4月12日(日)に開催致しました、「森林セルフケア講座実地編in東京」につきまして今回はサポーターの田中 恵美さん、当日講師をして頂きました原田 純子さんより活動報告をお届けします!
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■日時:2015年4月12日(土)10:00〜17:00
■場所:新宿御苑
■天候:晴れ
■担当:原田 純子
■参加者:8名(男性4名/女性4名)
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■報告_担当者(田中さん)より
花散らしの雨が降り続いた一週間が嘘のような、春の陽光が降り注ぐ晴天に恵まれた中、森林セルフケア講座(実地編)が行われました。
開催地は、大都会の中心であることを一瞬忘れ、季節毎の緑豊かな自然を感じられる新宿御苑です。
今回の参加者は、受講者8名(内訳:男性4名・女性4名/会員6名・非会員2名)、講師、サポーターのスタッフ4名、合計12名。山梨県、滋賀県からお越しの方もいらっしゃいました。
各自「体験前の自分の心境」を見つめ、メモをした後は、いよいよ実地の本編、立ったままでの「五感を開く体験」です。
講師誘導の元、順に五感を開き、目に映る青い空、春の樹木を愛でるすがすがしい感覚、目を閉じ、耳を澄まし、鳥のさえずりを聞きながら自然と一体になる感覚、頬を撫でる春風の心地良さ等、普段以上に体感することできました。
続いては、2班に分かれての「自然観察体験」。
春光を浴び輝くヒマラヤスギ、茶色の古い房と赤い模様をまとった若い房が同居するスズカケノキ、珍しいラクウショウの気根や落ち葉の中から顔を出すイチョウの幼樹、今満開の八重桜やエルダーフラワー、シャガ、ヤマブキの花々等を観察。春の息吹への感動や新たな発見のときめき等、全員で共有し合えた時間となりました。人目が気になりながらも、象の鼻に似た枝に座ってみたくなる童心の自分を感じた方もいらっしゃったようです。
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午前最後の部は、大地に寝転び、五感を開きながらの「複式呼吸体験」。
自然観察で高揚していた気分が徐々に落ち着いていくのを体感することができました。
休憩時間は、参加者全員で輪になって、各自持参のお弁当を頂きました。私のお弁当はお粗末でしたが、新緑を愛でながら皆で食べる食事は、いつもと違う美味さ・楽しさがありました。
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お腹が満たされた後は、ひたすら体に意識を向け、園内外周を足早に歩く「運動療法体験」。
歩く前、中間、歩き終わった後、脈拍を数えることで、体の変化や自分に合った運動強度を知ることができました。
その後、陽射しの少ない高樹茂る場所へと移動。各自、好きな木のたもとで、静かに「ひとりで過ごす体験」をしているうち、心拍数も落ち着き、誰もが体と心をありのままに感じられるひと時を過ごされていたようです。
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最後は3班に分かれ、ワールドカフェ形式で自分が感じたことを振り返りシェアする時間を持ちました。
参加者全員の方が、心身への森林セルフケアの効果や体験前と体験後の違いを感じられたようでした。また、初めてお会いしたのに、「すぐに昔からの友達であるかのような信頼感・一体感が芽生え、安心した気持ちですべての森林セルフケアを体験できた」という感想が非常に多かったことは印象的でした。
森という空間、森林セルフケアという目的・体験を共有し、私自身も、加速的に芽生えた安心感・一体感の中で、思う存分、自身のセルフケアを実体験できました。集団で行うことによる相乗効果、心理的・社会的側面のプラスαの効果についても考えることができた素晴らしい一日となりました。
(報告:森林セルフケアサポーター 田中恵美)
■報告_担当者(原田さん)より
前日に開催された室内編を踏まえた実地編。鉄は熱いうちに打て、の言葉通り、昨日の講座で学んだことを実際に経験してみる実地編は、前日までに降り続いた雨が嘘のように晴れた新宿御苑で開催されました。
まだ八重系の桜は満開状態で人出も多く、講座はシンボルツリーであるヒマラヤスギ近くの木陰で参加者の自己紹介からスタートしました。次に花見客達があまり通らないルート上のスペースに場所を移し五感を開く体験をしました。
足元に積もった落ち葉のカサカサする音を聞き、雨に洗われた木々の葉の緑を見ながらその緑の色の濃淡に気づき、目を閉じて鳥の声や風の音を聞き分けました。80%の情報の取り入れ口である目を閉じることで、感覚は一層研ぎ澄まされ、同時に頬を撫でていく風の感触にも気づきました。残念ながら味覚を使うことは昼食時までできませんでしたが、足元に群生していた白い花にとげがあることも見つけ、前日の講座を復習することができました。
十分に五感を感じた後は、母と子の森の自然観察をしながらゆっくり進みました。タイムリーなことにエルダーフラワー(セイヨウニワトコ)が真っ盛りで、ほんのり芳香を感じ、モミジの新芽の若い緑の下に赤い花がぶら下がっているのを見つけることもできました。
そのまま、その先のポッカリ開けた草むらまで歩き、輪になって腹式呼吸を体験してもらいました。初めは立ったままでの腹式呼吸でしたが、次に草むらに仰向けになっての腹式呼吸も体験しました。横になることで腹筋も楽になり、呼吸のついでに先ほどの五感体験を、目線を変えてもう一度体験しました。ちょうど昼時となり、そのまま持参のお弁当で味覚も満足させることができました。
食後は和やかに歓談しながらゆっくり過ごし、参加者の親睦も深まったところで午後のプログラムを運動療法体験からスタートさせました。脈拍を120/分まで上げるにはどの程度の強度の運動が有効なのか、運動の前後と途中で1回脈拍数をカウントしながら、ただ黙々とひたすら歩く怪しい集団と化しながら早足で御苑を回り、脈拍数120の世界を体で覚えました。その後は木立の中の自分の好きな木の根元で一人の時間を過ごして、しばらく自分を振り返る時間を持ちました。
最後は今日1日の体験をワールドカフェで思いを伝え合い、参加者の意識の中に森への思いが一層強くなったことを確認して実地編の講座は終了しました。