「林業を行ないながら、人と自然の共生を
林業に携わる人たちで支えていきたい」

(社)日本林業経営者協会会長 速水林業代表 速水 亨さん

森林づくりの活動について

foresapo-kurasu-interview_img1林業経営を専業で行っていくなかで、木材生産を積極的にしていくことは当然ですが、木材生産を行いながらもいかにして自然と共生する森林環境を整えていくかに腐心しています。豊かな下草、ヒノキの林内に育つ多くの広葉樹、そこに集う野生生物という森のあるべき姿を作り出そうと努力をしています。

活動を行うきっかけ

林業に携わった初期の頃、カモシカの苗木の食害が大きな問題となり、カモシカを射殺して生息数の管理を行うことが議論となっていました。それも致し方ないという状況でしたが、私自身は森林に行ったときに出会う鹿やカモシカの美しさに感動したので、野性生物との共生できる林業というのが、私の目標の1つとなりました。

今後の目標や展開

現在、スギやヒノキの人工林が悪で広葉樹林が善という見方が主流です。林業に携わり、山村に住む人たちの中にも同じような発言をする人がたくさんいますが、恐らく彼らは本当に素晴らしい人工林を知らないのだと思います。生物多様性のある木材生産も活発な森林は、感動すら覚えます。そんな森を多くに人々に知ってもらい人工林の可能性を理解してもらえるように努めて生きたいと思います。

フォレスト・サポーターズに参加する方々へ

森林に興味を持つ多くの方々に、林業経営者として本当の森林の姿をお伝えしたいと思います。一つは大きくなった木を伐採しても再び植えられないような木材価格の状態です。林業が盛んなオーストリアでは1haの広さの森林の中に幅50mの道がありますが、日本では16m程しかありません。つまり、森林から木材を運び出す道路の整備が不十分なために運送費がかさみ、木材が売れても、森林経営の意欲がわくようなお金が山まで届かないのです。次にもう一つ、みんなで是非、日本の森林の中へ入ってみてほしいです。そこで地面の土を掘り、土を手にして、においやそこにいる小さな虫たちを見つけてください。森林は命の集まりになっていないといけないのです。そこを見分けられるようになってほしいです。