【裏木曽】(うらきそ) 岐阜県東濃地方の東部に位置し、信濃国木曽と阿寺山地を挟んで裏側(西側)となる岐阜県中津川市付知町周辺がこう呼ばれており「東濃ヒノキ」の一大産地となっています。
この裏木曽にはいくつかの古道があり、その一つに現在の中津川市加子母町から「木曽越峠」を越え、さらに渡合を経て白巣峠を越え、滝越・王滝から木曽福島(現木曽郡木曽町)に至る古道があります。
この道が史実に残るのは飛騨からの軍勢が木曽に攻め入るときのこととか。近世には御岳参りの参道として発展した古道です。
古道は東濃森林管理署(中津川市付知町: 鶴田 和男署長)が管理する加子母裏木曽国有林のなかにあり、古道近くには伊勢神宮の式年遷宮の祭儀として平成17年に御杣始祭(みそまはじめさい)が行われた場所もあります。
この御杣始祭は式年遷宮のご用材の伐採にあたり、まずご神体をお納めする「御桶代(みひしろ)」のご用材を「三ツ尾伐り」という古作法で伐採する祭儀で、今回は平成25年に行われる第62回式年遷宮に向け執り行われたもので、実に1300年もの長きにわたり続けられてきた世界に類をみない木造建築文化といえます。古道はさまざまな歴史と文化が引き継がれてきた「裏木曽の森」にあります。
この古道には三十三観音が祀ってあったことから、地元では毎年見つかっていない観音探しのイベントが、「裏木曽古事の森育成協議会」(顧問:立松和平氏 会長:安江銕臣氏)及び「古道木曽越峠と三十三観音研究会」(会長:粥川 亘氏)が主催し、東濃森林管理署の共催で、今年は11月7日(土)に付知峡の紅葉が真っ盛りの中を一般募集した方を含め29名が参加し実施されました。
(社)名古屋林業土木協会付知支部(三尾 秀和支部長)はこの催しに構成員として、また”フォレスト・サポーターズ”として参加。その結果26番の観音様を探しだし大きな成果をあげることができました。
いにしえの歴史と木の文化、そして豊かな自然があふれる「裏木曽」 同支部では今後も国有林や地域の方々と一緒に伝統と文化を護ってく活動に取り組んでいくことにしています。