「みんなここにきて、人間らしさを
取り戻していくような気がします」

フォレスト・サポーターズ (財)キープ協会八ヶ岳自然ふれあいセンター 五味 愛美さん

森林づくりの活動について

foresapo-fureru-interview_img1いま、心療内科の医師と一緒に財団法人キープ協会の「森療時間」というプログラムをやっています。1泊2日で、森に入る前と、森の中で心のバランスを取るような緩やかなリクリエーションなどを行った後、自律神経の測定をするというものです。交感神経と副交感神経を測定し、その割合が5対5くらいが理想なのですが、バランスが悪くなると副交感神経の値がグンと上がって交感神経が下がっています。それが、森の中で活動をした後に測定をしてみると、そのバランスがよくなっていて皆さん納得されます。「森に入ると気持ちがよくなる」というのが数値として表れてくるんです。

活動を行うきっかけ

私は昔から森が好きで、社会にも貢献したいと思っていたので、環境教育の仕事に携わって10年が経ちました。昔、キープ協会の辺りに診療所があったこともあり、協会内自体が保健や衛生に対する意識が高かったこともあります。ですが、大きなきっかけは、ストレス障害になってしまった方がいたり、自分自身も体調を崩してしまい2カ月程休んだことがあったんです。そのとき森に入って、スイッチが入った感じがしたんです。『私、元気になれるかも』という前向きな気持ちがわいてきたんですね。

今後の目標や展開

森にふれることは、自分をリフレッシュさせる手段の1つかなと思います。これを働き盛りの人たちのためにつくったプログラムが「ビジネスリトリート」です。北杜市と組んで、オフの環境でオンのもの(仕事)を持ってくることでどれだけ効果が上げられるのかを調べ、実際、何社かの企業に利用してもらいました。これをもっと広げていきたいです。他にも、新人研修などにこの森によるストレスマネージメントを取入れてもらうなど、働きかけをしていければと考えています。

フォレスト・サポーターズに参加する方々へ

アロマテラピーはイギリス、森林療法だとドイツ、環境教育だとアメリカが先進国ですが、アメリカもドイツも森林率は30%程でイギリスは10%程だと聞きます。

国土の約7割が森林の日本の中に学ぶものはもっとあるはず。さまざまな森に関する知恵を集めると同時に、是非、森以外の分野の人も入っていただいて、違う角度からのアイディアをいただき、一緒に森と人の理想的な関係を築くことができればうれしいですね。

八ヶ岳自然ふれあいセンター