金華山は岐阜市民のシンボルとして多くの市民に愛されています。山全体は、ツブラジイ・アラカシを主とした照葉樹で覆われており、金華山の山名は、ツブラジイの花が咲くと山全体が黄色く見え、金色に輝いて見えることに由来すると言われています。
人口40万人を越える都市の中心市街地に接しながらこのような森林が残ったのは、江戸時代から「天領・お留め山」として入山や伐採が厳しく止められていたためで、それ以降も、明治から戦前までは御料林として、戦後は国有林として管理されています。
このような国有林ですので民家にも近く、地域から様々な要望も出され、今回、金華山国有林を管轄する岐阜森林管理署(森川誠道 署長)に、長い年月のうちに上流から流れてきた土砂やゴミが民家のすぐ手前で堆積しており、大雨で流れ出ないか不安なので撤去してほしいといった要望が地元自治会から寄せられました。
現地は住宅街に隣接しトラックや重機も入れず作業に困難が予想されたことから、岐阜森林管理署から災害の未然防止といった観点で、国有林防災ボランティア協定に基づく協力要請が名古屋林業土木会岐阜支部(宗宮正和 支部長)にあり、作業方法なども検討する中実施することになりました。
当日は岐阜支部から21名、岐阜署から6名が参加。手作業で堆積土砂をキャリーダンプに積み込み運搬。(写真)水路のコンクリート製ふたが相当古く、破損のおそれもあることからポリエチレン製の専用敷板を敷いて保全しながら運搬し、2トンダンプに積み替え運搬。何回もこの作業を繰り返す7時間あまりの作業の中、無事撤去作業を終え、最後に大坪幸治次長から、さすがはプロ集団、本当に助かりました。といったお礼の言葉があり全員で写真を撮影し終了しました。
土砂にはゴミも混ざっていたため、同署では「中部森林管理局が取り組む国有林530(ゴミゼロ)運動」にも位置づけ、分別処分するなどしたところ、途中で作業を見に来られた自治会長さんからは、「たくさんの方に協力していただきありがたいです。仕上がりもきれいで満足です」とねぎらいとお礼の言葉がありました。
予想どおり大変な作業でしたが、自治会の方にも喜んでいただきフォレスト・サポーターズとして森林に関わる防災面でもお役に立つことができました。