岐阜県飛騨市は平成11年9月の局地的集中豪雨、16年10月の台風23号により大きな災害に見舞われた地域です。この災害を通じ川の上下流が連携して森林整備に取り組む芽が生まれ上下流連携が始まりました。
しかし、広大な森林を整備するには新たな取り組みが必用なことから、岐阜県は全国植樹祭を機に「健全で豊かな森づくりプロジェクト」をスタート。飛騨市でも「朝霧の森プロジェクト」として取り組まれており、これをより広く市民の皆さんにみてもらおうと「美しい森林づくり in 飛騨市」を、飛騨市・飛騨市森林審議会、飛騨市森林組合、岐阜県飛騨農林事務所及び飛騨森林管理署の主催で開催され、地域の住民約100名が参加しました。
中矢飛騨市農林部長の司会で、主催者を代表して井上久則飛騨市長からは、「56豪雪で林業への意欲が失われたが、大きな災害を機に山に対する考え方をしっかり持った。岐阜県は22年6月に「全国豊かな海づくり大会」を開催。豊かな森林づくりが豊かな海づくにつながる」とあいさつ。また菅沼武飛騨市森林組合長からは「儲かる林業を目指した低コスト化には小さな面積の所有者の山を団地化することが必要」と訴えられました。
続いて林業新知識7月号で取り組みが紹介された木戸脇進氏と地元で林業に取り組む井畑萬氏から発表があり、岐阜県飛騨農林事務所の山下技術主査、飛騨市田中農林課長から、県や市の取り組みが紹介されました。
このあと会場を古川町黒内地内で実行している「朝霧の森プロジェクト」会場に移し、飛騨市森林組合森腰参事、沼田林産課長から、施業の集団化と高性能林業機械の使用で山主にお金を還元できるようになったという説明があり、参加者も若い森林組合職員が高性能林業機械をつかいあっという間に伐倒造材される作業工程に驚きの声も聞かれました。
飛騨森林管理署(原 修 署長)では地域と連携し民有林の取り組みを支援しており、(社)名古屋林業土木協会としても”フォレスト・サポーターズ”として今後も取り組みをPRしていきたいと考えています。