飛騨山脈(北アルプス)の飛騨側に位置する穂高国有林には穂高岳や槍ヶ岳などの登山に利用される登山道がいくつもあります。その中で新穂高から右又谷林道を経て槍ヶ岳に向かう登山度はいくつかの沢を渡るために降雨による増水のたびに徒渉が困難になるといった状況がありました。
こういったことから(社)名古屋林業土木協会神岡支部(松葉 慶一支部長)では関係者とも相談する中で林道から登山道に移る場所にあたる白出沢に仮設の橋を設置しました。この白出沢は通常伏流水となって流水がなく、大転石の河原を渡ることができますが、ひとたび降雨があると増水した流れが行く手を阻み、数年前には徒渉を試みたひとが流されてけがといったこともありました。また、大水の後は土石が移動し登山道が分かりづらくなるなど、登山者が難儀した場所でした。
今回支部では日頃の技術を生かした簡易な鉄製の橋を製作、現地の大転石を利用して会員により橋を仮設しました。早速利用した登山者からは安心で分かりやすいと好評。橋は雪崩で飛ばされる危険があるので積雪前に撤収し春にまた仮設することで考えています。
「自己責任」が前提の登山ですが、登山者の安全などに取り組む「北アルプス飛騨側登山道等維持連絡協議会」など関係機関からは「なんとかしたい」と思っていたことが実現できたと喜びの声も聞かれました。
支部では今後も”フォレスト・サポーターズ”として会員の技術も生かして、奥飛騨に位置する国有林における様々な活動に取り組んで行く考えです。