中部森林管理局では9月18日に「長野県西部地震復興30周年シンポジウム」を開催されることになり、名古屋林業土木協会(名古屋市:梅田 豊 会長)では長野林業土木協会(長野市:勝間田 悦明 会長)とともに現地視察を実施することになり、名古屋林業土木協会青年部(安藤 智規 部長)がシンポジウムのプレイベントとして実施しました。
地震は御岳山南斜面に今は「御岳崩」と呼ばれる山体崩壊を発生させ、3,600万m3という大量の土砂が濁沢、伝上川を流下。伝上川を流下した土砂の一部は高さ100mの尾根を越えて濁沢に流入し、谷の両側の森林を破壊し尽くし、地震全体では死者、行方不明者29人という大きな惨事となりました。
現地視察には55名が参加し、王滝村に宿泊して濁沢、伝上川を一望する「展望台」、「御岳崩」を間近に見る御岳の登山口で7合目に位置する「田の原」、流下した土砂で王滝川にできた「自然湖」、そして「震災慰霊碑」などを二日間で見て回りました。
展望台では震災直後に復旧・復興として治山工事に携わった方のお話しを伺い、当時のすごさを感じるとともに、当時の写真と現在の景色を見比べ、よくぞここまで森林が復元したものだと感じました。(写真)
「御岳崩」ではその規模の大きさに圧倒され、まるでジオパークを見ているようでした。 また、震災慰霊碑は地震により大規模な斜面崩壊が発生した場所にあり、当時の様子を地元の方から伺う中、30年の歳月による復興を感じることができました。
この慰霊碑では地震が発生した9月14日に追悼式が執り行われており、参加者全員で黙とうをし犠牲者のご冥福をお祈りさせて頂きました。
王滝村は人口が900人弱と減少しており、村の財政も厳しいと伺っております。田の原では御岳山の頂上小屋まで見られるすばらしい山岳景観と左斜面に「御岳崩」の崩壊が遠望でき、すばらしい体感ができる場所です。(写真)
18日に開催されたシンポジウムでも今後の森林の取り扱いとともに、崩壊箇所が観光資源として魅力あるものといった話しも出され、パネラーから今後に活かす提言もありました。
シンポジウムに合わせ、中部森林管理局主催の一般参加者による現地見学会や、その昔、現在の岐阜県中津川市付知町や加子母など「裏木曽」と王滝村は「木曽越古道」「王滝新道」などで結ばれ、人、物資の交流があったことから、裏木曽から35名の方々が昔のコースをたどり王滝村に宿泊する現地見学も実施されています。
御岳信仰を始め、歴史と自然が多く残る王滝村です。フォレスト・サポーターズの皆さんも是非訪ねてみてはいかがですか。