10月9日・10日と「秋の高山祭」が繰り広げられる岐阜県高山市は市町村合併で全国一の面積となるとともに、実に92%が森林という名実ともに山都となりました。
その飛騨高山で、「林業は儲からないから手入れも出来ん」というあきらめから、「うちの山の手入れを頼んでみようか」といった「利益の出る林業」への取り組みが「美しい森林づくり」と題して合併した旧町村を単位に各地域で実施されています。
4回目となる今回は古墳群で名高い国府町での開催。会場のJAひだ国府支店には秋の収穫に忙しい中を実に80名の方が集まり、まずは地域での取り組み事例として荘川町一惣造林組合から三島潔組合長が、また飛騨高山森林組合からは山本茂樹林産課長が団地の集団化と路網の整備で山主に利益を還元できた取り組みが発表されました。
続いて高山市の長沼隆林務課長の進行でパネルディスカッションが。今回は地元国府でペレット燃料を製造する木質燃料(株)を立ち上げた代表取締役の清水裕登氏、高山市森づくり委員会委員長の木戸脇進氏、そして岐阜県からは飛騨農林事務所の中谷和司林業課技術主査が事例発表した二名とともにパネラーとして登壇。具体的に森林所有者に還元できる額や、今まで捨てていた木材が十分利用できるといったペレットの取り組みなどが出され、参加者の関心を集めていました。
このあと参加者は実際に間伐作業が行われている現場見学に。3名の持ち山を一緒に作業し「この山で反あたり5万円還元しています」といった具体的な説明に、多くの参加者から山の手入れに向かう関心の声が聞かれました。
今回の取り組みには飛騨森林管理署からも渡邊衛市署長を始め菅野耕治流域管理調整官らが参加。民有林と国有林が連携した地域林業の再生に向けた取り組みが「美しい森林づくり」として進められています。