「木製のものに触れ、思いを馳せるだけで
人と森は繋がれると思う。この思いが
地球を守ることを多くの人に伝えたい」

環境ジャーナリスト 私の森.jp主催者 枝廣 淳子さん

森林づくりの活動について

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環境をテーマにした講演で地方に行くことが多く、地域の問題として森の問題があることを教わりました。実際、現場にも行ったのですが、手入れされない森は荒れて、鬱蒼としていて、奥まで光が当たらないから草も生えていない状況でした。そこに雨が振ったら土砂が流れてしまう。そして、これは地域だけではなく「日本の国土」の問題だと感じました。日本の国土の約7割が森林なのに、木材自給率は約2割という事実を知り、何か構造的な問題があると感じ、日本の森を守る新しいカタチをつくっていかなければと思うようになりました。

活動を行うきっかけ

構造的に何が問題なのか。昔、日本の森が守られていたのは、暮らしが森とつながっていたからです。薪を切り、炭を焼くなど、山のエネルギーで暮らしてきたのです。そのため、エネルギーをもらうために人は山を手入れしていたのですが、石油の出現で薪や炭が不要になり、暮らしと森が切れてしまったんです。暮らしと森が切れると、心と森も切れてしまう。都市の人の心からも森が消えてしまった。それが、構造的に大きな問題の1つだと考えました。この問題を解決するために、森と人の心をつなぐ活動をと考えて『私の森.jp』を立ち上げました。

今後の目標や展開

いま、環境も人の心もボロボロになりつつあると思います。この環境問題と心の問題とを解決できるのが森だと考えています。森に想いを馳せる時間は少ないですが、ヒノキのまな板を使うときに『この木、どこから来たんだろう』って思うだけで、森とのつながりができます。森を守ることは、単に林業を守るだけではなく、その人の精神衛生上もプラスになることはあると思います。それを実感してもらうために『私の森.jp』では今年、実際にみんなと森に行くイベントを開催しようと思っています。他にも、関心のない人たちにも森に親しんでもらうためのプログラムをつくろうと考えています。

フォレスト・サポーターズに参加する方々へ

森はとても大事な、今まで忘れていたものが見つかる場所だと思うんですね。忙しい毎日かもしれないけど、ときどき立ち止まって、森に想いを馳せてみたり、森に入ってみたり、木のものを周りに置いてみたり、森とのつながりを取り戻すことがきっと自分にとっても幸せな時間をつくり出せると思います。

私の森.jp