林業再生・山村振興への一言(再開)
2021年9月 (№139)
クラウドからエッジへ――。人工知能(AI)の活用の舞台が、利用者に近い末端(エッジ)に広がってきました。次世代AIのエッジAI登載車レクサスとミライが、次世代車としてクルマ産業を牽引します。
□ 椎野潤(続)ブログ(350)トヨタ米国販売首位 トヨタ「レクサスLS」「燃料電池車ミライ」エッジAIで次世代の産業社会を牽引 2021年9月14日。
☆前書き
コロナ危機の最中、トヨタ自動車は、初めて米国での車販売で首位になりました。全ての四半期を通じて、過去、最高になりました。2021年8月5日の日本経済新聞は、これを記事に書いていました。今日は、これを取り上げてブログを書きます。記事は、以下のように書き出しています。
☆引用
「トヨタ自動車が2021年8月4日発表した2021年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が8978億円と前年同期比5.7倍になった。新型コロナウイルス禍前の2019年の同じ時期を超え、4〜6月期として過去最高。世界の主要市場で販売を伸ばし、四半期決算の発表を始めた2002年以降で初めて、3カ月間の米国での販売台数で首位に立った。(参考資料1、2021年8月5日、日本経済新聞から引用)
☆解説
トヨタ自動車の2021年4〜6月期の連結決算は、前年同期比72%増の7兆9355億円でした。営業利益は72倍の9974億円と事前の市場予測平均の7327億円を上回りました。全ての四半期を通じて過去最高になりました。営業増益の要因は、販売台数の増加と多目的スポーツ車など好採算車種の販売割合の増加です。
世界の自動車販売は、現在、回復しています。でも、トヨタの伸びは先行しています。4〜6月期のグループの総販売台数(日野自動車、ダイハツ工業を含む)は、前年同期より49%増えて275万台でした。同35%増の254万台だった独フォルクスワーゲンを突き放しました。
米国では「トヨタ」「レクサス」ブランドが68万台と、一年前を73%上回りました。販売店に入荷すると短時間で売れてしまいます。米国のトヨタの幹部は、「まるで生鮮品のようだ」と驚いています。
人気のさから、中古車価格が高くなっています。これが決め手になっているようです。(参考資料1、2021年8月5日、日本経済新聞を参照引用して記述)
☆まとめ
日本経済新聞は、2021年8月5日の朝刊の巻頭文に、トヨタ自動車の最高益決算を掲載していました。同紙は、2021年7月30日の朝刊(参考資料3)には、人工知能AI(注1)の最先端技術「エッジAI(注2)」に注目して記事を掲げ、この技術を登載した高級車「レクサスLS(注3)」と燃料電池車「ミライ(注4)」について、下記のように書いています。
「エッジAIの用途で本命視されているのが自動運転だ。走行中に障害物をよけるなど瞬時の判断が欠かせない状況で強みが生きる。トヨタ自動車は2021年4月、センサーで得た情報に基づき、AI(注1)が危険を認識するシステムを登載した高級車「レクサスLS(注3)」と燃料電池車「ミライ(注4)」を発売した。(参考資料1、2021年7月30日、日本経済新聞(落合周平、AI量子エディター 生川暁)を引用して記述)」
このトヨタ自動車の自動運転車は、これまで予測されていたより、かなり早く到来すると見込まれてきた次世代産業社会を、力強く牽引していってくれると思います。
私は次世代産業社会にむけて、日本と日本人を牽引していってくれる企業として、日立製作所と共に、トヨタ自動車に、大きな希望を寄せてきました。時代の変換点の今、トヨタの激発を期待します。
(注1)AI(artificial intelligence)=人工知能:「『計算(computation)』という概念と『コンピュータ
(computer)』という道具を用いて『知能』を研究する計算機科学(computer science)の一分野を指す語。人の頭脳の代わりに、記憶し考える機械システム。
(注2)エッジAI:クラウド(注5)で運用している人工知能(AI、注1)と異なり自動車やカメラ、ドローンなど利用者に近い端末(エッジ)で画像解析などを担うAI。あらかじめ多量のデータで学習させたAIを使って予測や分析をする利用方法が一般的。小型の端末でもデータをリアルタイムに高速処理できる。
(注3)レクサスLS:1989年、トヨタがアメリカ合衆国を主要マーケットとして新たに立ち上げた高級車ブランド「LEXUS(レクサス)」の最上級車。
(注4)燃料電池車( Fuel Cell Electric Vehicle, FCE
V):搭載した燃料電池で発電し、電動機の動力で走る電気自動車。燃料電池に水素やメタノールなどを使用。燃料電池車ミライ:トヨタ自動車が製造・販売する、量産車として世界初の高級セダン型燃料電池自動車。
(注5)クラウド=クラウドコンピューティング(cloud computing):インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態。クラウドの世界的な普及でオンラインであれば必要な時に必要なサービスを受けられるようになり、あらゆる作業が効率化され、社会の創造性を高めることに成功した。
参考資料
(1)日本経済新聞、2021年8月5日。
(2)椎野潤(続)ブログ(348) AIの次世代 エッジAI 実店舗を大改革 契約書類作成 自動運転にも クラウドに代わり台頭 2021年9月7日。
(3)日本経済新聞、2021年7月30日。
[付記]2021年9月14日。