「平成元年「‘89美しい緑 ガールスカウトの森」の
第1歩が歩き始めました。
少女たちが企画したプログラムに沿って
森で勤労体験をします」

フォレスト・サポーターズ
ガールスカウト長野県第26団 団委員
木部 則子さん

森林づくりの活動について

foresapo-sasaeyou-interview_img21987年、環境問題に取り組み始めていた長野県の300人のガールスカウトたちは、県支部ギャザリングの中で環境問題として「自然のためにわたしたちのできることは何だろう?」と話し合いました。まず、講演を聞き、たくさんのアンケートを集め、その結果「母なる木ブナ」を植えることになりました。

平成元年「‘89美しい緑 ガールスカウトの森」の第1歩が歩き始めました。たくさんの方のご協力をいただき、長野県戸隠国有林内に「グリーンアクション」として、300本の「ブナの木」を植え、第1の森としました。その後、2箇所の植樹をしながら 小さな森が3つとなり、スカウトの考えた「明日の世界へのビジョン・・」夢と希望の架け橋として現在に至っています。

植樹をしたあと、ガールスカウトの少女たちは毎年、雪が解け、下草が生える7月には下草刈りをします。長野県全域を4地区に分わけ、少女たちが企画したプログラムに沿って、地区ごとに交替で森での勤労体験をします。時には枝打ちをし、間伐もします。

森に関したネイチャーゲームなどを取り入れ、ガールスカウトたちは、自然の中での活動を楽しんでいます。 全ての作業は森林官のご指導を受け、安全も、危険も、情操も、この体験を通して少女たちは成長していきます。

活動を行うきっかけ

私は「ガールスカウトの森」にリーダー(指導者)として最初から参加して参りました。20年前は環境・水・緑・という言葉が盛んに使われ始め、ガールスカウトも、少女たちの将来を見据えたとき、この大切な活動を形あるものにしたいと云う気持ちが強くありました。もともと自然が好き、山がすき、花が好き、ガールスカウトが好きでしたから、いつの間にかひたすらに森づくりの中にしっかり入っていました。今は森の委員会委員という立場でこの活動を続けています。

今後の目標や展開

2010年からガールスカウト日本連盟では「ピースプロジェクトGreener×Greener」をはじめました。これは今までに展開してきた、海外の難民支援プロジェクトを発展的な視野で捉え、森林保全活動を通して得た利益により、海外の難民キャンプ周辺の森林環境改善に取り組もうという発想です。それにはまず、自分の住む地域の森林を知り、考え、理解することが大切です。今は、戸隠の森で真剣に「森を育てる活動」をしている長野県のガールスカウト達が、いずれ成長していく段階で、森の存在と意義をしっかり身につけて、地域と日本と世界のステージで人のために活躍できるようになることを目指しています。

フォレスト・サポーターズに参加する方々へ

太古の人間は森の中で暮らし、生きていました。今は木さえない環境で生きている人もたくさんいます。それは人間本来の能力を否定してしまうことにも通じます。少し目を遠くに転じて、空を、山を、森を眺めるとき、人は何を感じるでしょうか?地球上の多くの問題は、森の存在が解決してくれるといいます。

森の音を聴き、森の生態を知り、森の怖さをも知るとき、私たちはきっと今までに見つけることのなかった新たな世界を知ることになるでしょう。森は素晴しい!ガールスカウトの少女たちには、自分で植えた50年後のブナの森を見て欲しいと思っています。

(社)ガールスカウト日本連盟