耕作放棄地解消と移住者農業従事者を増やそうと日夜努力しているところですが、大隅地域の各市町村に耕作放棄地のデータを求めてみると、各市町村統一した調査管理体制ではないのですが、耕作放棄地が減ったり増えたりしております。単純に考えると農業従事者が減り耕作放棄地が増えていると思いがちですが、耕作放棄地の概念の中に荒廃農地の分類があり「A分類(再生利用が可能な荒廃農地)」とは、「抜根、整地、区画整理、客土等により再生することにより、通常の農作業による耕作が可能となると見込まれる荒廃農地」。 「B分類(再生利用が困難と見込まれる荒廃農地)」とは、「森林の様相を呈しているなど農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難なもの、又は周囲の状況から見て、その土地を農地として復元しても継続して利用することができないと見込まれるものに相当する荒廃農地」。とあります。この判定も人がしていきますので、少し曖昧米ではありますが、農地から林地に代わっていきます。国も農地の森林化を支援する姿勢ですが、農業関係者等、鳥獣緩衝帯機能を目的として協議されていくとおもいます。私も現地に視察検討に行きますが、荒廃地の立地は虫食い状態で、耕作地と荒廃農地が入り混じっている状況です。
地権者、農業委員会、地域住民や行政が、もう少し立ち入って計画的に進めないと全体バランスの悪い状況かと思われます。また、増えてくる林地の植栽も、獣害対策を考慮するべき策と年々増加する林地を市町村の計画にどう落とし込んでいくかの情報を農業関係者と林業関係者との共有化が急務かと思います。
☆まとめ 「塾頭の一言」 酒井秀夫
耕作放棄地解消と移住者農業従事者を増やそうと努力しておられるご報告ですが、以前にも畜産飼料の自給率向上を目指した報告をしていただきました(2022年8月16日人口減少と食料安保)。実際に現地調査をすると、耕作地と荒廃農地が入り混じっている状況とのこと。荒廃農地が野生動物の隠れ家となって、周囲の農作物や集落に被害を及ぼしていることは想像に難くありません。荒廃農地の見通しがよくなるように、立地に応じて家畜飼料の栽培や木材のストックヤードなどにも活用されるようになればと思います。