岐阜県下呂市小坂町は霊峰御岳山麓に位置し、岐阜県が地域の観光資源の掘り起こしとして取り組む「ぎふの宝もの」第1号の「小坂の滝めぐり」があるなど、自然豊かな町です。
岐阜森林管理署では、レクリエーションの森など広く国民が利用する国有林で、地域と子どもたちが協働して整備する中で、子どもたちにふるさとのすばらしさを再発見していただくとともに、地域の活性化につなげようと呼びかけられ、下呂市立小坂中学校、下呂市小坂振興事務所、小坂町森林組合などとともに、名古屋林業土木協会小坂支部(梅田 豊 支部長)も、赤沼田国有林にある、樹齢約170年、国内最古とも言われる人工林「赤沼田の天保林」において歩道の整備や看板の付け替え、看板の清掃作業などに、子どもたちや地域の多様な団体とともに取り組みました。
当日は小坂中学1年生17名など、全体で62名が参加。当支部の新井雅安全・技術対策委員会委員長の司会で進められ、長口 深 岐阜森林管理署長からは子どもたちに「昔の人がどんな気持ちで植えたんだろうなとか、これからどのように守って行ったらいいかなとか、みんさんのふるさと小坂町の宝ものにならないかなど、三つのことを考えながら取り組んで下さい。」とあいさつがありました。
天保林の作業の前に、岐阜森林管理署の影山成生 地域林政調整官から、森の働きや木を利用することの大切さなど、わかりやすいパネルを使った森林教室があり、その後、当支部の松田欣也 環境・社会貢献委員から作業の内容を説明、子どもたちと地域の7団体が3班に分かれ作業をしました。(写真)
また、天保林には森の巨人百選にも選ばれた「天保林大ヒノキ」(樹齢約170年 幹回り350cm 樹高36m)もあり、子どもたちはその大きさに驚きながらも、互いに手をつないで幹を囲んだり、大ヒノキの前でポーズをとっていました。(写真)
作業終了後に子どもたちの代表三人から、「屋久島やアメリカの大木を見て見たいと思っていましたが、こんなに近くに素晴らしい自然があることがわかりました」「植物に興味を持っていなかったけど、森林教室の話しを聞いて興味が出てきました」「森の中へ入るのが楽しみで来ました。入ってみてとても気持ちが良かった。また来たいです」といったあいさつがあり、最後に小坂町森林組合の住 正文 代表理事組合長から、「天保林に来てくれてありがとう。今年は伊勢神宮の遷宮の年。遷宮に使われるヒノキのように立派に育つようみんなで森を大切にしましょう」とあいさつがありました。
当日は新聞社のほかケーブルテレビの取材もあり、12日から下呂市内を対象としたケーブルテレビで9回に分けて放映されることから、さらに地域の多くの皆さんに天保林が紹介され、地域の活性化につながればと思っています。