは「物」ばかりでなく、人間・人間間の繋がり・会社・社会・国、情報の全てのことを言うのです。つまり、私のIoTの、「モノ」の定義は広義であり、MORIMORIでは狭義なのです。でも、同じことを言っているのです。
つまり、MORIMORIは、次世代に向け、IoTに先がけ常に先頭を走っていました。今、インターネット開いてみますと、埼玉県飯能市、岩手県岩泉市、静岡県函南市、島根県出雲市など、全国各地での活動が掲載されています。これからも、「森と人々をつなぎ目の強化」の先陣をきるランナーとしてのMORIMORIに、多大な期待を寄せています。
[森の手紙]
「森の手紙は、〜花とガーデンで人と人、地域と地域をつなぐチーム〜。私たちは、園芸やガーデニングを通して地域を元気にするお手伝いをするチームです」と言っています。森を守る活動のひとつとして、「森の手紙」が作られました。間伐された木や端材が、今、利用されないまま放置されています。その材を活かし、人から人へ、地方から地方へと感謝の手紙を送るメッセージボックス「森の手紙」を始めたのです。
以下のように、活用されています。
(1)幼児や学童の花育として活用。
(2)母の日や記念日、誕生日などに花を贈るイベントに活用。
(3)マラソン競技などのスボーツイベントに応援メッセージとして活用。
(4)地域のお祭りや運動会などのイベントに活用。
(5)公演、道路案内、表札の代わりに利用。
(6)全国から花の種を募集。その種を地元の人が育てて飾ることで、全国と地域が一体となった街づくり、町おこしを進める。
(7)自然災害の被災地に元気を贈る応援メッセージ。
[第二のふるさと創生協会]
このグループは、神社仏閣の祭礼行事を手伝っています。その延長線上で、鎮守の杜をモデルにした森づくりを実施しています。近年、自然災害が多く、鎮守の森がこれから守る効果が注目されています。そのことから「鎮守の杜づくり」を、「SDGsの森づくり」と呼んでいます。
また、共に植樹活動をすることで、自分が木を植えた土地に愛着をもつことも多いことから「あなたにとってのもう一つのふるさとを作ろう」と言うキャンペーンを掲げて活動しています。
[IKiGAI プロジェクト]
このグループは、マーケッティングと新商品開発の経営戦略の専門家が、活動しているグループです。このグループが、結局、行き着いた先は、「シニア層の生き甲斐」と「活力ある社会つくり」でした。森を使った、様々なサービスと、多様な新しい林産品を生み出し、シニア層の生き甲斐を生み出し、社会を活性化させてくれるでしょう。私は、このグループには、先端経営学の活用の視点から、他のグループとは異なる期待を寄せています。
このように見てきましたら、この諸グループは、実に多彩な分野から、森と人間の関係の進化を進めていました。
「MORIMORI」は、近代の産業進化の中核をなしているIoTを、早くから日本全国で実践していました。これから最も重要になる、森の力を使った福祉を実現しようとしていました。
「森の手紙」は、森林から出る端材などを使って、地域連携の暖かいメッセージを贈る「地域間連携」を目指していました。
「第二のふるさと創生協会」は、「もう一つのあなたのふるさとを作ろう」と「故郷創生」を目指していました。鎮守の森づくりのモデルから、「SDGsの森づくり」を進めていました。
「IKiGAI」は、最先端のマーケティングと新商品開発戦略で、様々な森のサービスと新しく生まれる林産品を創出し、「シニアの生き甲斐」と「活性化社会」の創出を目指していました。
これらを全て総合化したものが、伊佐さんが提唱する「家族の森」をなすのです。大きな期待で、私の胸は脹らみます。
(注1)秩父FORESTホームページhttps://chichibu-forest.com/。
(注2)セラピーランド:森林浴を行う場所。
(注3)参考資料2、https://www.amazon.co.jp/s?k=morimori&hvadid
(注4)参考資料3、https://morinotegami.amebaownd.com/
(注5)参考資料4、http://d2furusato.com/Organization.html
(注6)参考資料5、http://www.ikigai.biz/
参考資料
(1)伊佐裕著:秩父FOREST報告、(その1)、2020年10月29日。
(2)MORIMORIネットワークの活動。ホームページ。
(3)「地域野森を守る」活動 森の手紙、ホームページ。
(4)ORGANIZATION of 一般社団法人第二のふるさと創生協会、ホームページ。
(5)一般社団法人 IKIGAI プロジェクト、ホームページ。
[付記]2020年11月10日
[コメント]秩父ミューズパーク植樹に是非参加してください。
秩父ミューズパーク昆虫の森 「秩父FOREST」のプレ植樹祭
2020年11月14日(土)10時現地集合
交通案内
(電車) 西武池袋駅発07:30(ちちぶ5号)西武秩父駅着08:59
現地直行バス 西武秩父駅発09:30(循環バス)スポーツの森着09:51
(車) 関越自動車道・花園より約40分
秩父ミューズパーク 第3駐車場をご利用ください。
秩父FORESTホームページhttps://chichibu-forest.com/よりお申込みください。