名古屋林業土木協会久々野・高山支部(林 俊宏 支部長)では国有林の森林空間を活用した地域の取り組みにフォレスト・サポーターズ活動として協力してきています。
高山市や飛騨市の市街地を流れ日本海へと注ぐ清流宮川の源流域、川上岳(かおれだけ)は岐阜県下呂市と高山市にまたがる標高1,625mの山で日本三百名山に選定されており、下呂市側は太平洋へと流れる益田川の源流域でもあり日本海と太平洋の分水嶺となっており、山頂からは御嶽山や、乗鞍岳、穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳、薬師岳といった北アルプスの山々や、白山など、360度の展望が得られ多くの登山者が訪れる山です。
一帯は国有林として管理されており、高山市側に位置する宮国有林を管理する飛騨森林管理署(田尻 明彦 署長)では、関係者の要望もあり、岐阜県が取り組む清流の国づくり、源流の森林ツアーの一環として、清流の源を体感できる散策路を登山道の途中から作設することになり、平成20年に当支部がフォレスト・サポーターズ活動として登山道の途中から散策路を新設しました。
その後、地域では散策路をグリーンツーリズムなどにも活用されてきましたが、冬の豪雪などで散策路の整備が必要となり、昨年に続き今年も一本約10キロの丸太50本を人力で担ぎ上げて階段を整備するなど、林業土木の技術を生かした作業に会員16人が取り組みました。(写真)
当日は同署から参加いただいた稲垣正紀 森林技術指導官、岩倉豊樹 宮森林事務所首席森林官とも打ち合わせしながら作業を進めましたが、急峻な登山道を登ってから源流域を体感する散策路があり、荷揚げといい、階段の新設といい今年も大変な作業となりましたが、最後に全員で写真を写し無事作業を終えました。
当支部では今後も山間地域で林業土木事業に取り組む建設業の一員として、中部森林管理局が取り組む森林・林業社会貢献活動を通じ、国民の森林づくりの推進や地域振興に寄与していく考えです。