岐阜県飛騨市(井上 久則 市長)では地域の貴重な自然財産を市民の手で保全する取り組みが進められており、その一つに天生県立自然公園の高層湿原とブナやカツラの原生林があります。
天生県立自然公園は飛騨森林管理署(高山市:原 修 署長)が管理する天生国有林が大半を占め、同署では高層湿原の乾燥化に伴い侵入したイヌツゲの除去など、豊かな自然環境の復元に取り組まれてきており、今回実施した外来植物であるオオバコの除去も同署が地域と取り組んで来たものが、地域住民による自主的な保全活動へと発展してきたものです。
飛騨市では今年も市民に呼びかけ、県民が森林と親しむ岐阜県山の日(8月8日)の一環として天生県立自然公園のオオバコ除去を実施し、市民や飛騨森林管理署などから約50名が参加しました。(社)名古屋林業土木協会古川支部(柳 七郎 支部長)では、地域の一員として、またフォレスト・サポーターズとして毎年天生湿原の保全に取り組んでおり、今回は支部会員18名がボランティアとして参加しました。
同公園のオオバコ除去はすでに5年を経過し、登山道や散策道のオオバコは相当減少したことから、今年は登山靴につけて奥へ運ぶことを防ぐために、登山道入り口周辺を中心に実施しました。オオバコも数は多いのですが小ぶりになったこともあり今回は軽トラいっぱいの採取となりました。
古川支部では今後も湿原の木道整備など、地域の貴重な自然財産として国有林を活用した取り組みを”フォレスト・サポーターズ”活動として支援していく考えです。