国有林内には、原生的な天然林、森林生態系に係る生物遺伝資源、わが国または地域の自然を代表する植物の群落、特定の動物の繁殖地・生息地等の保護、特異な地形・地質等の保護や学術研究などに役立てることを目的として各種保護林が設定されています。
飛騨森林管理署(和佐英仁 署長)が管理する宮国有林(岐阜県高山市一之宮町)にはその中の一つ「位山苅安アカマツ遺伝資源希少個体群保護林」が設定されています。
位山の東北にある苅安峠周辺は、かつてアカマツの美林に覆われていました。苅安一帯のマツは、枝が早く枯れ上がり、幹がよく伸びる性質があることから、建築用材として利用するのに適しています。そのため、木材の利用が盛んな頃は「苅安の松」として業界で高い評価を得ていました。現在でも、苅安峠やその周辺で樹高20m以上の、すらりとして、しかも風格のあるアカマツの美林を目にすることができます。
6月12日、名古屋林業土木協会久々野高山支部(長瀬雅彦 支部長)では、毎年実施している森林・林業社会貢献活動の一環として保護林内にある遊歩道などの整備に取り組みました。
当日は、飛騨森林管理署から小枝幸博森林技術指導官ほか2名にご参加いただく中、会員17名が参加し、遊歩道の草刈り、簡易な丸太橋や看板の設置を実施しました。