第62回伊勢神宮式年遷宮も10月6日、外宮の御神楽で三十三ある遷宮の諸祭が全て終わり、8年がかりで進めてきた式年遷宮が幕を閉じました。
8年前、山口祭からはじまり平成17年6月5日には、東濃森林管理署(岐阜県中津川市付知町:間島重道 署長)が管理する加子母裏木曽国有林で御用材伐採式が執り行われ、ご神体をお納めする御神木が伐り出されました。
名古屋林業土木協会(梅田豊 会長)青年部(五十君正人 部長)では、毎年、地域と国有林を結ぶ取り組みも盛り込みながら現地研修を行っており、今年は式年遷宮の内宮遷御が執り行われる10月2日に、御神木が伐り出された同国有林で木の文化と歴史を学ぶ研修会を35名が参加し実施しました。
同国有林は平成13年放送のNHKプロジェクトX「よみがえれ天下の名城〜姫路城 昭和の大修理〜」でも心柱を探し出した国有林として紹介されたほか、天保9年に消失した江戸城西の丸の復興に際し、神木とする木曽で一番の大ヒノキが探し出された山で、昭和9年の室戸台風により折れたため、その後長年にわたり二代目の大ヒノキを探す中、昭和56年に偶然ともいえる場所で発見されるなど、木曽ヒノキにまつわる歴史と文化が盛りだくさんの国有林です。
研修は、同署森林ふれあい担当の鈴木智晴森林整備官に案内や指導をお願し、御神木の伐採式が行われた場所での研修や治山施工地の研修のほか、に二代目大ヒノキが見学できる散策歩道(2km)のうち、階段が急で「直してほしい」と同署に要望が寄せられていた箇所の歩道修繕にフォレスト・サポーターズ活動として取り組みました。
作業は保安林の手続きをとられる中、急な階段の歩道を緩やかな歩道へと改良する作業で、事前に歩道の形を作り当日は部員が土のうに入れた山砂利を人力で約1km運搬し、新しく作設した歩道に敷いたほか、台風18号で倒れた木の除去作業などに取り組みました。
今月下旬には地域の方々が「御神木の里で木曽ヒノキの文化と歴史を語ろまいか」といった催しを開催し、二代目大ヒノキの見学が盛り込まれているほか、地元中学校の子どもたちも御神木が伐り出さされた森、1000年の森の体感として歩道を利用されると伺っており、青年部では今後も地域と国有林を結ぶ取り組みを盛り込みながら研修を実施していく考えです。