「森林が持つ持続可能性の中に、
社会を持続するための ヒントがあると思う」

フォレスト・サポーターズ(特)JUON(樹恩)NETWORK 事務局長 鹿住 貴之さん

森林づくりの活動について

foresapo-sasaeyou-interview_img1JUON NETWORK(樹恩ネットワーク)は、都市と農山漁村の人々をネットワークで結ぶことにより環境の保全改良、地方文化の発掘と普及、過疎過密の問題の解決に取り組むことを目的として、98年4月に大学生協の呼びかけを受けて誕生した特定非営利活動法人です。現在森林保全活動として、国産間伐材製「樹恩割り箸」の普及推進や森林ボランティア活動の入り口の企画である「森林の楽校(もりのがっこう)」(09年度は秋田、群馬、埼玉、東京、新潟、富山、岐阜、兵庫、徳島、香川、高知、長崎の全国12ヶ所)、「森林ボランティア青年リーダー養成講座」(東京は第10期まで・関西は第2期まで)等を開催しています。

活動を行うきっかけ

学生時代に学生ボランティアのネットワークづくりや、ボランティア活動の推進を行っていたことが縁で、卒業後、97年に大学生協のボランティア担当になりました。その関係で、98年に大学生協が呼びかけてJUON NETWORKを設立する際に、事務局を担当することになりました。99年から事務局長になり今に至っています。その意味では、偶然森林保全活動に携わることになりますが、活動を続けるにつれ、非常に重要な問題だと感じ、取り組んできました。

今後の目標や展開

森林ボランティア活動等を通して、都市と農山漁村の交流を行ってきました。JUON NETWORKの活動は、森林・山村の現状を知っていただく啓発的な意味合いの活動が中心です。この10年で、「交流人口」を増やすことはできたと考えていますが、最近「限界集落」という言葉をよく聞くように、「定住人口」の増加にはあまり貢献することができませんでした。そこで、今後は「定住人口」に結びつくことも意識しながら活動を進めたいと考えています(林業が仕事として成り立つようになることも含みます)。

また、日本の森林を守るために国産材・間伐材を使う、障害者の仕事づくり等の意義をもつ「樹恩割り箸」を、現在3つの障害者施設(徳島、埼玉、群馬)で製造しています。現在需要に供給が追いついていないため、製造工場を更に増やす準備をしています。

フォレスト・サポーターズに参加する方々へ

現在「持続可能な社会」ということが叫ばれていますが、現在は化石資源の利用の上に乗っかった持続不可能な社会です。一方、木や植物は工業的な材料という意味では唯一再生産が可能な資源です。「昔の暮らしに戻れ」というのはなかなか難しいことですが、この「木や森林が持つ持続可能性」について考えることが、社会を持続可能にしていくためのヒントではないでしょうか。

(特)JUON(樹恩)NETWORK