☆新テリトリー「次世代産業社会へ」の序文
コロナ危機のような大きな危機が襲来すると、未来に訪れる次世代世界の到来は、俄かに到来時期を早めます。次世代社会を創出して大改革を実施するには、これまでの社会の一部を終焉させなければなりません。これには、大きなエネルギーが必要です。コロナの悪魔は、人々が育て上げてきた大事なものの多くを破壊しました。でも、改革を阻害してきた壁も、一気に吹き飛ばしたのです。
ここで日本も、再出発の極めて重要な局面を迎えました。私のブログも「次世代産業社会へ」と名付けた新テリトリーを設けて再出発します。2021年8月は、大きな節目のときとなりました。
林業再生・山村振興への一言(再開)
2021年8月 (№127)
□ 椎野潤(続)ブログ(338) 日立製作所 次世代産業社会に向けて激烈に発進(その1) 日立が、先導している「健康・医療」分野における2023年までの具体的経営計画を発信 2021年8月3日
☆前書き
2021年6月18日の日本経済新聞は、日立が、次世代に向けて、すでに優位に先導している「健康・医療」分野において、2023年までの具体的経営戦略について発表しました。これは次世代に向けた日本の牽引者日立の凄い具体戦略です。同日の日本経済新聞は、これについて記事を書いています。今日は、これを取り上げてブログを書きます。まず、この記事の「書き出し文」の引用から始めます。
☆引用
「日立製作所は2021〜2023年度に、医療・健康分野で計3000億円を投資する。世界シェア首位の血液などの分析装置で精度の高いデータを収集し、人工知能(AI、注1)で分析。微量の遺伝子から、がんの予兆を見付け出すサービスを実用化する。IT(情報技術)を軸とした事業構造改革が最終盤にあると位置付けており、新型コロナウイルス後を見据えた成長分野を探る。(参考資料1、2021年6月18日の日本経済新聞から引用)
☆解説
日立製作所は、2024年度までの医療・健康分野の売り上げ高を3600億円と、2021年度において予想していた数値との比較において、70%拡大する計画を発表しました。ここで柱になるのは、遺伝子診療など、患者の個人データを生かした医療です。2024年度までに、2000億円の売り上げ高の事業に育てます。ここでは、微量の血液に含まれる遺伝子から、疾病の予兆を見付けるサービスを実用化します。
日立製作所における、この分野での次世代に向けた研究と開発は、コロナ禍のもとでも些かの緩みもなく進められてきました。私は、皆が慎重になっているコロナ下における日立の熱い実行に強い期待を感じます。
2020年には、生化学分析装置で世界シェア首位の「日立ハイテク」を、完全子会社化しました。日立ハイテクは、これまで同社が持つ微細な細胞や遺伝子の解析技術を活用し、データを収集してきました。日立製作所は、今後は、電力のインフラや工場の稼働分析などの1000件のデータビジネスで得た解析技術と、これを掛け合わせていくのです。いよいよ、日立製作所のコロナが終焉した後の日本での、力強い爆走のスタートです。
☆まとめ
2021年3月には、米国とスイスに本社があり、世界1000社以上の企業が、そのサービスを活用している遺伝子分析ソフト会社、ソフィア・ジェネティクスとの協業を発表しました。日立製作所は、安全な遺伝子データの現場の管理に、いよいよ、具体的に取り組む決断をしたのです。さらに、この遺伝子診断の結果を基に、人工知能(AI、注1)が最適な治療法を選ぶ技術の開発も鋭意推進します。
一方、再生医療分野では、様々な細胞に育つiPS細胞(注2)の最適な培養条件を、AI(注1)で創出するシステムの開発も強力に開始しました。
日立製作所では、この投資枠のうち、1500億円をM&A(合併・買収、注3)の出資にあて、1000億円は、研究開発にあてています。同社はコロナ禍のもとでも次世代に向けてた改革に、全力を傾注しています。コロナ後の新世代産業社会の構築に向けて、急発進する体勢をしっかり固めました。(参考資料1、2021年6月18日、日本経済新聞を参照引用して記述)
(注1)人工知能(AI):AI(artificial intelligence)=人工知能:「『計算(computation)』という概念と『コンピュータ(computer)』という道具を用いて『知能』を研究する計算機科学(computer science)の一分野を指す語。人の頭脳の代わりに、記憶し考える機械システム。
(注2)iPS細胞=人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells):体細胞へ4種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化能(pluripotency)と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。
(注3)M&A:合併・買収。
参考資料
(1)日本経済新聞、2021年6月18日。
[付記]2つ21年8月3日。